ルミナは近場の街から仲間を探すようですが、お先に思わぬ野郎と俺は再会しました
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街道へと出た後はルミナが先頭を歩き彼女が目指す場所を俺と4人娘は聞くことなく歩きついて行き、その進む先には戦場となったあの街がある方向だ。
今はもう青い空へと立ち昇っていた黒煙や空気を震わす戦闘音は皆無で、流れる時間と共に近づき見える街は外壁や門が崩れ落ち廃墟と化しているように見えため息が漏れる。
「カイ、まだあの街に人族の気配はあるわよ」
後ろを歩くエルフ娘のサーシャは気配探知で街の気配を探ってくれていたようだ。
「そうか。今は立ち寄らない方がいいか?」
帝国兵か王国騎士がいると面倒になると思いサーシャに効くも返ってきた答えは微妙だった。
「どうかしら・・まだ私達に気付いてないようだけど」
「偵察ならシマチにお任せにゃ!」
まだ街まで数キロの場所でシマチはネコの姿へ変えると、長いシッポをピンッと立てたまま街道脇へと外れ膝下ぐらいに生い茂っている草むらへと姿を消して行く。
「あの着ている服は、いつもどこに消えているんだ?」
人族の姿から本来の姿だろうネコに変わったり戻ったりするときに彼女が身に付けているモノが都合が良いように消えたりする現象がずっと不思議に思っていた俺は独り言のように呟くと、フェンリル娘のユキナが振り向く。
「主よ・・それは我もわからぬことよ」
「おっ・・おう」
胸の中でコイツはバカだったと思い微妙な反応をしてしまう俺は、これ以上の追求は無駄だと思い無言でいると先頭にいるルミナが足を止めたため、後ろに続く俺も足を止め彼女の言葉を待つ。
「あの、このまま街に寄ってもいいかな?」
ルミナは俺達に顔を向けながら聞いた後に偶然正面にいる俺を見て返事を待っているようなので、隣りにいるスミハ達に視線を向け彼女達の表情からどうやら俺が決めて良いようだ。
「いいよ。とりあえず街に向かいながらシマチの帰りを待とう」
「ありがとう、カイ兄ちゃん」
笑顔を見せるルミナはクルッと踵を返し歩き出し、俺も止めていた足を動かし歩き始め街まで数百メートルの場所まで辿り着くと、崩壊した門の瓦礫を乗り越え姿を見せる1匹のキジトラ猫が駆け寄って来る。
「んにゃ〜ぉ」
甘えた声で鳴くキジトラ猫は一直線に俺の足元まで駆け寄り長いシッポを足に絡ませるようにグルッと足元で一回りした後にピョンッと背中に乗ると少女の姿に戻った。
「おかえり、シマチ」
「ただいまにゃ。あの街はもう前みたいに活気は無かったにゃ」
「そうか。他に気になるところはあった?」
「街のいろんなところで息たえた人族・・帝国兵と王国騎士がたくさん転がってたにゃ」
「街の人達は逃げてたのを見たし・・ルミナ、どうする?」
「・・・・行く」
シマチの情報で戦場になった街には兵士の亡骸がたくさん転がっているようだ。僅かながら生きている人達もいるようだけど街の復興はこのままでは困難だろう。
ルミナもシマチの話しを聞いて一瞬迷いを見せるも、このまま街に入ることを決めて歩き出すも様子を知ったシマチが先導する方が安全だと俺は告げてシマチを先に歩かせ街に入った後は、死んだフリをした帝国兵がいないか警戒しながら荒れた街の通りを歩き探す。
「・・・・ここにはいないみたい」
ルミナが納得するまで街の通りを歩き数時間捜索するも手掛かりも無く彼女は決心したようだ。捜索のその間に穏やかだった頃に立ち寄った店や冒険者ギルドの建物を見ていた俺は、王国騎士や帝国兵のどちらの姿も見当たらないことに違和感が拭えない。
「主よ、どうしたのだ? そんな顔をして・・」
「ん? あぁ、何か街が変だと思ってな」
「ほぅ・・それは、どういう意味なのだ? 主よ」
「騎士団と帝国兵が衝突した結果が今の街の現状だろ? なのにどちらの兵の姿が見当たらない」
「そう言われれば、どこにも勝者の姿が見当たらないのだ」
俺の違和感をユキナに告げた内容を聞いていたシマチ達4人娘は、自然と互いに背を向け俺を囲むように周囲を警戒し始め纏う空気が変わる。
「えっ? みんなどうしたの急に?」
反応が遅れたルミナは、緩い空気感の4人娘がスッと戦闘モードへと切り替わる姿を察知して慌てだす。
「ルミナ、落ち着いて。まだ危険だと決まったんじゃないから」
「う、うん。わかった」
「それと、騎士団はこの街を防衛拠点として帝国と戦う作戦だったのか?」
「・・・・」
「ルミナ?」
「うん・・最終的にはそうだったの。この街の冒険者と共に計画した戦闘地域で戦闘行動していたの・・・・もし戦線を下げることになったらこの街を最終防衛ラインにして防御戦闘に・・・・」
「騎士団は冒険者を犠牲にすることを、相変わらず躊躇わないな?」
「ごめんなさい。ジーニス騎士団長の方針だったから」
「ジーニスか・・・・あいつ、昔から冒険者嫌いだったからな」
たしか12才を祝うジーニスの誕生日プレゼントで、彼の父親が大金を払い依頼した高ランク冒険者パーティーが失敗して、誕生日に欲しい物が貰えず暴れ父親に理由を聞いて冒険者が原因と知った日以降から冒険者を見下し嫌っているのは騎士団長となった今も健在のようだ。
そんな昔のことを思い出していると、サーシャの冷静な声で意識を切り替えた。
「カイ、来るわよ」
ガララッと瓦礫が崩れ落ちる音が聞こえ顔を向けると、傷だらけでボロボロの姿であるも不自然に顔だけは無傷でいるイケメンの冒険者が姿を見せたのだった・・・・。
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