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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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日々是成長

 意気消沈したオレを見て、何かを察したらしい陰陽師のオッサン(陰陽頭を務め、従二位の在富(ありとみ))。


「その様子。どうやらチート能力はお使いになれないようですね?」

「ダウ〜」

「お気になさいますな。返って悩みが減ったと言うもの。神様より授けられた能力なら将来に渡って使えないと言う事もありますまい」


 そうなんだけどさ、ちょっとは期待してたんだよな。


「しばらくは能力の事を考えずに済むので有れば、この東屋での儀式も終了です。赤子としての生をお楽しみくだされ」

「ブゥ」


 そうだね。使えない能力の事はしばらく放っておいて、人生やり直しの方を頑張るか!見せてもらおうか!御曹司の生活とやらを!


 見せてもらおうか!と言ったが、新生児ってのは近視でね。そんなに遠くは見えないんだ。だいたい抱っこされたら顔の辺りまで。下手に遠くが見えて興味を持たないようにできているのかも知れないな。だがしかし、すでに知能を持ったオレにはちょいつらい。寝床に戻るとオレの手足ぐらいしか見るものが無くなってしまう。


 実は声も出せない。本来なら早くても2週間目ぐらいにならないと「あー」とか「うー」とかの発声をしないそうだ。なので、東屋の儀式が終わったのは残念だった。


 となるとオレが出来るのは、手足をバタバタすることぐらいなのだが、目が覚めて手足の体操を始めると一番先に気が付いてくれるのが、白黒マダラの犬「タロ」だ。


 タロは今年産まれたばかりの子犬で、母犬は真っ白な「ユキ」。兄弟が三匹おり、真っ黒な「アゲハ」、タロと同じく白黒の「ジロ」、真っ白な「ヒナ」だ。名前でわかるようにタロとジロはオス。アゲハとヒナはメスだ。


 オレの寝床はマンマの寝台の端なんだが、オレが動き出すと、まずタロがオレの寝床に顔を出す。それに続いて三匹が覗き込んでくるのだ。


 マンマの寝台は畳を重ねて高くしてあるので、20センチぐらい。そこに前足をかけている。吠えもしないし、舐めようともしない。躾けられているのか、賢いのか。オレが手足をバタバタさせるのを眺めている。


 大抵は姉達に呼ばれて行っちゃうけどな。


 それとたまに来るのが猫の「アヤマロ」と「オカケ」。猫達はひらりと寝台に飛び乗るとマンマに甘える。その後、オレが寝ていると横で寝ているらしい。目が覚めた時、目の前にいてちょっとビックリした事がある。赤ん坊のカラダだと、猫でも凄く大きく感じるんだよ。


 こうして振り返ると我が家はかなりのモフモフ王国だな。マンマの部屋に来るのはタロの一家と猫二匹だけだが、他にもいろいろな動物が飼われているらしい。


 タロ達がいなくなると、オレのオシメ替えの時間。タライに張ったお湯を使って身体を拭いてもらう。最後はフカフカのタオルに包んでもらうのだが、コレは高級品らしい。マンマのお世話役のオバチャンも羨ましがってたよ。こんなにフカフカなのは前世でもなかなかなかったからな。


 オシメを替えてもらったら、分銅秤で体重のチェック。それが済むとオッパイの時間です。乳母もいるので乳が足りないって事は無い。オッパイを飲んだ後はゲップするのだが、コレが一番つらいかも。


 その後は自由時間なのだが、今オレに足りないものは筋力。筋トレするとかいう以前に筋力が足りない。首が座らない、寝返りできない。発声するにも一苦労なのだ。


 仰向けの時は首や手足のトレーニング。たまにうつ伏せにしてくれるので、その時には背筋のトレーニングだ!筋肉キンニク〜!プロテイン持ってこい!


「若さんは、寝ていると大人しいのに、起きているとよう動きますなあ」

「殿さんに似て、やんちゃなおのこに、ならはりましょう」


侍女達がなにやら騒いでいるが、今は少しでも早く筋肉をつけるのだ〜!





若竹丸は気づいてませんけど、すでにパッパ達の「やらかし」が随分出ています。皆さんは、どれぐらい分かりました?解説はずいぶんと先になりそうです。


と、上に書いたのですが、後書きでやらかしを解説していく事にしました。


【今回のやらかし】

忠冬達がやらかした事案をここで解説します。

分銅秤:秤はすでにありましたが、体重を計って記録するのは西洋医学が発達してからです。


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