禁断の能力を手に入れたぞ
八郎を召喚した時、ライフルを持っていたのを覚えているだろうか?
アレ、在富に預けていたら、いつの間にか複製しやがった!まあ、そう簡単な事じゃなかったみたいだけど。
「職人のお手製なので、一丁がとんでもない値段に成りますし、組み上がるのも早くても三月はかかりますなぁ」
つまり、一つ一つの部品を削って作ったんだと。
「水力の旋盤しか無いので、削るのに時間が掛かるんです」
随分と原始的なんだな。戦国時代じゃそんなもんなのかな?
「前から研究してた冶金技術が高まって来てまして。それで、やっと蒸気機関が完成したのですが、まだアチコチ問題が残ってましてね」
やっぱり、チートをやってやがったな!流石に蒸気機関が戦国時代に無いのはオレだってわかるぞ!アレ?でもこの時代のヨーロッパにはあるのかな?
「まあ、チートして一つだけ技術を上げても、結局は使い物にならないんです。コレだって、ライフルは作れますけど、雷管は再現出来てない。弾は若竹丸様頼りなのです」
じゃあ、なんで作ったの?
「職人の技術向上のタメです。お陰でかなり腕が上がりましたからね」
後は、大量生産への意識転換だそうだ。銃だってライフリングとか手彫りじゃやってられないし、弾なんてそれこそ機械で生産しなきゃ間に合わない。
「木工製品や農機具などは、既にライン生産しているんですけどね」
しれっと、言う在富。
あ!建物が素早く建つのもそのせいだな?
「ええ、規格化したプレカット建材が用意されていますからね。リアル一夜城も何箇所か建てましたよ」
ムフフと笑う在富。悪い顔してらあ。
「それはさておき、若竹丸様。ご相談なのですが……」
皆まで言わなくても、分かるよ。オレは頷くと、八郎に代弁させた。
「金の延棒1本で弾千発でち」
「おやおや、若竹様もなかなかですな。大金貨20枚」
ちなみに大金貨100枚で金の延棒1本だ。
「それでは原価も出ないでち。80枚」
「恐れいります。30枚」
「この世に無い物でち。在富様だからこその破格値でちよ?60枚」
「仕方ありませんなぁ。しかし、あまりやり過ぎるとこの世界から金が消えてしまいます。40枚」
「今更、しょれを言うのかと若竹丸様がおっしゃってまつ。50枚。コレで仕舞いでち」
「分かりました。大金貨50枚。それで手を打ちましょう」
ん?がめついだって?なんとでも言え。こんなのは駆け引きにもならない営業の基本だからな。それにオレは見つけてしまったのだ。
この間、脳内のウィンドウをいじっていたら、オレの能力欄があった。元々ゲームには提督の能力値なんて無かったからな。多分、この世界に転生した時に出来たんだろう。
そして、その能力値もポイントで上げられる事に気が付いたんだよ。ウヒヒ。コレでオレもチート無双が出来るぜ!
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