出迎えてくれたのは帝国兵達でしたが、誘いを断り先に進みます
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ぐあぁっ!!
この選択が無謀だと知りつつ奇襲は成功し、先頭の獣人ではない帝国兵の男の胸を突き刺し命を刈り取ることが成功するもわずかに呻き声を出させてしまったため俺に意識が集まってくの感じながら勢いを残し、帝国兵と倒れながら剣を抜きながら転がり立ち上がり運良く反応が遅れ無防備な黒い人影へと飛び込み胸を斬り捨てた。
2人目の帝国兵も血飛沫を撒き散らしながらその場に倒れたところで、2人目と呟きかけた俺が振り下ろした切っ先とは逆の背後から殺気を感じ振り向きながら体勢を構えつつ暗闇から短剣を持つ太い腕が姿を現しギリギリのタイミングで払い退け、手に伝わる重い衝撃に耐えつつ僅かに遅れてみせた屈強な体格の獣人は初手を防がれたことで舌打ちをして次の手を繰り出してきた。
「ちっ・・」
獣人族の舌打ちと共に片手剣と短剣がぶつかり合い散らす火花を数回繰り返し、互いの間合いから離れたところで俺は周囲を囲み有利な状況になっても他の存在が襲いかかってこないことが気になる。
(・・なんで、一気に攻めてこない?)
「名も知らぬ襲撃者よ・・相手は、1人で十分・・」
ふと獣人族の男が零した言葉で、なぜ襲いかかってこないかを理解し苛立つ。
「・・そういうことか」
夜の戦闘に有利な獣人族に任せておけば、わざわざ自らの命を危険に冒して襲撃者と一戦を交える必要はないと。
「ふっ・・諦めて剣を下ろせ・・王国の人族よ」
「クソが・・」
動き回る獣人族に対して防戦一方なっていく俺は、致命傷にはならずとも少しづつ傷が増え流れ出す赤い血も増えていき追い詰められていく。
「悪く思わないでくれ・・」
数十回目の攻撃の途中で疲弊していく俺に同情するような声をかける獣人族の男は、すでに自分が戦いに勝つことに疑ってないだろうと知った俺は、そろそろ頃合いだろうと気配探知で確認していた気配の立ち位置を見て決める。
「うっせぇよ!っと」
襲撃者の俺を囲み戦いを獣人族の男に任せ高みの見物をしていた帝国兵達は、俺の予想通り完璧に油断していてくれたおかげで、正面から飛び込んでくる獣人族の腰辺りに狙いを定め愛剣の刀身に風魔法ウインドカッターを纏わせ一気に放ちながら横一線に薙ぎ払うと、切っ先から圧縮された鋭い風の刃が弾き出され獣人の体を腰から分断し愛剣が描いた切っ先の軌跡を追いかけるようにウインドカッターが放たれ続け、周囲に立つ帝国兵達を無慈悲に斬り去っていき役目を終え断末魔の叫びの後に再び静寂が訪れるとともに血生臭い臭いが周囲を漂う・・。
(まだ残りがいるか・・・・)
一直線状に広がるように放ったウインドカッターは、起伏があるこの場所では効果が少なく山の斜面に深く突き刺さるばかりで、全滅させるに至らず離れた場所に数人が散らばって生き残っているためこのまま第2ラウンドへと突入しようと決めた直後に突如膨れ上がる魔力を感じた方向に顔を向けると、業火のような火魔法が放たれ俺の周囲を焼き尽くし燃え上がる炎が明るく照らすと炎に包まれた帝国兵が逃れるように暴れ走るも倒れ燃え尽き動かなくなる。
「カイよ! 無事じゃな!?」
燃え上がる炎を気にすることなく突き抜けて来たスミハが姿を見せ抱き着き、身体に触れるヒンヤリとした彼女の手が気持ち良いことは内緒だ。
「あぁ・・なんとかな。助かったよスミハ。ありがとう」
「腕・・怪我をしているではないか? だれに・・誰にやられてたのじゃ?」
獣人族の男につけられた両腕の傷をスミハの冷たい指先に触れられるたびにズキリと痛みを感じるも、我慢し好きにさせながら視線を倒した獣人族の亡骸に向けていると、俺の視線の先にいる亡骸を見たスミハは感付いたようだ。
「こやつか・・こやつが、カイに傷を負わせたのは?」
「なかなかの強敵だったよ、スミハ・・ぅお!」
ゴワァッ!!
スミハはもう絶命している獣人族の男の亡骸に右手を向けると、先ほどよりさらに上位の火魔法を放ち一瞬でその存在を炭化させると業火と共に舞い上がった熱風と共に空へと飛ばし消していってしまう。
「スミハ・・・・」
しばらく周囲で燃えていた炎が消え俺が動けるようになったところでこの場から離れると、シマチとミユキの2人が出迎えに来てくれる。
「カイ、1人で戦っちゃダメにゃ」
「悪い、声を掛けるタイミングを失ってたんだ」
「うん、わかったにゃ・・」
単独で動いたことにシマチとスミハに怒られ反省した俺は2人に許してもらい、野営をしていた場所から離れ夜の暗闇に紛れながら再びシマチの先導で移動し、新たな場所で野営をして何事もなく朝を迎えると眠そうなミユキが隣りに座りピタリと身体を密着させ呟く。
「・・眠たいね」
「眠いなら、まだ寝てれば良いのに」
「オヤスミ・・」
「ここで寝るのかよ」
「だめ?」
上目遣いでみるミユキを見ながら、小さくため息をつき了承する。
「いいよ・・好きにしたら?」
「なら、起きてる」
「寝ないのかよ」
「ふふっ・・そろそろ出発だって、スミハさんが言ってた」
「わかったよ」
ゆっくりとミユキと立ち上がり背伸びをしたところで、野営の痕跡を消してくれたシマチとスミハがやって来た。
「カイよ、そろそろ日の出の時間を迎えるから出発の時間なのじゃ」
「いつでもオーケーだよ、スミハ」
「楽しい山越えにゃ」
「山越え・・最後まで行けるかな〜わたし・・」
それぞれが思いを吐露しながら俺達は出発して、シマチとスミハを先頭に山越えを始める。この先にある俺にとって道の世界である帝国の街に向けて・・。
まさか山越えを始めた数日先で、俺は感動の再会が待っていることも知らずに・・・・
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