この街にいるはずのない彼と一方的な再会に驚愕してます
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「次の者は、前へ!」
この街の門兵の男は誰にも威圧的な態度なため、人族を毛嫌いするエルフ娘のサーシャがキレて問題を起こさないよう気を引き締め彼女の近くで検査を受ける。
疑わしき眼光で睨め付ける門兵は早く来るようて手招きする姿にもうサーシャは小さく舌打ちをしたような音を出し歩く。
「サーシャ」
「・・なによ?」
「穏便にな?」
「ふんっ・・アイツ次第よ」
「まぁまぁ・・」
目の前の門兵と接触前から、おこスイッチが半押しされいたサーシャの背中を軽くトントンっと叩き落ち着かせ待ち構える門兵の前で立ち止まる。
「あの・・」
「身分を証明する物を出せ」
騎士団所属のルミナを保護したと伝えようとした俺の言葉を遮るかのように門兵は定型文を口にする。
「はい・・」
なんだよコイツと俺も胸の内に愚痴をこぼしながら冒険者カードを提示すると、小刻みにカードを揺らすサーシャの手が見え視線を横に向けたと同時に門兵の男が乱暴にカードを奪い取っては投げ返すという対応にサーシャは黙ったまま不機嫌全開な顔で睨みつける。
「な、なんだ・・エルフの女?」
「・・・・べつに」
「お、お前・・あやしいな?」
「はぁ? 私のどこがあやしいのよ? この・・」
「サーシャさん、落ち着いて・・」
「ふん・・」
エルフ娘のサーシャにも威圧的な態度で臨んだ門兵だったけど、彼女から遥かに凌駕する威圧を向けられて顔を青くし怯み額から汗を流しながらも耐えているところで、彼にとどめを刺す声が背後から聞こえた。
「どこぞの門兵の権限で、騎士団魔法士団長の私を並ばせ待たせるのはどこの一般兵ですか?」
「へっ?」
「同じく副団長の私も待たせる一般兵は、どこの所属なのでしょう?」
「んぎゃっ・・」
突然現れた騎士団幹部の2人にサーシャの威圧で折れかけていた心は完全に砕け散り膝から崩れ落ちる。
「ねぇ、カイ・・なぜあの男は2人を見てあんな姿になったの?」
「サーシャ、ルミナとネルルの容姿は特別だから覚えられやすいんだよ・・騎士団で功績も残しているしね」
「そう・・功績なら、貴方もでしょ?」
「俺のは騎士団非公認だから、誰も知らないんだ・・どんなに尽くしてもな?」
「・・・・腹立たしいわね。この国の騎士団は」
「まぁ、どのみち俺も一般兵扱いの騎士だったから2人みたいに顔は知られてないぞ?」
「ふふっ・・貴方らしいわね」
「どういうこと?」
「べつにいいの。置いていかれるわよ」
サーシャと話しているうちにルミナは詰所から出て来た門兵と話しをつけたようで、いつの間にか先に街の中へと入っていく姿があった。
「ちょっ・・サーシャ、教えてくれよ」
「後ろが待っているから、ボサッと立ってないで早く来なさい」
「んなっ・・おーい! あっすいません・・」
後ろで順番を待っていた冒険者パーティーに謝り、一人置いていかれた俺は小走りで前を歩くサーシャの背中を追いかけ街に入ると、サーシャ達は門近くにある詰所へと入って行くため俺も入ろうとしたら出てきた別の門兵に行手を阻まれ足を止める。
「ちょっ・・俺も入ります」
「待て。この先は、関係者か許可された者のみ入ることができる」
「え? 俺もあの子らの関係者なんだけど?」
「嘘をつくな。今1人で来た君が、関係者ではないだろう」
「いや、だから俺は・・」
屈強な門兵の太い腕に掴まれ強引に引っ張られるため抵抗しようと踏ん張り耐えるも、もうサーシャ達は中に入り姿が見えなくなっていたため、これ以上の揉め事を避けたい俺は足の力を抜いて引きずられた先は反対側の路地裏だった。
「俺は仕事終わりなんだ。無駄な仕事はしたくないから身分証を見せてくれ」
「はぁ・・」
薄暗い路地裏で門兵と向き合う俺は、仕方なく冒険者カードを提示し胸元に戻す。
「カイ・・理由は聞かないで欲しいが、ここで大人しく待てば問題は起きないだろう」
一言告げた門兵は、そのまま立ち去り一人取り残された俺は、引きずられ周囲から視線を浴びていたため仕方なくこのまま路地裏から人々が行き交う通りを眺めているとパタリと人々の姿が見えなくなった。
「・・やけに静かになったな」
通りから聞こえていた行き交う人々の雑音が消え静かになった通りの先に見える門兵の詰所入り口を眺めていると、建物に反射して遠くから足並みが揃って聞こえる複数の足音が近づき大きくなると騎士団の隊列の姿が見え詰所前で止まった。
「騎士団? この街に駐屯する部隊か? でも、なんでここに?」
姿を見せた王国騎士団の騎士達は統一された鎧であるも戦闘痕である凹みや傷が一つもなく輝いていることに、彼らは前線に出向かない拠点防衛を主任務とする部隊だなと予想していると、遅れて馬が歩く独特の音が聞こえその騎乗する騎士の姿の1人に俺は思わず大声を出しそうになり口を両手で覆った。
「・・・ジーニス!」
馬に乗る騎士4人の中で横顔がチラッと見えたイケメン騎士の名前を口にした俺の存在に気付く気配も無く、3人の騎士を引き連れジーニスは詰所の中へと入っていったのだった・・・・。
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