街へ向かう途中に起きるイベントは裏切りません
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シマチ達が実はAランク冒険者だったことに驚いていた俺は、悔しさを添い寝するシマチのネコ耳を弄り心を落ち着かせ眠りへと落ちていた・・。
時間帯的に朝になったようで自然と目を開けると、ベッド横に気配を感じ顔を動かさず視線だけ向けた先にはドラゴン娘が座り金色の瞳がジッと俺を見ていて視線が重なると、松明サイズのブレスを口から器用に放ちやがったため、寝起きに顔が熱さでヒリヒリしているのに俺は冷静だった。
「あのさ、腹が減ったなら普通に起こせないの? 俺、死んじゃうよ? いいの? 飯当番がいなくなるよ? いや、別に飯当番じゃないけどさ?」
「カイよ、妾はお腹が空いたのじゃ」
「・・お腹が空いたのじゃ? じゃねーし! って待て待て!! ガチで俺にブレスはシャレにならん!」
「なんじゃ? これしきのとろ火程度なら、カリッとなるくらいじゃろ?」
「カリッとじゃねーし! コロッと死ぬわポンコツが!」
「ぐぬぬぬ・・妾は、ポンコツではないぞ!? とくと見よ! この世界を一瞬で焦土化させるドラゴンぶはっ・・」
「住む家が無くなるだろっ!」
さっきとは桁違い過ぎるドラゴンブレスを部屋の窓へ放とうとしたドラゴン娘の大きく開けられた口に、シマチ特製ヨダレたっぷり枕で覆い被せ無事鎮火に成功した。
「んぐっ・・んぐぐぐ・・ネコくちゃい・・」
「リビングで座って待ってろ。今から作ってやるから」
「ぺぺっ・・ぺっ・・うむっ」
飯を食べさせてから急に距離感が近くなったドラゴン娘とは、普段から会話をする仲となり体に触れても機嫌が悪くなるような素振りもなく素直な一面を見せるようになっていた・・その背後でシマチは背中を向け寝ている。
「行くか・・」
ベッドから立ち上がり部屋を出ると、リビングテーブルを囲むように置いている椅子に3人娘が仲良く座っていて、俺を見ているも笑顔なのはドラゴン娘だけだった。
「お、おはよう・・今から作るから」
「早くだぞ? カイ」
「はいはい・・ブレスで火加減の邪魔だけはしてくれるなよ?」
「そんな野暮な事なぞせぬから、安心してたくさん作るのじゃ」
「まったく・・」
3人が期待しているだろう肉料理は時間がかかるため、嫌がると簡単に予想できる水洗いしただけの生野菜を食べやすく切って皿に盛りつけテーブルに並べると、無言のままジト目で3人娘が俺を見た。
「なんだ? 朝は必ず野菜を食べるだろ?」
俺の問いかけに3人娘は子供のように全力で首を振り嫌がった。
「美味しいのにな〜」
野菜マシマシの皿は後で俺が食べるとして、加熱され十分熱せられたフライパンにマジックポーチから出した厚切りオーガ肉を取り出し、ジュウッと焼ける音に3人娘の瞳は輝き笑顔で俺ではなく肉を凝視している。
「おやおや、そこのフェンリル嬢様・・小さなお口からヨダレが垂れてますよ?」
俺の指摘に慌てて口を拭うフェンリル娘は、いつの間にか髪と同じ銀色の毛色をした少し太めの尻尾をテーブル下でブンブン振っている。
(あ〜あのシッポ触りてぇ〜)
心の声を漏らさないよう耐えながら、シマチみたいに自由にモフモフさせてくれないかと思いつつ絶対に拒否されるだろう諦め、肉肉しい朝食を3人分完成させ食べさせている途中に強引に野菜も口に捩じ込ませ肉と共に食べさせた。もちろん野菜は残ってしまったため、後から起きてきたシマチと2人で完食したのだ。
「街に行くにゃ!」
昨日の夜に街へ行くことは決まっていたけど、はっきり何時行くのか決めてなく朝食後にのんびりしていたらシマチが思い出したかのように俺の部屋に飛び込んで叫んだ。
ハッキリと街への行き方を知らない俺は案内役で先頭を歩くご機嫌のシマチについて行き、街の冒険者ギルドへと安全に向かってたはずだったけど、道中の茂みから待ってましたと言わんばかりに山賊が十数人現れ行手を阻むと、賊らしいセリフを耳にする。
「死にたくなければ、武器を捨てろ! そこの男は、女を置いて逃げることを許す!」
山賊のリーダーらしき、大斧を手にしている男は先頭のシマチではなく最後尾にいる俺を見ながら4人を置いて逃げれば命だけは助けてくれるらしい・・もちろん、周囲にいる仲間達はニヤニヤと笑っている。
「・・俺に聞いてんの?」
「あたりめーだろ? どう見ても、玩具亜人を引き連れているお前が弱きリーダーじゃねーか!?」
「いや、俺はただの付き添いで・・」
「はぁ? リーダーだろうがなんだろうが、関係ねぇんだよ! さっさと失せろ!」
「そ、そうか? なら、先に行く・・」
どうやら俺はどうでも良い扱いのようで、問答無用で斬り捨てられそうにないまま山賊達の横を通り過ぎようとしていた途中で、賊の1人が背後から隠し持っていた剣で襲い掛かってきたため切っ先を避けながら右腕を小さく振り抜き顎へ掌底打撃をくらわし膝から崩れ落ちたところで背中を踏み乗りながらリーダーの男を見下ろす。
「なぁ・・コイツが襲ってきたんだけど?」
「・・・・す、すまねぇ。ソイツは新人だから俺の指示を無視したようだ」
「リ、リーダー・・そんな」
「そっかそっか・・なら、良いよね?」
「な、何がだ?」
「・・・・」
山賊のリーダーを無視して足元で気絶している男の剣を奪い取りそのまま首筋に深く刺し俺は殺した。
山賊達は仲間が殺されたことで殺意を俺に向け襲い掛かってくると思い剣を抜き構えるも、悲鳴を上げながら山賊リーダーが我先に逃げた・・それが引き金となりリーダーが逃げた方向へと仲間達も無防備な背中を見せ逃げて行く。
「に、逃げた?」
「男のくせに途中で逃げるのは、生きる価値も無い情けない奴らじゃ! 妾が燃やしたもう!」
ドラゴン娘が逃げる山賊達に罵声を浴びせながら容赦なくブレスを放ち、一帯が一瞬で火の海へと化し焦土化させると、罪のない木々まで燃やし尽くし焼け焦げた光景に俺はドラゴン娘に怒った。
「お前は、バカか!? なんでも燃やして解決するなよ!」
「なんじゃと!? 妾が秒で解決したことを褒めるべきじゃろ?」
「山まで燃やすなってことだよ。山賊の奴らだけを燃やすことができないんならブレスを使うな!」
「ぐぬぬぬ・・・・妾のドラゴンブレスが使い物にならんじゃと?? 竜人族に謝るのじゃ!」
自慢のドラゴンブレスを否定されたドラゴン娘は、怒り心頭で俺へと詰め寄り見上げながら今にも俺にブレスを放ってきそうなほど小さな口から火炎が漏れ出している。
(やべっ・・言い過ぎた・・)
このままだと、消し炭にされると思い必死にフォローする。
「使い物にならねーって、一言も言ってねーよ! 逆にすげぇんだよ、お前のブレスは!」
「んふっ・・やはり妾のブレスは、そんなに凄いんじゃな?」
ご不満マックスの表情から一気にご満悦な表情となり、全身をクネクネさせている。
「あぁ、すごいぞ! だから、今以上にブレスを制御できたらもっと凄いぞ?」
「もっと凄い? うんうん、ならばカイの期待に応えなければいかんのぉ」
なんかドラゴン娘が急にチョロい娘に見えてきた俺は、とりあえず貶すより褒めて伸ばす方針に決めた。
「頼むぞ? あのブレスがいい感じになったら、クエストの報酬も増えて飯の肉が今より増えるからな」
「ムフフフ・・お肉が毎日お腹いっぱい食べれるのじゃ・・」
頭の中が肉の事でいっぱいになったドラゴン娘に追い討ちをかけるかのように、今朝焼いて残っていた骨付き肉を手渡すとニコリと笑い、骨までバリバリ食べながら俺の横に立ち少し距離が近くなったようだ。
とりあえず焼け焦げた一帯をどうしようかと考えていた俺は、どう考えても無理だということに思い付き最初からこうなっていたんだと記憶を改ざんし納得した上で、シマチ達と街へと向かったのだった・・・・。
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次回は街の冒険者ギルドでのお話です。




