表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
27/406

恐るべし!魚守玲党!

 前も言ったけど、ウチの宗滴(そうてき)ジイは在京の武家の子弟に武芸を教えている。もちろんジイ一人ではなくて、弓を教える人、槍を教える人などもいる。孫子とか座学も教えてるし、ジイは武術学校の校長先生みたいな感じかな?


 もともと有名な武将だったから、教えを乞いたいって人も多かったし、会いに来てそのまま教師に雇われた人もいた。


 その宗滴ジイにしても、在富(ありとみ)が検非違使にやらせていた集団で隊列を組みながらの走り込みとか、匍匐前進とか、近代の軍事訓練には感銘を覚えたらしい。


 座学も在富から聞き出していたよ。身体を作る為に釣り合いの取れた食事と適度な運動を組み合わせるって教えられた時は、電撃に撃たれたような感動を覚えたそうな。


 んな事で、宗滴学校の生徒は良く隊列を組んで走っている。


 ウチの庭でな!


 --------------------


 元服が決まって皆んなに祝福を受けている菊幢丸(きくどうまる)くん。今更ながら生徒も増えたなぁ。近衛と足利の跡取りがいるから、参加できるのは良家の子供達に限られているんだけどね。


「ホレ、手を洗って来い!たんとメシを用意してあるからな!」

「「「ワーイ!」」」


 勝手知ったる他人の家。すっかり亭主ヅラしている近衛のジィジが呼び掛けると、皆、勝手口から水場に走って行った。


 --------------------


 オレの(マンマの)部屋は、隣りが板の間でその向こうに土間がある。そこに井戸もあるんだが、その奥に水場があって、シャワーもある。なんと、今の平安宮には上下水道があるのだ。


 ウチの庭からも高い(やぐら)が、いくつも見えるけど、あれは水道タンクも兼ねていて、あれがあるから、蛇口を捻るだけで水が出るんだそうな。在富が八郎に教えていたよ。


「手押しポンプだけでも、十分に助かっているんですけどね」


 横で聞いていた侍女も嬉しそうに笑ってる。


 なんでも平安宮を取り巻く大壁にも、風車とタンクが取り付けてあって、そこから上水道が引かれているんだって。水圧の関係とか言ってた。


 細川が攻めて来た時、一部を壊されちゃって、一日、水が止まったらしい。


「アレは、今、思い出しても腹の立つ!」


 侍女のオネーサン達が般若になっている!マンマや乳母の二人もだ!ヒィェエェエェ。今生で初めてお漏らししちゃいそうになったぜ!


 もちろん井戸は使えてたから、オレは気が付かなかったけど、トイレが使えなくなっていたんだって。


 いや、水洗トイレも使えていたんだよ。トイレのタンクには手桶で水を足せたから。


 使えなかったのは、水圧が必要なシャワートイレ……。モーターが無いから、高さによる位置エネルギーで水圧を作っているんだって。


 あの快適さを知ったら、やめられなくなるっていうものね。


 高国は、京の女子を敵に回したんだね……。




   

【今回のやらかし】

忠冬達がやらかした事案をここで解説します。

上下水道:水道時代はローマ時代からありますが、金属製の水道管や蛇口は近代に入ってからです。ちなみに水道管は銅製、蛇口なとは鉄製です。


「面白かった!」「先が気になる!」と思ってくださった方は、お気に入りの登録と、下の☆☆☆☆☆で評価してくれると、作者のモチベがアップいたします!よろしくお願い申し上げます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ