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勇者クン達とお別れした帰り道に、魔女っ子が危うく絡んできそうでした

アクセスありがとうございます。


「今は、私のターンなの」


「ターン?」  


 エルフ娘のターンという言葉の意味を聞こうと思うも彼女は既に戦闘モードへとスイッチを切り替えているようで話しかけられず見守ることにした。


 ピンッと張り詰めた空気の中で、弓を構えるエルフ娘は魔法で風を纏う矢を4本形成させ構え狙いを定めると、脅威と捉えたのか勇者クン達は真剣な眼差しで構え、魔法士少女は何かを慌てて詠唱している。


 あえてなのかエルフ娘はすぐに矢を放つことなく構えたままで勇者クンたちも動かず睨み合いが続き時間が流れていくだけで、先に動いたのはどちらでもなく勇者クン達の背後からきた帝国の騎兵数人だった。


「勇者様!!」


 増援なのか帝国兵が姿を見せたことでエルフ娘はその帝国兵の増えた数だけ矢を増やしさらに矢に魔法強化を施し狙いをつけている横顔がクールでカッコイイことを本人には黙っていよう。


「「「「 王国が!!!! 」」」」


 帝国兵の1人と会話をしていた勇者クン達が急に驚いたような声で王国と口にしたことに何か状況が変わったのだと知ると、勇者クンは俺達を一瞥すると魔法士少女が火魔法ファイヤーウォールを空高く出現させ姿を眩ます。


「・・逃げましたわね」


 立ち昇る炎の壁を眺めているとエルフ娘は構えを解き魔法の矢を飛散させ弓を消しながら俺の元へと戻り呟く。


「逃げた?」


「えぇ、さっきの兵士と共に去って行ったわ。あの炎壁はそのためのものよ」


「そうか・・なら、俺らも行こう。追う必要はないし」


「そうね」


 エルフ娘の言葉を聞いて俺は気配探知スキルで気配を追うと、確かにここから離れるよう去って行き範囲外になり見失う。


 魔法士少女の置き土産となったファイヤーウォールは、エルフ娘の風魔法で一瞬で消え去り山が無駄に燃えることがないことを確認してからこの場から離れ彼女の先導で俺は尾根を目指すこと十数分後にミユキと別れる前に帝国兵達を見つけ立ち止まった場所へと辿り着くとシマチ達が待ってくれていた。


「待たせたね」


「おかえりにゃ」


 追われる可能性が無くなった俺達は、休憩を兼ねて真っ黒に焼け焦げた痕跡が残る平野にいる帝国兵達の動きを見ていると、部隊のほとんどが集結し俺達がいる方向とは別の方向へと移動を開始する。


「帝国の街に帰るのかにゃ?」


「あの方向に帝国の街はないはずなのじゃ」


「なら、どこにいくのかしら?」


「・・主はどう思う?」


「そうだね・・もしかしたら王国?」


「カイ、それはさっき人族の子供が言っていたからかしら?」


「あぁ・・」


 帝国が王国へ大部隊を送り込むことに彼女らは特に興味はないようで、休んでいた身体を起こすかのように立ち上がりグッと背伸びをして家の帰ろうという空気が辺りを包み込みシマチが先頭を歩き家路へと歩く。


 帰りはミユキがいないため山を越える移動速度は速く、彼女らについて行く俺は実は余裕が全然無い。そんな自分に精一杯の俺に周囲を警戒する余裕もなく、ただ荒れた獣道で転ばないようただ走っている俺は、不意に進路を塞ぐエルフ娘の腕に掴まりなんとか止まる。


「ど、どうした急に?」


「いるわ・・この先に」


「いる? なにが?」


「・・シマチ、見に行ってくれるかしら?」


「見てくるにゃ」


 シマチはエルフ娘の言葉を了承すると、猫の姿へと変わり俺の足に小さな身体をする寄せながら細長いシッポを絡ませ離れ間際に小さく鳴いてから走り出し茂みの向こう側へと消えて行く。


「シマチめ・・我を置いて先に行くとは・・主よ、我も行ってくる」


 フェンリル娘のユキナもなぜか行く気のようで、ニヤリと犬歯を見せるとシマチが走り去った方向へと走り出しガサガサと音を立てながら茂みの向こう側へと消えて行く。


「・・2人とも大丈夫かな」


「カイよ、何も心配はいらぬのじゃ。あやつらは斥候が得意な種族なのじゃ」


「そうか・・でも、ユキナは人の姿のままで行ったけど」


「カイの前で本来の姿になるのが、まだ恥ずかしいのじゃろう」


「いつまで話しているの? 私達も行くわよ」


「えっ?」


 エルフ娘に左手を握られ引っ張られたため顔を向けるも、彼女と視線が重なることなく後ろ姿を見ながら俺は引っ張られるまま後ろをついて歩き出してから問いかけた。


「なぁ、あそこから離れてもいいのか?」


「なんの問題も無いわ。2人はどんな遠くに離れていても、必ずカイの匂いを追って来れるわ・・・・・・わたしだって余裕なのよ」


「まじっ? てか、最後はなんて言ったの? 聞き取れなかった・・」


「なんでもないわ・・とにかく! 2人に認められたのだから誇りなさい」


「は、はい・・」


 シマチ達とは全く違う方向へと移動し、右へ左へと不規則に進路を変えるエルフ娘に全てを委ねた俺は途中で何処に向かっているかという愚問をすることなく歩き続けていると、ふと見覚えのある景色だなと感じたところで当初の目的場所だった所から一つ南側にある山の尾根を歩いていたことに気が付くことが運よくできたところで異変にも気付く。


「あれは・・」


「私が気付いた気配よ・・どうやら王国の人間のようね」


「あぁ、格好からして騎士団だ」


「そう、カイがいた?」


「あぁ・・」


「「「 ・・・・ 」」」


 3人でしばらく遠くにいる騎士団を眺めていると、不意にエルフ娘が叫ぶように声を発した。


「すぐ意識を逸らして、木に隠れて!」


「カイ、こっちじゃ」


「うぉっ」


 エルフ娘の警告に戸惑いながら視線だけを逸らすと同時にスミハに右手を掴まれ抱き寄せられ柔らかい感触を後頭部に感じながら包まれるよう身を隠すも、エルフ娘の反応は険しかった。


「不味いわね・・」


「うむ・・どうやらそのようじゃ」


「なになに? どうゆうことなの?」


「・・見つかったわ」


「はい? 誰も俺達を見てなかったぞ? しかもあんなに離れてしかも山の中にいるんだぞ?」


「ダメ・・くるわ・・」

 

 エルフ娘の悔しそうな言葉を耳にしながら心地よいスミハの感触に溺れている俺には、少しも危機感は無くただここまで歩いてきた疲れを癒されているダメ男になっている自覚の中で身を潜めていると、ピンッと空気が一瞬震え去って行くような感覚を全身に感じたけど、過去にもこの感覚を感じたことがることを思い出す。


「ふぅん・・あの人族の娘・・なかなかのやり手ね」


「うむ。なかなかの魔力持ちのようじゃ」


「なぁ、今の感覚ってさ・・・・」


「魔力探知よ。強力で指向性に特化した探知・・ね。私達がここにいる場所に狙いを絞って放ってきたわ・・おかげで確実に居所がバレたわね。でも、動かないのはどういうことかしら?」


「きっと、騎士団の指揮官じゃないからだよ・・部隊の指揮権を持ってなければ勝手には動けないんだ」


「人族って不思議ね・・リーダーの指示なしじゃ動けないってこと?」


「正解。個が弱いから、統制された行動をしないと危険だからね。だから動く気配がないんだ」


「・・無駄ね」


「その分、集中された戦力は威力があるよ」


「ふふっ・・あの人数でも、私1人分の戦力にもならないわよ?」


「だろうね。俺もそう思うよ・・それで、これからどうする?」


 エルフ娘とスミハは互いに顔を見合わせ言葉を発することなく何かを決めたようだ。人族の俺としては蚊帳の外のため少し寂しいけど仕方ないと割り切る。


「向こうが動かないなら、自由にするだけよ。きっと、あの2人もバレていそうだし・・このまま家に帰るわ」


「わかった」


 追ってくる気配がないため、俺達は止めていた足を動かし尾根伝いに移動し右に騎士団を遠くに見ながら山を降りて見え隠れしていた道の近くへと辿り着いて、ここから先は山を移動することなく向こう側へと伸びていく道を移動することになったのだった・・・・。

いいね&評価ありがとうございます。

サブタイトルの魔女っ子が誰かなのかは、

わかる人には分かりそうですね・・。

引き続きお付き合いをお願いします。

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