若竹ちゃまの生声アーカイブ
久しぶりに母方のジィジに会う事になったよ。そう、今上陛下だ。マンマの里帰りでもある。車で10分ぐらいなんだけどね。
内裏に入るので、今日は乳兄弟達はお休み。八郎とタロジロだけです。ワンワン。頼りにしているぞ。
--------------------
そう言えば、八郎は召喚した時は坊主頭だったんだよね。で、最近は随分伸びてきたけど、ネギ坊主みたいなんだよ。将来的にはマゲを結わないといけないから伸ばしているんだけど、何か良い方法ない?
それと、タロジロが結構大きい件。大型犬ってほどじゃないけど。母犬のユキは中型犬なんだけどね。父犬が大きかったのかな?タロジロはそろそろ成長期も終わりかな?やんちゃなのは治ってないけど。
--------------------
ガラガラ、ゴロゴロ。いつもの牛車に乗ってお出掛け。牛車は視点が高くなるからオレのお気に入りなんだよ。まだまだ外の風景も見慣れていないから新鮮だしね。
ガラガラ、ゴロゴロ。前に来た時よりも周囲に屋敷が増えている。1月ぐらいしか経ってないけど、工事早くない?
内裏に入ると在富も来ていた。何やら怪しい道具を弄っている。
「これは言の葉を捉える道具でして、蓄音機と申します」
あ!これエジソン式の蓄音機じゃん!前世で自作したことあるわ。プラの使い捨てコップ使ったけど、結構いい音で再生できた。
オーケー、オーケー。これに録音するのね?
八郎と在富に誘導されるフリをして、マイク代わりのラッパに向けて叫んでやる。
「ジィジ!」
早速、再生機に蝋管を取り付けると再生する。
「じゅいぃじぃぃ」
キモ!低すぎて気持ち悪い声が出たぞ!回転数が足りないな。
「少々、お待ち下さいませ。弾み車の回転が安定してから針を落とすのです」
在富が解説している。しばらく待って再挑戦。
「ジィジ!」
おお!オレってこんな声なのか!
「おお!若竹の声じゃ!若竹の声じゃ!」
お上も大喜びしている。
よーし、大サービスしちゃうぜ!
「ジィジ、ダーチュキ!」
「おお!ジィジも大好きじゃぞー!」
これも、すぐに再生してみる。
「ジィジ、ダーチュキ!」
お上、大歓喜!感涙している。
「さすがは当代一の陰陽師!なんでも褒美を取らすぞ!」
「これは国宝じゃ!いやそうすると、正倉院に持って行かれてしまう。おお!どうすればいいのじゃ!」
ジィジ、少し落ち着こう。な?この後、「バァバ、チュキ」とか、笑い声とかいろいろ吹き込んでやったよ。爺婆孝行は出来るうちにしておかないとな。
--------------------
最後にジィジの目覚まし用に吹き込んであげた。
「ジィジ!オッキ!」
朝廷の開始時間がかなり早まったとか。
「面白かった!」「先が気になる!」と思ってくださった方は、お気に入りの登録と、下の☆☆☆☆☆で評価してくれると、作者のモチベがアップいたします!よろしくお願い申し上げます!




