あっ面倒ごとが近づいて来た・・よし街から逃げよう・・でも明日にしよう
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それぞれ4色の透き通った瞳で見下ろす4人娘の中で、碧眼のサーシャの言葉に目が覚め起き上がるとシマチとユキナそしてスミハの3人がゴロンとベッドに寝転びモゾモゾしているが気にしない。
「面倒なことか・・」
「えぇ、だからその3人は放置して私と一緒に来てちょうだい」
「わかった・・」
酒を飲んだせいで平静を装っているサーシャの足取りは少しフラついている後ろ姿を見ながら、騒がしい食堂を抜け宿の外に出た先には、何度も見たこともある銀色の鎧を纏う騎士達が待ち構えていた。
「なんで騎士が?」
俺の言葉を無視して騎士はサーシャを見て口を開く。
「・・エルフ族の女。彼が責任者で間違いないのか?」
「そうよ・・」
「・・・・キミが、そのエルフ族の連れの冒険者で間違いないのか? 虚偽の回答をすれば罰しなければならない」
「いきなりなんだよ・・・・とりあえず、この子は俺の連れで間違いないですけど。どうして王国騎士が冒険者の俺のところに?」
「身に覚えがないのか?」
「・・無いですね」
「本気で言っているのか? 魔法士団長ルミナ様の件についてなんだが」
「あ〜そう言われれば・・」
ルミナをこの街に来てから騎士団に引き渡していたことを思い出し、忘れていたことを思い出したような態度を俺はとる。
「ここに我々が来たのは、騎士団長命令なのだよ」
「騎士団長命令!?」
ジーニスにルミナの口から俺の存在がバレてしまったと思いトクンッと胸の鼓動が強くなり、身構えそうになったところで隣りにいるサーシャが左手を握り締め冷静さを取り戻すと同時に騎士の口から聞かされた言葉で納得した。
「騎士団の貴重な戦力である魔法士団部隊の幹部を保護し連れ戻ってくれたことに感謝の意を表し、褒美を渡すことになった」
「あぁ、なるほど・・そういうことですか」
「騎士団長は任務のためこの場に不在だが、代理の私が略式で報酬の金貨20枚を贈る」
「ありがとうございます」
名も知らない騎士から小さな袋を手渡された俺は、中身を見ることなくズボンのポケットにしまう。
「な、中身を見ないのか?」
俺の行動に不思議そうな表情をする騎士の問いにコクリと頷き肯定する。
「そうか・・冒険者では稀な性格のようだな」
「それは、どうも・・」
元はお前らと同じ騎士だぞと心の中で吐き捨てていると、なぜかサーシャは声に出さず笑っているような反応をしていたように見えたけど触れずにいようといたけど我慢できず彼女の脇腹を軽くツマム。
「ひゃっ」
不意をつかれビクッと反応するサーシャは薄着だったせいで立派な双丘が揺れたことで、騎士達の視線が彼女の胸元へと集まってしまったことが気に入らず、デリケートな質問をしてしまう。
「それよりも、帝国との戦況はどうなんです?」
予想通り帝国という言葉を発した瞬間に騎士達の視線は地面へと向けられ表情が険しくなり、漂っていた空気がガラッと変わり重たくなった。
「・・冒険者のキミもそのうちギルドから知ることになるが、この街も近い日に前線防衛拠点に指定されるだろう。その時は冒険者の君達も我々と共に戦場へと身を投げてもらうことになるだろう」
「それは、騎士団長の戦略なのか?」
「・・・・」
「我々の要件は終わった・・失礼する」
暗い街の通りを規則正しい足音を響かせ去って行く騎士達が見えなくなるまで見送った後に、自分の腹の虫が鳴いたことでまだ夕飯を食べていないことを思い出し、まだ食事を提供している宿屋の食堂で腹を満たしてから部屋へと戻った。
「カイ、明日にこの街から出る? あの騎士の反応から見て、長居すると争いに巻き込まれるわ」
「そうだな。最悪、ジーニスと感動の再会をするかもしれないしな・・今夜は寝て、明日起きたら3人に伝え街を出よう」
「決まりね・・この街もなかなか気に入っていたから残念だわ」
「悪いな・・俺ら人族の問題に巻き込んでしまって。みんなで、あの家に帰ろう」
「そうね。今夜は休んで、全ては明日にするわ」
灯りを消し薄暗い部屋の中でサーシャと小さな声で明日の予定を決めた後は、すぐに寝ることができず4人の寝息を聞きながら目を閉じ、宿前で会った騎士の反応を思い出していた俺は今日明日で戦闘状態に陥らないだろうと決め付け眠りについた俺は、翌朝の目覚めの爆音を聞いて後悔したのだった・・・・。
騎士団の影が近づいてきました。
カイは離れるため街から出ることを決めるも
酔っ払いのシマチ達に気を使い翌日にするも
その判断で立ち去った面倒ごとが再びやってきそうです。




