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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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また爺さんが増えた件

 細川との戦は、大方の予想通り、京方の勝利に終わった。高国は関東へ落ち延びて行ったそうな。でも、今回は将軍を敵にし、陛下のいる城を攻めたしで、将軍の義晴(よしはる)さんは管領を罷免、朝廷からは朝敵指定されたので、匿う所もないだろうって。


「細川京兆家(けいちょうけ)の家督争いの為に管領の立場を悪用し、多くの大名を巻き込み、騒乱を起こし続けたのです。どれだけの人々が犠牲になった事か」


 在富の感慨は多くの人と共通するのだろう。静けさが部屋を覆った。祈りにも似た一瞬の静けさが過ぎると、未来への希望だろうか?なんとは無しに華やかな空気になる。


「これで、近畿や西国は落ち着くじゃろう。尼子(あまご)山名(やまな)もしばらくは大人しくするじゃろうからな」


 ジィジが最近伸ばし始めた顎ヒゲを撫でながら話す。


「赤松は尼子が大人しくなれば安定するじゃろう。のう?興家(おきいえ)?」

「はっ!尼子の後押しが無ければ、浦上も揺らぐ事なく忠勤に励みましょう」


 今日のジィジの護衛は宇喜多(うきた)さん。武家としては線が細いけど、頭の回転は早そうだ。なんでも7年前に戦に敗れ、子供を連れて逃げていた所をパパンに拾ってもらったんだって。


「東国も東海は斯波、今川、伊勢が押さえておる。しばらくは大きく揺らぐ事もなかろう。若狭はしばらく室町台が差配する。さて、越州はどうなろうの?金吾(きんご)殿?」

「ハテ?どうなりますやら?越前はともかく、越中は読めませぬな。越後ともなれば、全く知らない土地なので」


 それと、ウチのジィジと互角に渡り合っているのが、朝倉教景(のりかげ)さん。結構な歳の爺さんだ。なんでも今回の戦の実質的な大将だったんだって。





「細川方」のな!





 なんで、朝敵の部下がウチで茶を飲んでいるんだよ!しかも、ここ、関白の正妻の部屋!オレ、嫡男!


 オレが興奮してジタバタしていると、突然、ジィジが覗き込んできた。


「おや?若竹、ご機嫌だのう?ほれ、ジィジじゃぞ!ベロベロ、バァー!」

「ブ!ブゥー!」


 ジィジ、不意打ちは卑怯だろ!思わず吹いちゃったじゃないか。


「おうおう、嬉しいか?ホレ、宗滴(そうてき)も、やってみよ」

「ふむ。こうですかな?ベロベロ、バァー!」

「ブ!ブゥー!」


 ヒィ!ヒー!キリッとした顔からの変顔!ギャップが!


「おお!なかなか、やるではないか!」

「それほどでもござらん。この歳になれば、子守りもそれなりにしておりますからな」


 意外と、とぼけた爺さんだった!


 朝倉の爺さんは、しばらくの間、ウチで預かる事になったらしい。敵の大将だったとは言え、管領の高国に命令されてやっていた事だし、今後の朝倉家との問題もあるとか。越前に帰す訳にもいかないけど、下手な所に預けて殺されても困ると。


「朝倉は斯波との因縁もあるしの」


 朝倉家ってのは、アチコチに敵を作っているらしく、いろいろ面倒くさいので、関白の鷹司家に放り込んでおく事になったんだと!


 ウチのジィジ曰く、「茶を()てるのは上手いから、お茶点て役として使ってやれ」だって。





【今回のやらかし】

忠冬達がやらかした事案をここで解説します。

宇喜多さんは暗殺で有名な直家のお父さんです。


「面白かった!」「先が気になる!」と思ってくださった方は、お気に入りの登録と、下の☆☆☆☆☆で評価してくれると、作者のモチベがアップいたします!よろしくお願い申し上げます!

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