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ミユキを帝国へと送ると約束し決めた直後に行けない理由を言われてしまった

アクセスありがとうございます


 寝ている俺の耳に生活音が聞こえ始めたようで、深く沈んでいた意識が呼び掛けられるかのようにゆっくりと浮上し、閉じている目を開けるタイミングよりほんの僅か先に意識が戻った。


「朝か・・」


 部屋の天井を見上げながら小さく漏らすように呟いたのをキッカケにして、上半身を起こしそのままベッドから立ち上がり背伸びをした後に、不意に頭がクラッとして何かに背中を引っ張られるような感覚の中で抗えずベッドに座る。


「立ち眩み・・いつぶりだろうな」


 数秒だけ心を落ち着かせてからゆっくりと立ち上がり部屋を出て、静かなリビングへと向かうとミユキが1人でポツンと椅子に座り顔は窓に向けている姿があった。


「おはよ・・早いな」


「おはよ、カイ・・明るくなったら目が覚めちゃって・・」


「そっか・・・なぁ?」


「なぁに?」


 窓の外に向けていた顔を俺に向けて苦笑いの表情を見せるミユキは、きっと4人の誰かの寝相が悪かったのだろうと思いつつも言葉に出さず話しを変えた。


「・・朝飯まだだろ?」


「・・うん」


 遠慮気味に頷くミユキを横目に俺はリビングを歩き外へと出て畑で実っている野菜を取りに行くと、なぜか座っていたミユキが後ろから何も言わずついて来る。


「ミユキ? 座って待っていて良いんだぞ?」


「・・・・なんか、話したくて」


「そ、そっか」


「・・・・」


 俺と話したいと言うミユキだけど、黙ったまま俺の後ろにピタッと離れ過ぎない距離を保ちそ野菜を収穫する俺を見守っているようだけで終わりそうなため俺から話しかけた。


「・・・・この世界は、生きにくいだろ?」


「うん、なかなか慣れないよ」


「あのさ、ミユキがいた世界はどんなところなんだ?」


「えっとね・・この世界みたいに魔法が存在しないんだけどね・・・・」


 朝飯で使う野菜を摘み取りながら背後にいたミユキが隣りに来て屈むミユキの横顔を見ると、どこか遠い昔を懐かしむような感じで話すも俺には理解できない言葉ばかりだったけど、とりあえず死というモノが身近ではなく穏やかな世界らしい。


「すごい世界だな? ミユキが住んでいた世界って・・」


「うん」


「それでさ、ミユキが召喚されたってことは聞いてたけど、元の世界に帰れるのか?」


「ん〜帝国の偉そうなお爺さんは、帝国の目標が達成したら帰れるって言っていたけど・・」


「そうか・・なら、なんとしてでも帝国に戻って一緒に来た子達と合流しないとだね?」


「そだね・・みんな心配してくれてるかな〜」


 ミユキが聞いただろう帝国の目標について詮索をしない俺は、必要な分の収穫ができたたタイミングでそのまま戻り、これから起きてくるだろうシマチ達の分の朝飯も作り終えてから先にミユキと2人で朝飯を食べ終えた頃に4人は起きてきた。


「おはよう、もう食べれる?」


 眠そうな顔の4人娘は無言でそれぞれ頷き自分達の指定席へと座り大人しくしている姿を見ながら、作り終えていた朝食を皿に盛り付けているとミユキが配膳してくれた。


 相変わらずテーブルの真ん中に存在を強調するように置いた山盛り生野菜を4人は食べようとしないため、少しイラッとした俺は肉を食べるため口を開けたシマチの隙を狙い放置されていた生野菜を手で掴み強引に押し込み食べさせると、初めは涙目になり抵抗していたシマチだったけど結果的には素直に食べてくれた。


「3人も、野菜・・食べるよね?」


「「「 ・・・・ 」」」


 ピクリと動きを止め無言の3人は、シマチと同じように涙目となりフルフル震えながら抵抗するも予想外に食べてくれた・・・・。


「さてと、飯も終わったことだし・・・みんなに伝えたいことがあるんだ」


「「「「 ・・・・・・ 」」」」


 空腹を満たされたのか嫌いな野菜を食べさせられて動けないのかわからないけど、4人は天井をジッと見つめときより手で口を抑えるような仕草を見せるも、俺の言葉に反応は無かったけど話を続ける。


「俺は、ミユキを帝国領まで連れて行こうと思う。だけど、俺は国境を越えた先にある帝国の街がどこにあるのか知らないんだ。そこで、王国に縛られていないシマチ達は知らないかな?」


「・・妾は、うぇっぷ・・し、知っておるのじゃ」


「スミハ、知っているのか?」


「うむ。妾の里は、帝国人と名乗る人族が主張する土地の山奥にあるからの・・帝国の街など全て把握済みなのじゃ」


 スミハは、天井へと向けていた視線を俺へと向けるもなぜか金色の瞳は潤んでいた。


「そうか、でもどうして知っているんだ?」


「過去に帝国の馬鹿どもが妾の里へと攻めて来たから、報復でじぃじ達が軍勢を焼き払ったのじゃ。それに、また来た時のためにこっそりと街を見に回っておったからの」


「それなら、ここから近い帝国の街を?」


「当然、知っておるのじゃ・・・・たしか、ドネストっという街じゃの」


「なら・・」


「もちろんじゃ、カイよ」


「ありがとう、スミハ」


「スミハさん、ありがとうございます」


「うむ、ミユキよ安心するのじゃ。もちろん、道中は妾が独占するがの」


「ん? スミハ?」


 最後の方は小さくて聞き取れなかったけど、スミハが帝国の街の位置を知っていることがわかり案内してくれることで、ミユキを帝国へと連れていける算段がついたのだった・・・・。


 けど、この後にシマチが告げた言葉に俺は言葉を失った。


「カイ、すぐには一緒に行けないにゃ」


「マジ?」


「マジにゃ。ながぁ〜いクエストが一つ残ってるからにゃ」


「えっ・・・・」


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