ミユキと再会したけど、この先どうすれば良いのだろう
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「ミユキ!」
もう遠い記憶で消えかけていた騎士団時代に食べていた携行食の包み紙を握り締めたまま倒れ、意識を失ってしまったボロボロの姿のミユキの名前を呼んだ後に、ゆっくりと抱き上げ山小屋の自分の部屋のベッドへと寝かす。
突然姿を見せたミユキに驚きながらとりあえず部屋に彼女を連れて来たものの、これからどうすればと何も思い浮かば無い俺は、とりあえずミユキが目が覚めるまで部屋に椅子に座り待つことにした。
「・・・・すぐには、起きないよな」
そう呟きながら、胸の辺りが静かに上下して寝息を立てているミユキ寝顔を見つめていると、いつの間にか昼を過ぎ窓から見える景色はオレンジ色に染まっていた。
「もう、夕方か」
数時間も経過していたことに気付いた俺は、急に空腹感を感じ我慢できなくなり部屋のドアを開けたままにしてリビングへと向かい何か飯を作ることにした。
シマチ達用にと残している肉をマジックポーチから取り出し、自分用として焼きながらもしかしたらミユキが目覚めるかもと思い付き、彼女用に食べやすい肉と野菜を一緒に煮込んだスープを作り出来上がった頃にはもう夜になっていた。
「・・まだ寝てるかな?」
ミユキが寝ている部屋に入る前に小さく呟いた後に、明かりがついていない薄暗い部屋に入るとミユキはベッドで上半身を起こし、窓の外を眺めていた。
「起きたみたいだな」
「・・・・カイ?」
「カイだよ・・調子はどうだい?」
「うん、少し楽になったかも」
「そりゃ良かった・・腹減ってないか?」
「ん〜美味しそうな匂いがする」
「そうか・・こっちが、ミユキの分な」
ミユキ用に作っておいた肉野菜スープを盛った皿を手渡した後に、さっきまで座っていた椅子に俺は座る。
「ありがとう・・食べていいの?」
「もちろん・・味付けは、俺好みだけどな?」
「ふふっ・・・・濃そうだね」
「まぁな・・無理だったら残していいから」
ミユキは、スプーンでゆっくりと掬い一口食べる。
「・・・・平気か?」
「うん、美味しいよ・・初めて食べたかも」
「初めて?」
「カイの手料理・・」
「あ〜そうか? 野営の時は・・・・まともな飯じゃなかったな・・すまん」
「良いの・・ごめんね」
「気にするな・・とりあえず、聞いてもいいか?」
目覚めたミユキに食事を提供しながら簡単な会話をして彼女の状態を探った俺は、ここに来た理由を聞いても問題ないと思い流れで問い掛けてみた。
「うん。いいよ・・コホッ」
少し咳き込んでしまったミユキに、飲み物を私てないことを遅れて気付き慌てて盛っていた皿を床に置きリビングの棚にあるコップに水を注いで戻り手渡した。
「わりぃ、忘れてた」
「ありがと・・」
コップの水を半分程飲んだところで、ミユキは溜め息をついてから俺をみて口を開いた。
「ねぇ、ここに1人で住んでるの?」
「えっ? ここに来た理由じゃなくて、俺に質問?」
「そだよ」
「そ、そうか・・まぁ、いいか。ここは、俺の他に4人住んでるよ」
「4人も? 冒険者パーティーメンバー?」
「そうとも言えるかな」
シマチ達のことを思い出しながらそう答えてしまった俺に、ミユキの質問攻めが始まってしまいシマチ達の関係を教えた。
「そっか・・・・カイを助けてくれた、シマチさんには感謝だね」
「あぁ、もうダメかと思ってたから」
「・・・・ふぅ、次は私の番だね」
ミユキは俺が殿をするため帝国兵達に意識を向けている間に、騎士ニードルに連れられ離脱し途中でアリアにも会っていたようだ。
2人と別れた後に街の冒険者ギルドで合同討伐の報酬を受け取り、受付嬢スティーカにパーティー登録解除を薦められたけど断り、逃げるように街から出たと。
それから1人になってしまったミユキは、王国で暮らす意味がないないため同郷の友人達がいる帝国へと戻ろうと、乗合馬車を使い国境に近い街へ移動するも、路銀が底をつき魔物討伐も単独ででき無いため回復魔法でその日暮らしの生活費を稼ぎ食い繋ぐも、突然現れた謎の白い服の集団に追いかけ回され姿を眩ますため街から出て山へと逃げ込み、俺が渡していたあの携行食を節約しながら数十日間も山を歩いた先で偶然にもこの山小屋を見つけ意識朦朧の中で辿り着いたようだ。
「・・そうか、急に独りぼっちにさせて悪かったな」
「ううん・・私が、カイをあの場所に置いて行ったから」
「あの時、ミユキの同郷の子の攻撃魔法に追い詰められて逃げ回っていたら崖から落ちて川に流されたんだよ・・そこで偶然にも、さっき言った通りシマチが俺を助けてくれてここで暮らすようになったんだ」
俺の言葉にミユキはホッとしたような笑顔を見せると、両手で持っていたコップの水をひと口飲む。
「ミユキ、このまま帝国に戻るのか?」
「うん、戻ってみんなのところに帰りたい」
「そっか・・なら、次会った時は互いに敵同士になっちゃうな」
「えっ? どうして、そうなるの?」
「ミユキ、俺は王国側の人間で、キミは帝国側の人間だろ?」
「それは、そうだけど・・カイを敵視するなんて、今更だけど無理だよ」
「俺も同じだよ・・ミユキを敵だって思えないし、殺そうとだなんて微塵もない」
「・・わたし、どうしたら良いの?」
ミユキの問いかけに俺はすぐに返答はできず、ただ彼女の黒い瞳をジッと見つめていることしかできなかったのだった・・・・。
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リアルが落ち着くも他の作者様の作品を読むばかりで、自作の投稿が遅延していることに
反省しつつ読んでしまう自分がいます。
シマチ成分が、最近不足気味ですね。
フェンリル娘も捨て難い・・でも、猫派なんですよ。
すいません・・・・




