願いたくない状況での再会とこれから
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帝国陣営から黒髪少年少女達が現れたことで、孤独に戦う王国騎士は何かを感じとっているのか先に動く気配はなく様子を窺っているようだ・・それに、勇者クン一向は余裕なのか手に武器すら持たず騎士に近づき止まると、一人だけこちらを見ている存在がいた。
「・・カイ、ミユキだけこっち見てるにゃ」
「だね・・アイツ、何を考えているんだ?」
同郷の黒髪少年少女達から見えないよう最後尾にいるミユキは腰の辺りで手を振っている姿があり、目の前で命のやり取りをする戦場という怖さを感じていない鈍感な少女だったのかと感じて苦笑いしてしまった。
「この街の指揮官を呼んでほしい!」
戦う前に勇者クンは王国側と話しをしたいらしく、戦いの場に指揮官を連れて来いと常識ではあり得ないことをいきなり言っている。
「・・・・・・」
それに対して騎士は何も応えることなくずっと身構えたままでいると我慢できなくなったのか、勇者クンは立ち並ぶ仲間を少し後ろに下げた後に、白く輝く剣を抜刀し再度指揮官をこの場に連れて来るよう叫ぶと斬撃を放ち街の外壁の一部を崩壊させた。
「・・・・この私が! 指揮官だ!」
勇者クンが警告のように放った斬撃で、外壁が崩れ落ちた現実に王国騎士は自分が指揮官だと告げることに、自白するの早くないかと俺は思いつつ状況を見守る。
「本当に貴方が指揮官なのですね!? なら、もう勝敗はついている! これ以上騎士の信念を貫き無駄な犠牲を出さない選択をして、無条件降伏し全員が投降するよう最後の命令を出せ!」
「それは無理だ! 我ら王国騎士団は例え最後の1人になろうとも、この街を・・国を守る使命がある!」
それなりに勇者クンや騎士から離れた場所にいる俺は、なぜ会話がこう鮮明に聞こえてしまうのだろうかと今更ながら不思議に感じていると、シマチが教えてくれた。
「シマチ達といるからにゃ・・」
相変わらずよくわからないけど、ここは納得したことにして頷き視線を戻し意識を向けると再び勇者クンの声が途中から聞きとれる。
「・・そうですか。弱者を一方的に殺めるのは躊躇いますが、最期まで戦う覚悟を持っているのならば、全力で応えます・・なので、最後に指揮官だと言う貴方の顔を拝見しても?」
「・・・・最期かどうかは、この俺が決める!」
血糊がついた剣を持ったまま騎士はゆっくりと兜を脱ぎ素顔を見せると、ただの部隊隊長クラスの指揮官ではなく王国騎士団団長のジーニス本人だった。
「へぇ・・言葉だけでなく、その瞳に諦めの感情が微塵も無いようですね。もう被り直していいですよ?」
「満足か!? なら、お前は何者だ!?」
「僕は、帝国に召喚されし勇者です。なぜ王国を攻めているかは、お教えできませんが・・僕らが王都へ行くため、ここで貴方には離脱してもらいます」
「ほぉ・・黒髪黒目の容姿。キミが御伽噺で聞く勇者の称号を持つ存在・・本当に子供で若いな」
「それは、どうも・・」
「俺は、王国騎士ジーニス! 勇者であっても帝国の飼い犬であろう者達を、これ以上先には行かせん!」
自分が騎士団長だと告げず、名前だけ名乗ったジーニスは白く輝き続けている勇者クンが持つ剣に対峙する姿は、街から見ているだろう部下達は勇ましくみえているのだろ・・結果はどうであれ。
「なぁ、アレに巻き込まれる前に帰らないか?」
俺の提案に4人娘は否を唱え動く気配は無く、このまま戦いに巻き込まれてしまうのは嫌だなと考えていると帝国側の兵士達がざわつきだし、1人の帝国兵が隊列から抜け出し勇者クンの元へと向かう。
「勇者殿!」
「・・なんですか? 今からだったのに」
「申し訳ありません勇者殿・・ですが、急を要する報告が・・」
「なに? どうしたの?」
「はい、偵察していた部隊が王国の重要人物らしき女とその部隊を捕縛したと」
「へぇ・・それは面白いね。いい交渉材料になりそうだから、すぐここに連れて来れる?」
「はい、すぐにでも」
「よろしく」
「はっ! 直ちに」
王国の重要人物らしい人間を捕らえた話しが聞こえジーニスがどう対処するのだろうか気になる俺は、とりあえずここから逃げる考えを捨て静観していると、帝国兵の隊列の影から両腕を腰に回し拘束され俯いたまま姿を見せたのは、見覚えのある女騎士だったことに驚き言葉を失っていたのだった・・・・。
週末での投稿は、この1話のみです。
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