式神使いの陰陽師
「南郷八郎でち」
「バブー!」
オレが呼び出した子は南郷八郎と名乗った。確かに覚えがある。この子、オレの参謀だ。
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オレの転生チートは艦隊ゲームの能力って言ったよね?前世にやっていたスマホゲームの能力が使えるんだと。
オレがやっていた過疎ゲーは、戦略ゲームなんだが、母港から艦隊を派遣して土地を占領し、世界を統一するってゲームだった。
泊地を作って周りを探索。資源を見つけたら採掘して母港や泊地のグレードアップに使う。そんなゲームだった。
艦隊だから、当然、沢山の兵隊や士官がいる。兵隊は数字だったけど、艦長とか参謀はキャラが使えたんだ。当然ガチャ。各種能力値があって強キャラは艦隊や基地が強くなる。
「南郷八郎」は、SSRの上を行くURのキャラだった。その上にレジェンドレアのキャラがいるって噂もあったけど、ついに死ぬまで出なかったな。
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八郎ってオレが使ってたキャラの?って疑問に思ったら、答えてくれた。
「そうでち。司令が前世で使ってたキャラや艦隊を呼びだす事が出来るんでち」
おお!オレの思考がわかるのか⁈
「あい。ワタチに向けた思考であれば、伝わりましゅ」
「ダァ!」
なるほど、コレは捗るな!
わざと八郎に向けないで考えたら、反応しない。聞こえないフリかもしれないけど、まあいいや。
それよりも!
オレは在富の方を向くと、在富も頷いてる。
「ダァダァ!」
「これは、捗りますな!八郎殿を通訳にすれば、若竹丸様は話しができる!」
「バブー!」
「ただし!」
オレと在富が喜んでると八郎が叫んだ。なんでも経験値0なので、八郎も初期値。経験値を貯めないと能力が発揮出来ないんだって。
「ならば、若竹丸様専属の小姓としましょう。それならば、いつでも一緒にいられますし、何かと便利です」
おおう!さすが大貴族のオレ。新生児から小姓付き。在富も大胆な策を思いつくね。
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「なるほど。賀茂家ゆかりの童と…」
「と、いう事になっておる」
「なっている?」
「うむ。若竹丸様の傅役を勤める宗滴殿だからこそ、打ち明け申すが、これなるは我が式神にて守護童子なのだ」
「なんと!」
在富と宗滴ジイが何やら密談しているが、何時の間にオレの傅役(お守り役)に宗滴ジイがなっているんだ?
八郎はゲームのキャラだから、オレのストレージに入れたり出したり出来たりする。成長の仕方も人間とは違う可能性があるので、在富の式神という事にして誤魔化すんだ。
まぁ、この時代、かろうじてまじないとか信じられているから、誤魔化せるだろう。実際に式神を使役できる在富だしな。
「非常の時には、このような式を飛ばすのでお見知りおき頂きたい」
ついでの様に、白いカラスを放って見せる在富。
「ほう、便利なモノですなぁ」
大して驚かずに受け入れる宗滴ジイも、大概だと思うよ。
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そんな訳で、八郎は宗滴ジイ預かりになり、小姓としての修行に励む事になった。
「よろしくお願いちます」
ペコリと頭を下げる八郎。あざといぞ!
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