新たなる秩序
パパン達の悪巧みだが、幕府との細かい調整が必要との事で話し合いをしている。ウチで。マンマのお部屋で。
朝廷と幕府の共同作業というので、悪童組も見学している。将来の関白と将軍だものね。それに幕府から実務のトップもやって来ているのだ。
「公方様より、政所執事を言いつかっております。伊勢貞孝で御座います」
確かに他に漏らせない重大な話なのは分かるよ?マンマの伝手で内密に内裏へ話を通すのも分かる。でも、今ジャナイでしょ!ここ、新生児がいる女性のお部屋〜!
「ブゥワゥワ!」
オレが床をバンバンしても、ジィジ達は「元気でちゅねー」とか言ってやがる!
チクショー!おい!八郎!言ってやれ!
「ハーイ!ワカ様は散歩のお時間でち!」
「「「行ってらっしゃーい」」」
八郎は周りの空気を読む事とオレの注文をスルーする事を覚えた!
そんなスキル、身に付けなくて良いんだよ!
「はい。ワカ様、おしゃぶりでちよ」
うーん。ちゅばちゅば。
仕方がない。オレを乳母車に乗せて庭を散歩するのも八郎の大事な任務なのだ。早くポイント貯まるといいなぁ。
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ゴロゴロ、ガラガラ。オレを乗せて庭を行く乳母車。秋の空って感じがするなぁ。オレと八郎。それにタロとジロで散歩だ。お付きの人達はちょっと離れて付いてくる。
最近、宗滴ジイの故郷から出てきてオレの警護役になるのがいるんだよね。中に佐々木小次郎ってのがいるんだけど、計算すると巌流島の時はお爺ちゃんになっちゃうんだよ。別人かなぁ?
またタロジロが茂みに突っ込んでいる。おーい。あんまり奥まで行くと置いてっちゃうぞ!って、思うんだけど、ある程度離れるとちゃんと追いかけて来るんだよね。
八郎は公家の作法は在富から、武家の作法は宗滴から指導を受けている。その後、どうなのよ?
「あい。レベルが3になりまちた」
うーん。戦争ゲームのキャラなので、敵を倒していないのに既にレベル3なのは成長が早いのか?最高レベルいくつだっけ?
「99でち」
そうか。そうすると戦闘もない、生まれて一ヶ月もしない、で3レベルは早い方なのかな?
「その後、アドバンスレベルが99ありまつ」
「ブー!」
うーむ、コレは何か考えないとダメかなぁ?
「あ!新しくスキルを覚えまちた。方術と剣術が3でち」
お?それは前世の時は無かったスキルだな。在富と宗滴から指導を受けているおかげだね。
「スキルは上限が10でち。3は初級レベルでち」
初級とは言え、学校のないこの時代、剣術が使えるのはそうそういないはず。凄いじゃないか!
「うーん。この時代は弓と槍がメインウェポンなんでち」
え?
「この身体ではまだ扱えないので、スキルとお預けなんでち」
うーむ。何か考えよう。
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