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クエスト帰りにギルドにいた冒険者達が4人娘を怖がる理由がわからない

アクセスありがとうございます。


 猫霊族シマチからの口撃が終わり一安心している竜人族スミハから結局俺に名前を欲しがった理由を聞くことができず、寝ていたフェンリル娘とエルフ娘が起きたところで出発し森を抜けることができた俺達は、約束していた馬車屋と合流するまでの時間をのんびり待つことになった。


「静かだね〜」


 そう呟きながらのんびり静かな時間は流れ、俺の両隣をシマチとスミハが陣取り向かい合った所にフェンリル娘とエルフ娘が座りスミハの変わりように驚いているも追及する様子はなさそうだ。


 くぅ〜・・・・


 そんな中で誰かの腹の虫が鳴る音が聞こえてしまった俺は、隣りで少し顔を赤くしているスミハだと知るも気付かないフリをしながら、何も言わずマジックポーチから調理グッズと残っていたオーク肉を取り出しサッと焼き上がった肉を最初にシマチに手渡す。


「あいよ、シマチ・・」


「んにゃ?」


「いいから食べて」


「にゃっ」


 ペロリと口を舐めた後に嬉しそうに受け取るシマチだけど、焼きたての熱い肉を猫舌のせいで食べれず鼻先を近付けては離すを繰り返しているのを横目に食べたそうに視線をシマチの肉に向けているスミハにも差し出した。


「わ、妾は別に・・」


「そっか・・いらないなら、俺が食べるだけだけど」


「い、いるのじゃ!」


 スミハは皿を奪い取り俺に背を向けるも、その嬉しそうな横顔を俺は見逃さなかった・・もちろん残りの2人にも肉は渡すことは忘れない。


 

 ややあって。



「・・来たな」


 街道に土埃を巻き上げながら近付く馬車の姿が見えたことで、予定通り馬車屋の兄ちゃんが契約通り来てくれたことに安堵するも何か様子がおかしい。


「ん?」


「カイ、馬車の後ろが賑やかだよ」


 ハッキリと見えない俺は、シマチの言葉でやはり何かが起きているのだろうと確信する。


「やっぱりそうか・・何かわかる?」


「遠目は苦手にゃ」


「ふふっ・・あの遠さでは、猫目には無理なのじゃ。この妾には、ハッキリと見えておるぞ」


 自慢げに喋るスミハを褒めながら俺は聞くと、どうやら馬に乗った男達に追いかけられているらしく、逃げる馬車にはそれなりの数の矢が突き刺さっているらしい。


「・・・間違いなく、賊に追われてんだろうな」


「カイよ、ここからでも奴らを焼き払うのは簡単じゃぞ?」


「スミハ、馬車屋の兄ちゃんも一緒に消し炭になるだろ?」


「・・うむ、否定はせんが・・名を授かった今の妾にはできるはずじゃ」


 ここでスミハを否定するのもこの先の関係に良くないと思い、馬車屋の兄ちゃんに心で謝った後にスミハに伝える。


「スミハ・・」


「なんじゃ?」


「やっちまいな」


「うむ! 妾に任せるのじゃ!」


 俺の横に並び立っていたスミハは、目の前に移動した後に振り返りニコッと笑みを見せた後に魔力を増幅させドラゴンブレスをまだ遠くに見える馬車に向け一直線に放つ。


「スミハ! ブレスが場所の正面にっ・・・・」


 視界いっぱいにドラゴンブレスの業火が広がりながら放った反動でスミハの体が後方へと倒れるのを俺は抱き締めるような形で受け止めた。


「んふぅ! さすがにこのカラダのままでは、ドラゴンブレスの反動に耐えきれんのじゃ」


 そんな満足げなスミハを抱き締めていた俺の視線はすぐに放たれていたブレスへと向けると、馬車屋の兄ちゃんを巻き込み背後から追いかける賊達を飲み込み爆散する光景だった。


 街へと帰る足を失ったことと、罪の無い馬車屋の兄ちゃんを殺したことに胸を痛め空へと舞がる爆煙を眺めていると、ブワッと煙を掻き分け飛び出してきた馬車の姿に驚き抱いていたスミハの体をクルッと回転させ視線を重ねる。


「スミハ、どういうこと?」


「妾の素晴らしいチカラのおかげなのじゃ」


 ニコリと見上げるスミハの黒髪を撫でながら取り敢えず褒めていると、馬車は俺達の前で慌ただしく止まり御者の兄ちゃんが興奮気味に大声で叫ぶ。


「お客さん、早く乗って! 賊にヤバい魔法士がいるから! 急いで!」


「あっ・・うん」


 そのヤバい魔法士は目の前にいる黒髪のこの子ですと言うのを黙ったままにして、抱いていたスミハをそのまま荷台に乗せるとシマチも乗せてと甘えたため、脇の下に手を入れ抱き抱えると身体を丸めニコニコしながら大人しく荷台に乗せたところで、フェンリル娘とエルフ娘はキッと俺を睨みながら避けるように荷台へと乗り込んだ。


「なんだよ・・」


 2人の態度にイラッとしながらも最後に俺は荷台に乗り込み御者の兄ちゃんに伝えると、馬車はそのまま走り出す・・・・帰る街とは逆の方向に向かって。


「ねぇ、街は反対だよね?」


 荷台から御者台へと移動し兄ちゃんに問いかけると、賊に追われているからしばらくこのまま走ると叫ぶように言ってきた。


「いや、もう賊はいないよ?」


「いや、いる! まだついて来てる!! このままじゃ殺される!」


「・・・・・・ん?」


 御者の兄ちゃんの言動がおかしいことに気付き、彼の目を見ると焦点が定まっておらずグルグル回り続けまともな精神状態ではないことに気付いた時には既に手遅れだった・・。


「落ちる!」


 街道を真っ直ぐ走っていたのは偶然で、緩やかに右に曲がっていた街道から逸脱した馬車はそのまま速度を落とすことなく深い凹地へと突っ込み馬は倒れ上から落ちてきた荷台の下敷きになっていく光景のところで俺の意識は途絶え、気付いた時には荷台の一部だろう重みが身体に乗り激痛のため身動きが取れない。


「くっ・・おもっ・・はぁ、ムリだ・・」


 痛みを我慢しながら動かせる両腕で押し上げようとするも、俺をゆっくり時間をかけて潰そうとする荷台はビクリともせず、腕の力が抜けると共に肺に溜まっていた空気を一気に吐き出し浅く早い呼吸に変わってしまう。


(・・ヤバい、このままじゃ)


「んにゃっ」


 少し諦めかけ目を閉じた俺の耳に小さくもシマチの鳴き声が聞こえ、閉じていた目を開けると顔中が泥だらけになったシマチがクンクン匂いを嗅ぎながら緑色の瞳で見つめながら細く長い口ひげが頬に当たりくすぐったい。


「シマチ・・」


 そう小さくシマチの名前を呟くと、ペロッと鼻先を舐め付着していた泥を落としてから俺の唇にソッと優しく鼻先に触れさせると、顔を踏まないよう俺を跨ぎ彼女のお腹で顔を覆われてしまった。


 柔らかくモフモフのお腹を吸いたくなる衝動に駆られるも、必死に耐えてシマチのお日様の下で干したばかりの服の香りに包まれて幸せな時間を感じていると、ゾワッとシマチの全身に魔力が流れていくのを感じた直後にモフモフで覆われていた感触が消え、猫姿のシマチが少女の姿へと変えながら荷台を背中で持ち上げ人が入れる隙間ができた所に黒髪で金色の瞳のスミハが覗き込み俺と視線が重なりホッとしたような表情を見せてくれた。


「ふぬっ」


 柔らかい表情を見せていたスミハの表情はスッといつもの表情へと戻ると、荷台の一部を掴みバリッと音を立てながら何処かへ投げ飛ばしてくれたようで、重く暗い場所から無事解放される俺だった・・・・。


「カイ、大丈夫にゃ?」


「カイよ、無事じゃろか?」


 シマチとスミハは倒れたままの俺の全身をペタペタ触りながら、不意にゴロンとうつ伏せにさせ背中を見た後に再びゴロンと回し仰向けに戻されると、緑色と金色の瞳がジッと見下ろしている。


「・・な、なんとかね、2人は?」


「「 平気にゃ(なのじゃ) 」」


「よかった・・あの2人は?」


「無事だよ。あそこにいる」


 シマチが顔を向けた先に俺はゆっくりと立ち上がり顔を向けると、少し離れたところで2人は立っていて俺と目が合うとプイッと顔を逸らされてしまった。


「ははは・・元気そうだ」


 御者の兄ちゃんは無惨な状態で息絶えている姿のため、シマチに火葬するよう頼むと素直に火魔法で跡形も残らないぐらいに火葬をしてくれた。


「・・・・このまま歩いて帰るしかないか」


 4人を見渡した後にそう呟き歩いたら遠い街へと移動し2晩野営した日の夕方に街の姿が遠くに見え無事に辿り着くことができたところでスミハが俺に言い寄ってくる。


「カイよ、家には帰らぬのか?」


「今日は、このままギルドに寄って宿屋に泊まろう」


「ならば、今夜は酒場にいくのじゃ!」


「・・行かない」


「行くのじゃ!!」


「宿屋で済ます」


「ならぬ! 今夜は皆で酒盛りをすりゅにゅ〜・・」


「はい、却下です」


 歩きながら迫るスミハの言葉を遮りながら頬をムニュッと挟みながらギルドへと入りつつパッと手を離す。


「ぐぬぬ・・シマチよ、このわからずやをなんとかせいっ!」


「カイ、今日はみんなで飲みたいにゃ?」


「いいよ」


「ぐはっ・・妾はいったい・・・・」


 街の門を過ぎてから執拗に酒場に行きたいと駄々をこねる仕草が可愛いスミハが、ギルドについてから黙って見守っていたスミハに助けを求め、シマチからの要望に俺は即答で了承したことにスミハはギルドの壁に頭をガンガン打ち付けている光景を仲間達と賑わっていた冒険者達は静まり返り、なぜかテーブルの影に身を潜めている屈強な男達の姿に俺は理解できなかった・・・・。


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― 新着の感想 ―
[一言] カイもアリアも結局の所、同類だな。 今回、自衛できない馬車屋さんや御者さんのような自衛できない者を救おうとせず そのせいで死んだらただ死んだという結論だけ受け止めて後は放置とか 他の読者さん…
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