冒険者活動再開・・多分平気カナ?まぁ、バレたらその時に決めよう俺
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山を降りる途中に出会った名も知らない山賊達が、ドラゴン娘のブレスによってこの世から消えてからは何事もなく山を降りて街道を歩くこと数時間で街に着いた。
街を出入りする人々を監視している門兵の男は、ギルドカードとかの身分を調べることなく挨拶程度の会話で人々を往来させているため順番待ちの列も無く待ち時間無しで街に入ることができた。
今日俺たちが街に来た目的は、冒険者ギルドへ行きクエストをこなし報酬を得て生活費を稼ぐためなのに通りにある屋台で焼きながら売られている食べ物の香ばしい香りに誘惑され娘達は俺の財布から小銭を浪費させている。
「ねぇ・・シマチ? 無駄使いはそろそろやめてくれないかな?」
「んにゃ?」
「んにゃ? じゃなくてさ・・ほら、そこの3人も大人しく並んで待つな! さっさとギルドへ行くぞ?」
「「「 ・・・・・・ 」」」
3人娘はチラッと俺を見るだけで、視線はすぐに屋台の鉄板の上で焼かれ香ばしい香りを漂わせている肉に釘付けとなり一歩も動こうとする素振りは無い。
そんな3人娘をどうギルドへ連れて行くか悩んで結果、出た言葉は・・。
「帰りに買うから、先にギルドに行くぞ?」
「「「 ぜったい??? 」」」
「あぁ、絶対に買うから・・なっ? いこ?」
3人娘は後ろ髪を引かれるような表情で焼かれている肉を見ながら屋台を離れ歩いてついてくれたと思った俺の視線の先には、見覚えのあるバカ猫が両手にたくさんの肉串を持ち笑顔で頬張っている姿に唖然とし、その場に俺は崩れ落ちた直後に頭上を業火のドラゴンブレスが超えていき偶然あった家が盛大に爆発し轟音が街に鳴り響いた後に、背後から哀しみの声が聞こえる。
「なぜじゃ・・なぜ妾達の分がないのじゃ? カイよ・・言うてみよ」
「俺が知るか!」
「おいしいにゃ〜・・んにゃ? みんなの分も、ちゃんとあるにゃ〜」
(シマチよ、なぜそれを早く出さない・・・・おかげで、俺の命が刈り取られるところだったぞ?)
そんな感情を乗せた視線をシマチに向けるも、彼女は気にすることなく近付く3人娘に肉串を手渡し仲良く通りの真ん中で座り食べ始め通りを行き交う人の進路を邪魔するも、ガラの悪そうな男達はシマチ達の姿を見ると視線を逸らし文句も言わず避けて通り過ぎて行く・・。
「なんで、誰も文句一つも言わないんだ?」
異様とも言える光景に理解できないまま、4人が完食し立ち上がったことで冒険者ギルドへとやっと行くことができ、ギルドに入ると中にいた冒険者とギルド職員達の視線が俺に集まる。
ドアを開けて3歩歩くまでは賑やかだったギルドは、今では空気が一変し緊張に張り詰められた空気に包まれているのをピリピリと皮膚に感じていた俺は、反射的に少し歩幅を狭くし襲撃に備えるもよく見れば集まっていた視線は俺では無く、後ろから付いてくるシマチ達4人に向けられているような感じだった。
「どうも・・なんか手頃なクエストはあるかな?」
視線を俺の後ろにいるシマチ達に向けている受付嬢は、話しかけた俺の顔を見ているようで見ておらず怯えながらも対応してくれる。
「ささ・・先に、カードをだだ出して・・ください」
「・・あぁ、そうか」
騎士団との合同討伐で依頼報告をしていないけど、きっとあの状況なら行方不明扱いでミユキが代理で完了報告をしてくれてたら問題ないだろうとギルドカードを出そうとしたところで、シマチが先にギルドカードを窓口のカウンターに置いた。
「にゃっ」
「シマチ?」
「カイ、私のカードの方が色々と選べる範囲が広がるはずだよ」
「そ、そうだな・・助かる」
Cランクの俺よりもAランクのシマチの方がクエストの幅が広がり動きやすいため、出しかけた自分のカードをしまうと受付嬢はシマチのギルドカードを確認してから数枚の依頼票をカウンターに並べてくれた。
適当に並べられた依頼票をしばらく眺めていると、採取系から討伐系そして護衛クエストもありAランク冒険者は選べる幅が広いのだと改めて知った。
「カイ、決まったかにゃ?」
「ん〜ちょっと悩んでいるかも」
背中から身体を密着させ覗き込むシマチの柔らかい感触を背中で感じつつネコ耳をいじっていると、何故かギルド内がザワザワしているようだ。
「あ、あの・・」
「ん? なにか?」
黙り込んでいた受付嬢は、青白い顔で俺に話しかける。
「いえ・・こちらのクエストは、どうでしょうか?」
「これは?」
「マッピングです」
「マッピング・・地下ダンジョンのか?」
受付嬢は小さく折り畳まれ黄ばんだ紙をゆっくり広げると、左半分ほど手書きで描かれた簡素な地図だった。
「地図・・だよな? まるで子供のラクガキみたいにテキトーだね」
「すいません、かなり前に受託したパーティーが記録した地図です。不明確な点が多く、さらに見難いと言うことで依頼主からやり直しを求められていましたが、不人気かつ長期クエストなのでしばらく放置されていたんです。
「ふにぃ・・」
受付嬢自らがクエストを斡旋する立場なのに、不人気クエストと言ってしまったことに敢えて俺はツッコムのをやめて依頼内容を聞いてみた。
「そのマッピング範囲は?」
「はい、この街の西にある森を真っ直ぐ抜けた先の渓谷です」
「渓谷か・・その渓谷をマッピングする理由は?」
「・・それは、依頼主から聞かされてないので不明です」
「目的は不明? ね・・それで、気の長い依頼主とは?」
「王国です」
依頼主が王国でマッピング依頼ってことは、間違いなく騎士団だろう。それも長く放置されてもクレームを出してないってことは、途中で戦略が変わり不要になった可能性が高い。
「なるほどね・・報酬は?」
「えっとですね・・完成度により増減するようです」
「なんだそれ? 最悪は、報酬無しってこともありえるのか?」
「いえ、最低報酬は金貨10枚となっていますが、依頼範囲を全てマッピングするのが条件と書いてあります」
「なら、なんで半分で終わっているんだ?」
「・・・・この地図は中間報告時に提出された物でして・・残りをマッピングしに出発したパーティーは、ギルドに帰って来ていませんし、活動もその日で記録が止まっています」
受付嬢の説明を聞いて、そのパーティーが途中で全滅した可能性が高い。
「そうか・・ちなみにそのパーティのランクは?」
「はい、パーティー自体はDランクですが、メンバーにAランクが2人いましたので・・」
「それなら4人はAランクだし、パーティー登録すれば・・」
「やりますか?」
「ん? もちろん・・やらないよ」
「えーーーー!」
受付嬢は悲鳴のような驚きの声を出すと、どうやら俺が受けると思っていたようで勝手に事務手続きを半分終わらせ、あとはギルドカードの確認をするだけになっていた。
「だってさ、まだパーティー登録すらしていないんだぜ?」
「で、ですよねーー今からったな・・今からします? ね?」
「するけど、そのクエストは受けないよ」
「そんな〜」
窓口で泣き崩れる受付嬢を見ていると、隣りにヌッとドラゴン娘が顔を出し見上げ俺と視線が重なる。
「なんじゃ? そんな面白そうなクエストを断るのか?」
「今の俺たちには、日帰りでそこそこ日銭が稼げるクエストが丁度いいんだぞ?」
「ふん・・目の前の生娘が泣いて頼んでいるのに、カイは冷たく断るんじゃな? おぉ!?」
「あのな、受付嬢と冒険者の関係だぞ? それにやりたくないクエストを断るのが何が悪い?」
「ぬぁんと!? 器の小さい男じゃ! クエストを受け達成し、妾の隣りに並び立つ相応しい殿方になるんじゃ!!」
「・・・・」
急に熱く語るドラゴン娘を放置して、とりあえず他の依頼票にあった討伐系のクエストに決めた。
「今回は、討伐系で・・」
「わかりました。では、西の森で棲息する魔物討伐ですね・・」
「おう、それを頼む・・」
「どぉーん! コレもなのじゃ」
ポンッポン・・
「「 あっ・・ 」」
クエストの手続きのギルド印を魔物討伐クエスト票に捺印する受付嬢は、不意に依頼票の上に置かれた依頼表にギルド公式印を捺印し思わず言葉が漏れた。
クエスト手続きでギルド印を冒険者側からキャンセルすると莫大な違約金が発生するため受託は話し合い慎重にやる物なのに、ドラゴン娘は勢いでやってしまった・・。
もう後戻りができないため仕方なく2つのクエストを平行受託として扱われ処理され、ついでにパーティー登録をしようとするも賛成はシマチだけで他の3人娘は反対しソロのかき集め仮パーティーとして登録し手続きは正式に完了した。
「・・カイさん、何かカードに不備でも?」
シマチとは仮のパーティーのため、俺のカードに登録されている情報にミユキの名前は記載されたままになっているため、ふと彼女があれからどうなったのか今更ながらも考えていると受付嬢が話しかけてくれたようだ。
「いや、問題はないよ・・またそのうち成果報告にくるから」
「はい、お気をつけて」
「あぁ、そうだ・・国の領地の全体がわかる地図は見れる?」
「ありますけど、見せるだけで写は渡せませんよ?」
「大丈夫・・周辺の街の位置とか知りたいから」
受付嬢からマッピング途中の地図の写しを貰った後に、大きな王国領土の地図を見ることができた俺は今の位置関係と王都の場所そして最後に活動していた街の場所を理解しギルドから出たのだった・・・・。
感想ありがとうございます。
近いうちに返信します。
これからも、お付き合いをよろしくです。




