西国水軍会議 その4
河野のオッサンは広間に戻ると、早速、オレヘの臣従を願い出た。
「ぬ⁉︎いや、しかし、お主は幕府の御相伴衆では?」
「それを言うなら三好殿も幕臣で御座るが若竹丸様の乳兄弟でもあられる」
「ぬ?むむむ、そうではあるが……」
何がむむむだ!せっかく、オレに海の領地が出来るチャンスなのに!
「チャイ!」
オレは河野のオッサンの頭をペチペチしながらアピールする。あー、八郎居ないと面倒くさいわ〜。
「ウー!ウー!」
仕方なく、パパンの膳の上に立つと、ガニ股で踏ん張った。認めてくれないと、ここでンコ漏らすぞ!
「分かった、分かった。好きにせい!」
折角の料理の席を台無しにされては敵わないとパパンが認めてくれたよ。
「おお!ありがたき幸せ!やりましたな、若竹丸様!」
「ウキャー!ウッウー!」
喜ぶオレと河野のオッサン。
「だが、河野殿。若竹には鬼神が憑いておる。心して仕えよ」
「は?ははぁ!」
余計な事、言うんじゃないよ。まぁ、河野のオッサンはそれ程気にしなかった様なので良かったよ。お家の大事だからな。それどころじゃ無いんだろう。鬼でも蛇でもお家存続が叶えば良いんだよ。
「それと、臣従するので有れば、京にも拠点が必要であろう。細々とした事は後で勘解由小路と相談せい」
「ははぁ!」
オレを置いて下がろうとする河野のオッサンに追い縋るオレ。ここで仲良くしておかないとね。待って!待って!
「ウー!コーオー!」
「若竹丸様……。如何致しましょう?」
縋るオレを見て、パパンに尋ねる河野のオッサン。
「若竹に臣従したのであろう?若竹の好きにさせい」
「はあ、では若竹丸様、行きますか?」
尋ねるオッサンに両手を挙げて、抱っこを要求する。
「はあ、では行きましょう」
ただでさえ、下がり気味の八の字眉毛が更に下がっているぞ。
「おお!若竹丸様!こちらへお戻りになられたか!」
「河野の主家じゃと分かっておるのじゃろう!」
「さすが若竹丸様!」
この後、皆んなの注目の中、オレは河野家の席でオッサン達にちやほやされて楽しんだのだ。
河野家と鷹司家の嫡男が仲の良い所を見せつけているんだろうね。いろいろ遊んでくれている。
こっそりお酒を貰おうとしたら、流石に桂に阻止されたけどね。
だいたい日本の会議は始まる前に終わっている。実質の折衝は事前に終わっているからね。今日の食事会もその最終確認みたいなもんだし。
これまでマチマチだった通行料や手続きなども一つのルールに統一して分かりやすく、スムーズな運行が出来るようにするんだ。
その為の顔合わせもあって水軍衆も引き連れての大会議になったんだね。
そろそろ南蛮船も日本近海に現れるそうだしね。その辺の対応なども決めたんだってさ。倭寇の仲間としては既に暴れていて、大内も二、三隻沈めているそうだ。
「さん、はい!」
「「「ボル ファボル シガメ!」」」
なんか会話の勉強してるけど、これ通じるのか?
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