サーシャの仕業だと皆で訴えるも、否決され最初に俺が狙われたようです
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「・・アリア!!」
「ジーニス! ジーニス!」
帝国兵に連行され現れた女騎士は騎士団副団長アリアで、彼女の姿を見たジーニスは大きな声でアリアの名前を叫ぶように呼びかけると、俯いていたアリアがジーニスの名前を何度も呼ぶ声を耳にする度に胸がチクリと痛む。
「・・まだ未練があるのか俺は」
胸の痛みを和らげようと小さく言葉を吐き出す俺を、隣りにいたシマチが聞いていたようでグイッと強めに身体を寄せてくっついてくれる。
「ありがと・・」
「んにゃ」
2人の再会のような場面を遠くで見せられている俺は、この場から立ち去りたい気持ちになりサーシャに再び帰ろうと伝えると、彼女は仕方なさそうな表情で頷いてくれた・・・・けど、どうやら手遅れだったらしい。
先に襲って来た帝国兵部隊をサーシャが殲滅したことを無かったことにならないようで、王国騎士の相手を勇者パーティーに任せ、すぐに動ける兵を俺達の方へと前進させている。
「あら・・もう手遅れみたいだわ・・カイ?」
「サーシャ、絶対にワザとだろ?」
「ふふっ・・なんのことかしら?」
微笑するサーシャはクルッと華麗に立ち回りながら俺の背後に隠れるような位置に移動し、スミハとユキナの二人もサッと背後に移動する。
「なんだよ急に・・」
3人が後ろへと下がったことで、動かずにいた俺は先頭にいる立ち位置となっていることに遅れて気付き、近付く複数の足音に顔を向けると、帝国兵達は俺と対峙する形で止まり指揮官らしき帝国兵の視線が俺を突き刺す。
「貴様か!? グリアンの部隊を・・グリアン達をこんな無惨な姿にしたのは・・・・」
殺気をダダ漏れにして俺を睨みつける指揮官の帝国兵は、抜刀し構える剣の切っ先を震わせ問いかけてきた。
「・・いや、俺じゃない。コイツ・・・・」
「へっ? ちょっ・・待ちなさいよ」
躊躇うことなくシュビッと音が出るくらい素早さで右手の指先を向けると、息を合わせたかのようにシマチ達もサーシャに指差した。
俺達の突然の裏切り行為にサーシャはキョロキョロと見渡し動揺してくれたため、帝国兵の怒りはこのままサーシャに向いてくれるはずだ。
「貴様かエルフの女よ! 貴様に苦痛と後悔の中で、その生を終わらせてやる!」
予想通りに帝国兵はサーシャに狙いを付け勢い付いてくれたため、彼女の反撃に抗うことすらできず葬られる運命になることがきまり、ニヤリと笑いたくなる衝動をグッと堪える。
「だがしかし!! 仲間の女を秒で売る貴様の行動は、男の風上にも置けないクソ野郎だ! 先にお前から逝かせてやろう!」
「えっ? 俺が先なの?」
どうやら俺の目論みは外れてしまい、そのまま指揮官の男は部下と陣形を作り俺へと間合いを詰めてて来るため、俺も愛剣を構えた時に上空から数え切れない程の火炎弾が俺達の方に向かって降り注いできた。
「マジかよ」
「主よ。避けるほどのことではないのだ」
背後からユキナの声が聞こえた後に、ジワリと上がっていた空気の熱を冷やすかのように冷たい風が吹き抜けていくと、火炎弾を上空で凍らせ次々に爆散させ氷の粒を帝国兵の頭上へと降り注ぎ混乱させていく。
「ユキナ、助かる」
「もっと、我を褒めるのだ」
1人では捌き切れず回避を選択する程の火炎弾をユキナが排除してくれたことに礼を伝えると、頭を撫でろと言わんばかりに身を寄せてくるため、銀髪の頭を撫でまくりそのままアゴの下をくすぐると一人喜びながら離れてくれた。
「この状況でイチャつくとは、ウラヤマ・・殺しゅ!」
別にユキナとイチャイチャしていた訳じゃないけど、帝国兵の指揮官の男は気に入らなかったらしく先程より間合いを詰めてくるため俺も攻撃しやすい位置へと剣を構えながら移動し挑発する。
「さっさと来いよ帝国兵・・俺は早く家に帰りたいだけなんだ」
「貴様、武器を構えながら敵対行動を取ったな? これで殺されても、文句は言えんぞ?」
「はっ! どちらにしても、俺を殺すことにかわりないだろーが?」
「自分が置かれている状況を理解できないバカではないようだな? だが、勇者様の庇護下にある我々が負けることなどありえんのだよ・・・・まぁ、とりあえず死ね」
大木に堰き止められていた川の水が一気に流れ出したかのように、言葉を交わしていた指揮官の男が命令を発した直後に帝国兵達が、攻撃魔法を先制攻撃で放ち連携しながら剣や槍を持つ兵士が囲むように襲って来たのだった・・・・。
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