くすぐりは、ほどほどに
皆さん、元気に過ごしてますか?最近、ハイハイにチャレンジにチャレンジ中の若竹です。
ハイハイにチャレンジしていると、誰が喜ぶってタロジロなんだよね。オレの横から部屋の隅まで駆けて行ってはこっち見て待ってる。そこまで行けって事なんだろうな。まだ、腕立て出来てないんだけど。
ま、うつ伏せではなく、顔を上げた感じで這いずるのは出来るようになったんだ。パパンによると「ずり這い」って言うんだと。
ずりずり這い回るのでも、結構いい感じに移動できるんだよね。まだ体力がないので、部屋の中を這い回るぐらいだけど、自分の意思で動けるのが、こんなに楽しいなんて!
「ウッウッ!キャハー!」
おっと、思わず歓声を漏らしてしまったぜ。
「若竹?こんな所まできたの?」
ありゃ?縁側に出たら、雅子姉ちゃんに捕まっちゃったぜ。
「随分と動けるようになったのね。コショコショコショ〜」
あ、あかんて。そこは敏感なんやて。
「ウキャキャキャ!」
「あー!ずるい!」
「私たちもするー!」
思わず声を上げてしまったら、双子姉ちゃん達も参戦。お腹に顔をつけてぶうぶうと息を吐く。
「ブブー!」
「ウキャキャキャキャ!」
「ブブブー!」
「ヒッヒー!」
「ブッブブー!」
「ヒッヒッ……」
「アンタら、いい加減にせんと、若竹がぐったりしとるて」
雅子姉ちゃんが止めてくれなかったら死ぬトコだったぜ。
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さて、生まれて百日過ぎたらお食い初めだ!ジィジがハッチャケた御七夜の時が酷かったからな。騒動の話を聞いたお上は笑ってたらしいけど。
お上と言えば、お食い初めは母方の実家から、食器を送ることもあるそうなんだ。どうもそれを聞きつけちゃったらしいんだよね。
「むむむ。ジィジとして兼輔に負けられぬ」
奈良の正倉院から白瑠璃椀を取り寄せようとして大騒ぎになったらしい。結局、近衛のジィジが用意してお上に渡したらしい。
「一時、自ら東大寺へ出向くと言い出しての。お止めするのが大変であった」
近衛のジィジがウチでぐったりしてたよ。食器を勅使が持ってくるから、受け取る作法を指導しにウチに来たんだ。そりゃ疲れるね。
実は今回も振る舞いが出て酒が飲めて、雇用されるかもと、お食い初めの前から屋敷の前に行列が出来たそうなんだよ。しかも今回は公家も行列に並ぶヤツが出たそうで、在富が狂喜乱舞していた。
「この手があった!家格の低い公家ならば、二男以降は余り物!近くの荘園に惣公文として送りこもう!」
「む?なんじゃ?下司がどうした?」
「なるほど、未だに押領されて機能していない荘園も多い。この機会に……」
「ふむ。預所では在京の者もでるか?」
パパン達がまた悪巧みを始めたらしい。近衛のジィジも参加してる。アンタ、さっきまでぐったりしてたよね?
「荘園なら、当家の方が多い。地方には廻り切れてない所もあるんじゃ」
「近衛家は押領された所少ないじゃろ?摂関家筆頭の荘園に手を出す馬鹿者もそうそうおるまい」
「いやいや、そうでもないのじゃ。それにある程度懐に入れている荘官も多いからの」
「いっその事……」
まったく。こんなに悪巧み大好きな関白で大丈夫なのかね?
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