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近所の街から煙が上がっていましたが、ただの火事ではないようです

アクセスありがとうございます。


「な、なんだ今の?」


 街の方から聞こえた爆発音はここ数年で数回聞いたかどうかの規模の音と腹に響くほどの振動に襲われた俺は、足元のカゴに入れた新鮮採れたて野菜をそのままアイテムポーチにしまい込んで、代わりに愛剣を取り出し腰に帯剣しながら駆け出す。


「・・明らかに何か起きたのに、状況を知ることなく放置するのが一番まずいからな」


 誰に聞かせるでもなく、ただ無意識に呟きながら街を見渡せるあの場所へと続く獣道を数分走り辿り着く。


「あれは・・」


 平穏な街だった今は、至る所で黒煙が青空へと舞い上がり小規模の爆発音が数回鳴り響く度に黒煙の数も増えていく光景を眺める。


「街が戦場に・・・・最悪だ」


 遠くに見える街までの距離でも、俺の気配探知スキルの索敵範囲外のため街の様子がわからない。ただ確かなことは戦力にならない一般市民が戦闘に巻き込まれ命を失ってしまうという最悪の結果を想像していると、街道に複数の気配を捉え視線を向ける。


「騎士団の増援? なら、帝国兵が街に攻撃を仕掛けているってことかよ」


 騎兵で編成された騎士団の増援部隊は、敵の襲撃部隊のことなど関係が無いくらいの移動速度で街道を進み街へと向かって行きそのまま街へと消えて行った。


 帝国が王国の街を直接攻撃することは騎士団に所属していた俺は過去一度も無かったことを思い出し、なぜ今になって民がいる街を攻撃しているのか理解でいないでいると、ふとミユキと共に生活していた時に聞いた話しを思い出す。


(・・ミユキが暮らしていた世界にも争いはあったのか?)


(うん、あったよ。私の住む国では無かったけど、遠い国で・・・・)


(遠い国? そんなこともわかるのか?)


(うん・・関係の無い子供達が巻き込まれて怪我したり亡くなってたり。街の中にいても巻き込まれるの)


(街の中にいても? 何も無い山や草原じゃないのか?)


(魔法より正確に狙える武器があるから・・周囲に人の生活があっても狙われるの)


(そんな世界があるのかよ)



 この世界とミユキが暮らしていたという世界の話しを聞いて、魔法が存在しない世界は不便だけどそれ以上に想像出来ない便利な物が揃っている世界・・でも、遠くの場所にいても簡単に他人の命を奪えると言う世界。


「帝国が戦法を変えたのはミユキ達の知識から得たものなのか・・なら、ミユキは俺達を裏切った・・・・と言っても、元は帝国側の人間だったな」


 先に増援部隊が街へと行ったことだし、たった1人俺が今から行っても何の戦力にはならないだろうと思い直接影響が無ければ俺が出しゃばる必要はないと決め、家へと戻ろうとした時に街の門から多勢の人々が逃げるように出てくる光景があった。


「・・・・あれは、街の人達だよな? 街があんな状態なのに避難させてなかったのか?」


 後ろを振り向くことなく多勢の人々が逃げる姿に家へと向けて動かしていた足は止まり、数えきれないほどの人々が街から離れ街道を走り続けていると、街の外壁を回り込むように新たな人々が姿を見せる。


「あっちからも避難民が・・・・違う、帝国兵か」


 門から出て来た街の人々は背中に荷物を背負い子供の手を引く姿や荷車を引く姿だったものの、新たに外壁から姿を見せたのは、長物を持ち同じ格好をした集団だった。


 戦場となってしまった街を守ることを断念していた俺は避難する人々を追いかける帝国兵の姿を見て、狙われる命を守らなくてはと身体に染みついていた騎士団の信念が再燃し、住民達を戦火から守らなければとそのまま山を駆け降り一直線に走る。


「間に合え!」


 駆け降りる斜面で数回ほど足を滑らせ転ぶも、運よく怪我をすることなく勢いを殺さず立ち上がり何とか降りきったまま街道を全速力で走り続け、必死に逃げる住民達の中を左右に避けながら駆け抜けた先に追いかける集団が帝国兵だと確信し最後尾の年老いた夫婦とすれ違ったところで俺は足を止め立ち止まり近付く連中に警告を発した。


「止まれ! 戦う意志の無い住民に手を出すな!!」


 逃げ惑う獲物の集団から急に反抗しようとする俺の姿を先頭にいた帝国兵達が警戒するように止まり距離を保つと後続の帝国兵達もゆっくりと足を止めた後に指揮官らしき男が馬から降り前に出てくる。


「貴様は、生き残りの冒険者か!?」


「生き残り? どう言うことだ!?」


 帝国兵の指揮官らしき男は、なぜか俺の顔を見ながら同情しているような表情をしてるのだった・・・・。

評価&ブクマありがとうございます。


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