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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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運動の秋

 わー!わー!赤勝てー!白勝てー!


 え?赤白で争うのはマジで洒落にならないからダメだって?源氏と平氏が武士として生きている時代です?アチャー!


「赤子で話せなくて、よかったでち」


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 今日は宗滴(そうてき)学校の運動会。競技は教師が背負った籠にお手玉を投げ入れる玉入れとか、チーム皆んなが助け合ってゴールする団体障害物レースとか。綱引きもあるぞ。


 首位を争っているのは近衛さんちの晴嗣(はるつぐ)くん率いるチームと、足利将軍家の菊幢丸(きくどうまる)改め義藤(よしふじ)くんチーム。


 歳が高めでテクニシャンの晴嗣くんチームと武家が多いパワーの義藤チームって感じかな?他のチームはこの二人に遠慮しているのもありそう。


「さて、最後の競技じゃ。皆が息を合わせるのが重要じゃぞ?大百足(おおむかで)徒競走じゃ!」


 宗滴ジイが発表する。ピーピー!ドンドン!それぞれの親が息子を声援して大騒ぎだ。普段は冷静な執事の伊勢さんも、義藤くんの親代わりとして大声で叫んでる。


「最後の競技じゃからな。これで勝ったら百万点じゃ!」


 運動会全員が見事にズッコケだぞ!


 誰だ?ジイに「お約束」を教えたのは?咄嗟に振り向くとパパンが、そっぽ向いて口笛吹いている。


「黙らっしゃい!百里を行く者は九十を(なか)ばとす!(いくさ)の最後で油断すれば、勝ちを逃すのじゃ!」


 伝説の武将、宗滴の言葉に納得する一同。たぶん、騙されているぞ。


 さて、これから行われる大百足徒競走は、前世のとはかなり違う。足は繋がないんだ。前後が引っかかって繋がる大きな盾があって。それを頭の上に掲げて行列を作るんだ。


 ちょっと遠くから見ると本当にムカデみたい。


「下手な矢戦ならこれで蹴散らせますな!」


 うん、そこの戦闘狂ども、黙ろうか。小次郎とか将軍家のお付きとかが騒いでいる。コイツら手足に矢が刺さったぐらいならそのまま戦っていそうだからな。


 --------------------


 大百足徒競走は、予想通り近衛チームと義藤チームのデッドヒートになったが、義藤チームの盾が外れ、近衛チームの勝ちとなった。


「皆、よく頑張った。義藤ちいむは誰が悪いと云うのではないぞ。皆の息が上手く合わなかったのじゃ。急いては事を仕損じる。良い教訓になったのう」


 宗滴ジイが校長らしく上手くまとめてくれた。


 --------------------


 競った後は仲直り。皆んなで芋煮鍋。パパンが無礼講を宣言したので、各家の家族が入り混じって和気藹々と楽しんでいる。公家と武家も仲良く話しているな。


 ハイハイ三連星のオレ達も蚊帳みたいな天幕の中で見物してたんだけど、芋煮も食べれないしな。千熊(ちくま)だけはすり潰した芋を食べたけど、マンマ達が芋煮のお裾分けを貰ったら退場。お昼寝の時間です。





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