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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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【閑話】[貧乏貴族]兵衛くんの嫁取り合戦 その6

誤字報告、ありがとうございます!


第49部分 あなたは芋派?それとも蕎麦派?において、燃料がガソリンではなく軽油とのご指摘だったのですが、実はこの「小松1型均土機」って、4サイクルの水冷式ガソリンエンジンだったらしいのです。


また変な所を見つけたらご指摘、お願いいたします!

 前回、嶋家の調略を成功させた兵衛だぞ!あの時は、輿に乗ったお大尽様の役だったが、今回、泥の中にいる。


「ううぅ、冷たい。寒い。辛い」


 布施さんが、隣でグチっている。オレ達は今、伊賀の山の中にいる。山の向こうは甲賀の信楽。


「ホレ!もっと腰入れて()らんかい!」


 布施さんを叱っているのが、太郎太夫。伊賀国(いがのくに)二之宮(にのみや)小宮(おみや)神社ゆかりの人らしい。


「この円匙(えんし)ってのは、便利じゃのう」


 円匙スコップで土を掘ってニコニコしているのは、次郎太夫。二人はここで酒の壺などの焼き物を作っている。


 --------------------


 オレ達は、嶋殿から降伏の内諾を得た事で、お褒めの言葉を頂いた。


「よう、やったのう。まだ表沙汰には出来ぬが、手柄には違いない。布施には褒美をとらす。だだし、兵衛は官位を上げねばならぬからな。今回はお預けじゃ」


 褒美は欲しかったけど、官位を上げると確約を貰った事でよしとする。(って桂ちゃんにそうしろって言われたんだ)


「うむうむ。これで嶋左近は確保出来そうだ。次は柳生家だ。イヒヒ」


 関白様が何やら呟いていたが、どうやら次は柳生殿らしい。嶋殿の城は大和国の西にあったが、柳生殿は大和国の東の山中に城がある。


 --------------------


 嶋殿は、藤原氏の(つて)を使ったが、柳生殿は菅原氏。摂関家(藤原氏)や将軍家(源氏)では、同族の伝が使えない。


 なんとか柳生の里に潜り込んで伝を作らねばならない。頭を捻ったオレ達は、勘解由小路(かでのこうじ)様に相談して伊賀の服部(はっとり)様を頼る事にした。


 服部家は元々、小宮神社の神主だったらしい。現当主の半蔵(はんぞう)殿は若い頃京にいた。その頃に、勘解由小路様や関白様と知り合ったらしい。


 その後しばらくは三河の松平家に仕えていたが、天文4年(1535年)に森山崩れが起きて失職。伊賀に戻って来た所に、鷹司家からお声がけがあったのだ。


 今は関白様からの依頼で色々な仕事をしている。嶋家の時も噂を広める仕事をしていたよな!半蔵殿に聞いたら、伊賀は他にも鷹司家から頼まれて、あちこちの土地を調べる仕事もしているそうだ。


 鷹司家の家臣ではないが、下請けではあるのだ。

 

 --------------------


「柳生の里も山中にあり申す。山中を行き来して怪しまれない職業は色々あり申すが、振る舞いを身に付けるのも一苦労」

「確かに我々はこれでも京の衛士だからの。山中を歩くのも不自由しておるぐらいじゃ」

「山中に不慣れで山中にいても不審では無い。謎掛けのようでござるな」


 オレ達の話を聞いた服部殿は思案した後、一つの策を示してくれた。


「某の累計に陶工がおり申す。陶工であれば、山中は不慣れでも山中に土を探しに入るやも」


 結局、他に良い策もなく、陶工になりすまして柳生の里に忍びこむ事になった。そのために、服部殿に頼んで、陶工の仕事を覚えていたのだ。


 






 

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