突然、雑に扱われる人が出てきましたが、どうやら重要人物だったようです
アクセスありがとうございます。
なんかいい感じで並んで歩くサーシャとスミハのお陰で、なんとなくアリアの立ち位置からは俺の姿が見えないようになるようになっているような気がして、少しだけ横へ移動しようとしたらシマチに止められてしまう。
「カイ、変に動かないほうが安心にゃ」
「お、おう・・」
シマチの言葉を素直に受け入れ動かずにいると、なぜかシマチが俺の前に立ち2人を出迎える。
「ここにも氷像が増えているじゃない・・ユキナの仕業ね?」
「そうにゃ。でも、カイのためにゃ」
サーシャがユキナに凍らされた騎士達を見てため息を吐きながら口を開くも、苦笑いするユキナを庇うかのように話しを続けた。
「シマチ、それはどういうことなのかしら?」
「あぁ、俺が油断していて騎士の不意打ちをくらったんだ・・それに気付いたシマチとユキナの2人が駆け付けてくれてな・・」
俺の説明でサーシャは素直に納得してくれたようで、横目に凍った騎士を睨みつけたと同時にスミハは無言のまま俺に歩み寄り頭の傷を探し見る。
「・・ここじゃな? うむ、血は止まっておるし、シマチの香りがするのじゃ」
「ペロッとしたにゃ」
「ならば、妾が仕上げをするのじゃ」
ピタッと傷口に手を触れるスミハの手は意外にも冷んやりと冷たく、痛みと出血は治ったものの未だに熱を帯びていた感覚が残っていたけど、彼女の手が触れたことでゆっくりと消えていく。
「これで完治なのじゃ。もう熱はなかろう?」
「完全に無くなったよ。ありがとな、スミハ」
「ふふっ・・礼なら今宵、寝床で期待して待っておるからの?」
「どう言うこと?」
ふくみ笑いをするスミハの金色の瞳を見ながら聞き返すも、なぜか隣りで機嫌が悪くなっていくサーシャから逃げるかのようにスミハは離れて行ってしまった。
「はぁ・・スミハはすぐ求める行為はやめなさい」
「くっくっくっ・・サーシャも一緒にどうじゃ?」
「スミハ? 高貴なハイエルフは、そんな野蛮じゃないの・・ねぇ、カイ? 聞いているの?」
「・・ん? あぁ、うん聞いてたよ・・うん」
まったく聞いていなかった俺は、すぐバレそうな曖昧な返事を返し呆れて冷たい視線を飛ばすサーシャが一歩俺の方に踏み出した直後にハッと表情が変わり何かに気付いたかのように振り向くと、アリア達がすぐ近くにいるのにその方向とは違う方に意識が向いていたような気がしたところで、何かが聞こえたような気がして耳を澄ます。
「・・・・ナ・・だん・・・・ちょ・・」
風に乗って何か聞こえたような気がするも、不思議と少女の弱々しい声が耳に残る。
「なんだ?」
「いるわ・・森人であるこの私が微塵も気付けず近付いて来るなんて、屈辱よ」
普段から武器の弓を手にすることなく行動しているサーシャが、警戒するように弓を手元に出現させ素早く1本の矢を放つ。
空気を切り裂き飛んで行く弓は、進路先の木々を避けるように飛び去った後にカンッと何か硬い金属製のモノに衝突したことがわかった。
サーシャが素早く放つ矢に対応が遅れたアリア達は姿勢を低くし身構えるも、彼女が矢を放った方向は全く違う方向だったため、見えなくともその矢が放たれたであろう方向に顔を向けるアリアも金属音を耳にしたようで顔を向けたままだ。
存在を看破されたことで隠密を続ける意味を失った新たな気配は、足音とは違う何かを引き摺る音を出しながら近づき姿を見せる。
「・・・・ぅぅ」
姿を見せた存在は、ここにいるはずもない帝国兵士そして両脚の膝から下を失い拘束され身動きが取れないボロボロの少女に一番最初に反応したのは俺でもアリアでもなく背後で隠れていたルミナだった。
「ネルル! ネルルッ!!」
拘束された少女を見たルミナは泣き叫びながら彼女の元へ駆け寄ろうとするもスミハに腕を掴まれ静止される。
「バカ者! 感情的に行動するのでない!」
アリアから見つからないよう隠れていた俺とルミナだったけど、ルミナの思わぬ行動でアリアにルミナの存在がバレてしまった。
「ル、ルミナちゃん? どうして貴方が、ここに?」
「・・・・」
「ねぇってば! ルミナ魔法士団長よね? なぜ、貴方がここにいるの?」
アリアに存在がバレてしまったことで、ルミナは視線を重ねるも何も応えることなく表情を歪め顔を逸らしていると、せっかく登場したのに放置されたままの帝国兵士が声を荒げた。
「おいっ! この女がどうなってもいいのか!?」
死んでいく賊が決め台詞のように吐き捨てるセリフを口にする帝国兵士の声で、俺達とアリアが率いる騎士達は思い出したかのように顔を一斉に向けると、アリアも決め台詞を吐いた。
「帝国兵よ! 直ちに彼女を解放しなさい! たった1人の帝国兵士如きが王国騎士団には敵いません!」
確かにたった1人の帝国兵士は王国側の捕虜を1人拘束しているとはいえ、数で押されれば負けることが目に見えているはずなのに、どこからそんな自信が満ち溢れているのだろうと考えるも答えは見つからない。
「無策でお前らの前に出る訳がないだろ? 王国の人間はバカなのか?」
帝国兵士に煽られるもアリアは冷静に対応し、部隊に指示を出し隊列を組み替え始めているため俺達より先に帝国兵士を優先させているうちに、俺は今がいい機会だと感じた。
「なぁ、今のうちにここから逃げないか?」
今ならコッソリ逃げられると思いサーシャに伝えるも、どうやらこの選択はもう遅かったらしい。
「カイ、もう遅いわ。どうやらあの子達も近付いているわ」
サーシャの言うあの子達って誰だよと考えるも、思い当たる人間がいないため逃げることを諦めその子達が姿を見せるのを待っていると、思わぬ存在に俺はとある言葉を思い出しニヤついてしまったのだった・・・・。
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とうとう探し人が出てきました。
そして、ソレを捕まえた奴はあの子らしかいませんね・・。
引き続き、お付き合いをお願いします。




