たまにみせるエルフ娘サーシャの振る舞いに飲みこまれた俺は、ボッチになりたくなりました
アクセスありがとうございます。
前話の誤字脱字指摘ありがとうございました。
眠る中で、寒さに耐えれず本能的に身震いして目が覚めた先に氷のように冷たいユキナが寝ている・・しかもなぜか全裸で。
「冷たっ・・っておい、ユキナ!?」
冷んやりと冷たいユキナの肩を揺らすも口をムニャムニャ動かすだけで起きる気配のないため、冷え切って思うように動かせない身体をゆっくり動かし絡まるユキナの手足を退かしベッドから出て立ち上がる。
ユキナは俺が居なくなると抱き枕の代わりを探しているのか、びしょ濡れの布団を手繰り寄せ気持ちよさそうに寝ている。
「・・寒くないのかよユキナは」
下着も着けず全裸で寝ているユキナを見下ろしながら呟いていると、自分の寝間着さえも濡れていることに遅れて気が付き慌てて脱ぎ捨て裸になった俺は、ポーチから着替えを取り出し音を出さないよう乾いた服を着ている途中にパチッとユキナは目を開けて俺を見上げる。
「・・・・主よ、初めての我をあんなに熱くて激しくもてなすとは、なかなかのケダモノだったのだ」
「なんもしてねーよ!」
「なんと! 我との熱く濃厚な、ワンナイトラブを覚えてないと!?」
否定する俺に対してムクリと起き上がり大事な部分を隠そうという気が微塵もないユキナは、ベッドで四つん這いになりゆっくりベッドの端に寄って近づき右手をピトッと俺の下腹部に当てる。
「シテもねーし、サレてもねーし、覚えてもいねーよ!」
「あ、主よ・・我を一晩でこんなにビショ濡れにさせ欲に溺れさせのだ・・・・主として責任を・・・・」
いきなり訳のわからない寝言を言うユキナの頭を撫で落ち着かせた俺は、彼女の濡れた銀髪を撫でた右手をそのまま下へと移動させアゴに触れた後にクイッとわずかに上げ顔を上に向かせる。
「・・・・」
「ユキナ、その欲は酒に溺れた欲だろ? それに濡れているのは、エールまみれになった身体をシマチたちに洗ってもらったからだ」
「んふぅ・・主サマ、そんな強い瞳で見られたら認めてしまうではないか」
「事実だ!」
「わふっ」
ユキナのアゴをクイッと押し上げ姿勢を崩させ無防備となった雪肌の背中に、首筋からオシリの方へと撫でると甘い声を漏らしながらそのままベッドへと顔から埋まるように脱力し、軽く痙攣して動かなくなった。
「ユキナ? おーい!」
「・・・・」
ピクピクと全身を震わせるユキナから反応がなく、柔らかいオシリをペチペチ叩きわずかに赤みを帯びさせても反応がないため、仕方なく放置することに決めると隣りのベッドで寝ていたサーシャが顔だけを出し俺を見て口を開いた。
「・・・ケダモノ」
「いやいやいや、何もしていないぞ俺は」
「シタわ・・今さっきね。イヤラシイ手付きで背中を・・・・」
「うむ、妾も見ていたぞ? カイよ」
「シマチにもシテにゃ」
他の2人も起きて一部始終を見ていたらしく、スミハは金色の瞳でサーシャと同じように見つめていたけど、シマチは布団から出てから猫姿になると俺の足元でゴロンとなり足に纏わりつくため仕方なく背中から全身を撫でると、嬉しそうな表情を見せながら撫でる手を甘噛みして舐められてしまう。
シマチを撫でながらこの変な空気に支配された部屋から出たくなった俺が買い物に行く提案をすると、3人娘は快諾し素直に布団から出ると、目の前に男の俺がいても気にすることなくサクッと着替え終えたところで反応が無いユキナをサーシャが叩き起こし強制的に着替えさせる光景を黙って待つ。
「カイ、行くわよ」
「・・あぁ」
まるで自分で買い物の予定を決めていたかのように部屋を最初に出るサーシャは、開けたドアの前でチラッと俺を見て呟き出ていくと3人娘も後を追うように部屋を出た。
最後に部屋を出た俺は鍵を受付にいる女宿主に手渡し、先に外にいるサーシャ達の元へ向かおうと足を動かしたところで背後から呼び止められ振り返る。
「はい・・」
「ねぇ、いいかしら?」
「何でしょう?」
「今夜も、うちに泊まるのかな?」
「・・きっと、そうなると思いますよ」
きっと酒樽を準備したこの宿をサーシャ達は気に入っているだろうから、この街に泊まるならこの宿を選ぶに違いない。
「そう・・なら同じ部屋を確保しておくわね。キミの名前を教えてくれる? 私は、キャスティよ」
「俺は、カイ・・お金払いますね」
「帰ってからでいいわよ、カイちゃん」
「カイちゃん・・・・わかりました。戻ってきてから支払いますねキャスティさん」
とりあえず今夜の寝床を確保した俺は外から呼ぶサーシャに今行くと伝え外に出ると、遅れた罰として野営に使う天幕を買いなさいと碧眼に見つめられ脅され屈した俺は、4人娘の最後尾を黙ったままついて行き街の商店をハシゴし気に入った服や日用品を買い漁っては、俺のマジックポーチに収納していくため久しぶりに容量不足になった。
「なぁ、これ以上は収納できないよ」
騎士団時代の暇な時に試しにと思い、荷物を収納しきれない状態になると荷物は弾き出される現象を見ていたため、同じ現象が今起きたことでそれをサーシャ達に伝えた。
そんな俺の言葉が届いてなかったのか、サーシャは購入した日用品を手にしたままマジックポーチに突っ込むと、荷物は弾き出されることなく収納されてしまった。
「・・どういうこと?」
「中身を広げただけよ?」
「広げた?」
「そうよ・・カイのソレに私の魔力を干渉させて能力を上げたのよ? 感謝しなさい」
「そうなんだ・・ありがとう」
サーシャの言葉に驚いていると他の3人娘も同じように俺のマジックポーチに自分の魔力を干渉させ能力を上げてくれたようだ。
「カイ、これで私達4人のおかげで何でも収納できるようになったから買い物を続けるわよ? さっさと、来なさい」
「はい、喜んで・・」
サーシャの高貴な空気に思わず従者のような返事をしてしまった俺をクスッと笑うサーシャはそのまま背を向け歩き出し、なんか敗北感に襲われた感情を抱きながらフラッと偶然気になった商店へと一人勝手に入ってしまったのだった・・・・。
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