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妹のような存在だった彼女は、俺より大人になっていたようです

アクセスありがとうございます。


 風呂場での感動の再会?の後で、気絶したルミナを介抱し今は寝室のベッドへ寝かせた俺はリビングの椅子に座りこのままテーブルに伏せて寝ることにした・・。


 夢の中でシマチ達4人と狩に出かけ、休憩中に倒木に腰掛け3人が川で水遊びをしている光景を眺めている途中に右手がズルッとコケで滑った拍子に全身がビクンッと反応し目が覚めた。


「・・夢か」


 リビングを見渡し窓の外に見える景色が明るくなり朝を迎えたため、起きてくるだろうルミナと自分の朝食を作るため背伸びをして身体を目覚めさせた後に外の畑へと向かう。


 静かな朝の中で畑で実った野菜を収穫し、足元に置いているカゴへと入れていると家のドアが開く音が聞こえ顔を向けると隙間からひょこっと紅髪紅目のルミナが顔を出していた。


「おはよう」


「・・おはよ、カイ兄ちゃん。何してるの?」


「ん? いつもの収穫祭」


「収穫祭?」


 俺が何を言っているのだろうという表情をするも、特に口に出すこともなく開けかけたドアを開き外へと出てくると左隣りに肩を寄せるようにしゃがみこむ。


「まぁ、収穫祭は冗談で・・日課の収穫だよ」


「みずみずしい野菜だね」


「うまいぞ? このトマトは・・」


 ちょうど手に取ったトマトをルミナの小さな手のひらに乗せると、偶然なのかクゥッとルミナのお腹が小さく鳴る。


「飯にするか」


「・・うん」


 久しぶりのぼっち飯ではない朝食を妹のように可愛がっていたルミナと食べることで、会話が弾み楽しい時間はあっという間に終わってしまい、食器の片付けが済んだ今はルミナと向き合うように座り今後の彼女の身の振りを聞こうとするも、なぜかシマチが座っていた左隣りの椅子にルミナは座る。


「まぁ、そのルミナはこれからどうする?」


「・・・・」


「あれか、騎士団に報告があるから王都に戻るのか?」


「・・・・」


 ルミナは俺をジッと見上げているだけで何も口にしない。


「あ〜あれか。部隊を探しにあの街に行ってみるか? それか・・」


「ここに住む!!」


「へ?」


 ルミナの言葉に耳を疑っているとグイッと身体を寄せ、紅い瞳に見つめながらはっきりと告げられる。


「カイ兄ちゃんと、ここに住む!!」


「ちょっ・・ここに住む? まてまて、部隊を再編して帝国に逆襲するんじゃないのか? まだ王都に十分な戦力は残っているだろ?」


「ヤダッ・・アイツらに勝てる気がしないもん。カイ兄ちゃんは、私がここに居るの迷惑なんだね?」


「そんな、迷惑だなんて・・」


 潤んでいく紅い瞳に見つめられながら言葉を詰まらせている俺は、妹オーラ全開のルミナに負けてコクリと頷く。


「ありがとう、カイ兄ちゃん。それとね・・」


「それと?」


「ここに1人で暮らしているの?」


「あぁ・・いや、今は1人」


「いまは・・今は!?」


 吐息を感じてしまうほどの距離に顔を近づき迫るルミナは、早く白状しなさいという圧をかけてくる。


「えっと、他の子たちは出かけてる」


「たち? たちなの?」


「おととと・・まぁ、そのうち帰ってくるよ」


「いつからいないの?」


「ん〜かなり前かな? ルミナちゃんが帝国兵と交戦する直前あたりだと思う」


「ふ〜ん。そうなんだ」


 一通りの説明をして納得してくれたような態度へと変わるルミナから逃げるように、俺は日課である畑作業をするため外へ出て1人になる。


「はぁ・・それにしても、見ないうちに大人びたよな」


 2人目の妹のように可愛がっていたルミナが息遣いを感じてしまうほど近付いて来た時には、さすがに胸がドキドキしてしまったことを後悔し、その感情を打ち消すかのように畑作業に没頭する。



「・・・・カイ兄ちゃん」


「はぁ、これからどうしよう」


「・・カイ兄ちゃんってば」


「まいったな〜あのルミナも大人びたよな〜」


「カ、カイ兄ちゃん??」


「・・っは! ル、ルミナ!? いつからそこに?」


 不意に背後から声が聞こえ振り返ると、顔を赤くしたルミナが顔を逸らし立っていた。


「い、いたよ・・ずっと前から」


「そ、そうか・・それでどうした?」


「あのね、もう暗くなるよ?」


「えっ?」


 ルミナに言われ空を見上げると、青かった空はオレンジ色に染まり遠くの方は既に暗闇が広がり始めていた。


「ねぇ、中に入ろう? お腹すいちゃった」


「ゴメン、そうだね」


 足元にあるカゴを手に立ち上がった俺は、家へと戻り水場で土がついた野菜をルミナと洗い流してから夕食の支度を始める。


「今夜は、野菜メインで悪いな」


「そんなことないよ」


 夕食を手短に野菜スープとパンで済まさせてもらった俺は今日の疲れを癒すために風呂場へと向かい、浴槽に備え付けてある魔法具で浴槽に湯を溜めているここまでの時間を、ルミナは何も喋らずピッタリと付いて来ていた。


「ルミナ・・ちゃん?」


「なぁに?」


「部屋で待ってていいんだよ?」


「1人はイヤ・・」


「イヤって・・別に留守番を任せている訳じゃないしさ」


「・・ヤダ」


「おぅ・・」


 2回目の拒否でルミナはギュッと俺の右腕に両手を絡め、ぷにっと柔らかい感触を感じた俺は動けなくなり湯が溜まっていく音だけが聞こえる。


「カイ兄ちゃん、入らないの?」


「入るよ・・入りたいけど、ねぇ?」


 俺の答えがわからないような表情を浮かべるルミナに、嘘だろと思いながら一つ意地悪な質問をしてみた。


「・・ルミナちゃんも一緒に入る?」


「うん・・」


「 !! 」


 即答ですかルミナちゃんと内心焦りつつも今更冗談でしたと言えなくなった俺は、ピッタリとくっつき付いてくるルミナと脱衣所へと向かうと、ここでようやく彼女が俺から離れてくれるのだった・・・・。



 (こ、これからどうしよう・・)



 自ら招いてしまったルミナとの混浴にどうしていいかわからない俺は、とりあえず脱衣所の冷たい壁に顔を当てて冷静になれることを願っていたのだった・・・・。





 



次回は急展開です。

いろんな意味で・・


引き続き、のんびりとお付き合いをお願いします。


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