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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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嵐山の紅葉見学

 今日はみんなで嵐山の天龍寺へ紅葉狩り。関白さま御一行って事で、京は大騒ぎだ。


 嵐山の紅葉見学は、関白さまが大行列で出るので京のお公家さんたちも便乗して来ている。治安は良くなったとはいえ、流石に公家が護衛も無しで出歩く訳にもいかない。けど、嵐山まで出掛けるには大掛かりになっちゃうからね。


 例によって、八郎に説明している在富(ありとみ)の解説を聞きながら道を進む。


「鷹司家は道を整備しながら進むので、道が悪くて牛車が立ち往生する事も無い。牛車の貸出しもしている。護衛はウチのが大勢いるからな。先方に迷惑なので、他の公家は最低限でとお願いしている。なので、向こうとしても助かっているのだ」


 体面を気にしないといけないから、公家も大変なんだよ。


 悪童組も参加してる。槍を担いで馬に乗って来たので、お坊さん達が慌ててたよ。近衛さんちの晴嗣(はるつぐ)が馬上から話して治めていたけどな。将軍家の義藤(よしふじ)もいる。二人はまだ六歳だから、後ろに侍が乗っているけどね。


 大勢で行列になって来たので、色々な人がいる。九条家からも当主の稙通(たねみち)さんが来たんだって。


「また小倉山の紅葉を眺められるとは思っておらなんだ。鷹司さんのおかげでおじゃる。ありがとう」

「何を申されるか、今の鷹司があるのも九条さんの教えがあったからこそ。稙通さんにも若竹に源氏を教えてもらわんと」

「ほほほほ、まだ若さんに源氏は早過ぎましょうぞ」

「これは、爺の欲目が過ぎたかのう。アッハッハ!」


 ウチのジィジとは仲が良いみたい。九条家もちょっと前まで困窮していて、稙通さんもあちこち旅していたんだって。旅先で色々教えてお金を稼ぐんだってさ。


「ならば、わたしに教えてくださいな」

「これは、宮さん!それならば、この冬は鷹司にお伺いいたしましょう」


 ゲンジを教えて貰えるって、マンマだけじゃなく、乳母や侍女達も喜んでるぞ?あ!源氏物語か!ありゃ女の人大好きだよね。前世でも何度かブームになってよな。


「若竹や、この稙通さんには忠冬が子供の頃、さんざん迷惑をかけてのう。あやつもわしも稙通さんには頭が上がらないのじゃ」

「ほほほほ、忠冬さんも若い頃はヤンチャでしたからのう」

「はぁ、アレはヤンチャどころでは無かったわい。全く、父と子が厄介者で。ワシの胃がよく持ったものじゃよ」


 パパンがさっきからこっちに近付かないのは、稙通さんが苦手だからみたい。


「ほほほほ。そうですな。若さんには源氏の代わりに飯綱の法をお教えしましょうかの」


 さっきまで、穏やかだった稙通さん。顔は笑っているけど、目が怖いぞ?


「グ、グブゥ……」


 ちょっと、八郎!主人(あるじ)を盾にするな!


「そちらの稚児も些細がある様子。なかなか、面白き事がありそうですな」

「ははは、稙通さんには敵わんのう!」

「いえいえ、鷹司のおごっそさんには敵いません」


 九条のオッサンはジィジとマンマに任せて逃げよう!千熊、阿子!逃げるぞ!


「ダウ、ダウー!」


 ダバダバとハイハイで逃げ出すオレたち。向こうの庭では悪童組が遊んでいる。


「おや?若竹丸様。こちらにいらしたのですか?」

「やはり、男の子。紅葉よりもヤットゥの方が好きなのかしら?」


 悪童組が遊んでいるのを見てた侍女達が話してる。晴嗣や義藤達は相撲しているみたい。まったく。すっかり脳筋に育っちゃったな!義藤はともかく、晴嗣はアレでいいのかしらん?





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