クエスト報酬で生活費を稼ごうと決めたら、娘達は上位冒険者だった
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「・・・・あいつら、食べたらそのままかよ」
情に流され3人娘の朝飯を自分が作るついでに作って食べさせたまでは3人の美味そうに食べるのを見て作って良かったとは思っていたけど、皿を片付け片付けることなく部屋に戻って行った。
「なんだよ、まったく・・」
そう呟きながら取り残された皿を片付け洗い終わった俺は、気分転換に外へ出ると自然に囲まれ静かな場所で良いところだと改めて感じていると、山小屋の近くに畑があることを知り街で買った野菜種の種を植えることに決めた。
「肉ばっかりじゃ飽きるし、野菜も食べないとな」
種を買った商店の死に損ないの婆さんに口酸っぱく言われた通り、葉茎菜類や根菜類とかの種類別に畑ごと分けて植えて面倒だけど、一目でわかるよう木札を立ててから水を撒いていく作業に夢中だったようで、もう昼飯の時間は過ぎていたらしい。
なんで作業に夢中だった俺が昼飯の時間だと気付いた理由は、山小屋の窓から腹が減ったと騒ぎ立てる3人娘が顔を出していたからだった。
さすがにギャーギャー騒いでいたのを気付いてしばらく無視していた。自分のペースで始めたから満足するところまでやりきりたかったのもあるけど、ずっと騒ぐ3人に苛立ち特にドラゴン娘がずっと煩かったの原因で少しキレてしまう。
「・・さっきから、うっせぇーな!! シマチが帰って来たら作ってもらえよぬぁっ!!」
ゴワッ・・
窓から顔を出していた3人娘の1人のドラゴン娘が逆ギレして俺に業火のブレスを放ち、ギリギリのところで回避することができたものの、右手に持っていたクワの先が消し炭となり形を保てず畑へと崩れ落ちた。
「こ、殺す気か!」
「う、うるさいのじゃ! なに食べるのじゃ!」
「それだけで、ブレス吐くなボケッ!」
「んぐぐぐ・・妾をボケッっていうたな?」
ドラゴン娘のブレスを回避し命が助かった代償に種を撒いた場所に手足をついてしまったため、種がダメになってしまった。
この怒りをドラゴン娘にぶつけようと感情的になり立ち上がるも、正面から挑んで勝てる相手ではないことを思い出し長い溜息を吐き出しながら心を落ち着かせ呟いた。
「シマチ、早く帰って来てくれよ〜」
いまだに窓からギャーギャー喚く3人娘の挑発に乗ることなく、軽くあしらいながら小屋へと入りジロリと見る視線を無視しながら適当な昼飯を作りテーブルに並べると、騒がしかった3人娘が急に大人しくなりイスに座る。
「おぃ・・お主は食べぬのか?」
キッチン寄りの左端のイスに座るドラゴン娘が金色の瞳で俺を見ながら聞いてきた。
「ん?」
そういえば、3人の中でコイツと1番多く会話をしているなと思いながら、コップに注いだ水を飲んで食べない理由を告げる。
「まだ、今はいらないから」
「そ、そうか・・」
そう答えた俺は空腹が3人に気付かれないようコップの水を飲み終えると逃げるように自分の部屋に戻りベッドに寝転んだ。
「はぁ・・なにをやっってるんだろ」
しばらく部屋でのんびり過ごしているとリビングから物音がしなくなり時間を空けてから部屋を出た時には、予想通り3人娘は食べ終えた皿をテーブルに放置してどこかへ出掛けて行ったようだ。
「なんだよ、朝と同じかよ・・」
また朝と同じように皿を片付け終えた後に畑作業の続きをするため1人山小屋を出た。
「結構疲れるな・・」
まだ実家暮らしでルミナに魔法を教えない日は、親の使用人達が敷地にある畑で野菜を栽培しているんを家族に見つからないよう手伝っていたことが、こんなところで役立つとは思っていなかった。あの時、強引に迫り仕方なく教えてくれた使用人のクレハさんに感謝をしないとだ。
やりたかった種植えた後にもっと畑を広げようと考えるも、俺1人では限界があると思い今日の作業はとりあえずやめて、まだ知らない山小屋の周囲を散策することに決めた。
山での単独行動だから魔物との遭遇に備え愛剣を殿モードの背中ではなく冒険者モードの腰に帯剣し、適当に歩き続けていると水が流れる音の中に誰かの話し声が混ざって聞こえ、気になった俺はそのまま歩き進むと話し声だけがピタリと聞こえなくなった。
きっと俺が近付いているのを向こうは気付いたのだろうと思い、そのまま敵意が無いことをアピールするため足音を聴かせながら獣道を進み茂みを抜けた先には、大きな池と高さ10メートル程の落差がある滝があった。
「へぇ・・・・こんな良い場所が近くにあったんだ」
久しぶりに見つけた癒しの空間に思わず笑みが溢れる俺は、池のほとりに座り滝を眺めた後に目を閉じて水の流れる音に耳を澄ませていると、滝の方から視線を感じサッと身構えると山小屋からいなくなっていた3人娘の俺を見ていた・・なぜか服を着ていない状態で。
「・・・・おぅ。水浴びの途中か」
3人が暴れ狂う前に大きな反応を見せないようゆっくりそっと立ち上がり、ズボンについた白く細かな砂を払い落としながら気付いていないフリをしながらその場から立ち去ると、背後から不穏な気配を感じるも振り返らず真っ直ぐ山小屋に帰り自分の部屋にこもることを選んだ。
あれから直ぐに俺に裸を見られた3人娘が殺しに来ると思いきや、部屋に押しかけることもなく夕方になっても帰って来る様子もなく、逆にそれが怖いなと思いながらも腹は減るため部屋から出てリビングに向かうも3人の姿は無かった。
「帰り・・遅いな」
3人娘に言ったのかシマチに向けて言ったたのかは、この時の俺は自覚していなかったけど座っていたイスから立ち上がり夕食を作るためキッチンへと立つ。
「・・・・なぜだ、なぜ俺は5人分の飯を作ったんだ?」
キッチンに立ち出来上がった夕食の煮込みスープが入った大鍋と、分厚いステーキを焼き積み上げた大皿を見ながら腕を組み自問自答をしていると、小屋のドアが開き顔を向けた先にあの3人娘と無言で視線が重なる。
「・・・・・・」
「「「 ・・・・・・ 」」」
3人娘の中でただ1人、チラッと俺から視線を外しキッチンにある焼き上がったばかりのステーキに視線が釘付けになっていることに気が付いた俺は、その顔が何かを期待していく表情へと変わりそうになるも我慢する顔に見えたのが面白く先に口を開いた。
「腹減っただろ? 早く座れ」
「うむ! 妾は、腹ペコなのじゃ!」
予想通りドラゴン娘がいち早く自分の席に座ると、キッチンに立つ俺を金色の瞳を輝かせながら俺を見上げ見つめるも、俺がドアから動かない2人に視線を送ったことに気づいたのか、早く座るようにと手招きをして促したが2人は動かなかった。
「さぁ、そこに突っ立てないで座れよ」
テーブルに大鍋と大皿を置いてから動かない2人へと歩み寄り、手を掴み引っ張ると抵抗することなく素直に歩きイスに座ってくれた。
(初めて2人に触れたな・・)
そう思いながら3テーブルを挟んで自分のイスに座ると、ステーキ肉をガン見するドラゴン娘と違って、フェンリル娘とエルフ娘は、目の前の料理と俺の顔を交互に見ている。
「ほら、冷める前に食べろ・・美味いぞ」
豪快に遠慮なく食べるドラゴン娘と、よそよそしく食べるフェンリルとエルフ娘と向かい合って夕食を食べていることに、まるで家族で食べているような錯覚に感じでいると小屋のドアが豪快に開いた。
バンッ!
「帰ったにゃー! にゃ?」
「おかえり、シマチ・・今までどこに行ってたんだ?」
「良い匂いだにゃ!?」
「お、おぅ・・シマチも食べな」
俺の問いに答える気はないようで、目の前の夕食を美味そうに食べるのを見ていると、シマチが何をしに行ったのか聞くことなんてどうでも良くなっていた。
4人は料理を残さず全部食べてくれて、今は膨れたお腹を落ち着かせるため背もたれに背中を預けぼうっとしている。
「お腹いっぱい・・カイ、ありがとう」
「どうも・・そんな小さな身体の何処に入るんだ?」
「ここにゃ」
シマチは、俺の手を握って自分の少し膨らんだお腹に当てる。
「ぷにぷにだな?」
「シマチの弱点・・カイだから特別にゃ」
「シマチの弱点か・・」
そのままシマチの弱点である無防備なお腹を撫でていると、急に体を小さく丸めたシマチが俺の右手をカプッと甘噛みしてペロッと舐めてから解放してくれた。
「今日は街のギルドに行って、クエストをしてきたの」
「クエスト? 冒険者ギルドの?」
「そう・・クエストをしないとお金が貰えないからね」
「シマチって冒険者なの?」
「そうだよ〜シマチはAランク冒険者にゃ」
「Aランク・ マジで?」
「嘘つかない、見てにゃ?」
シマチは胸の谷間に手を突っ込みギルドカードを取り出して、自慢げに俺に見せる。
「本当にAランクだ・・・・まさか?」
正面に座るドラゴン娘から視線を感じ顔を向けると、ニヤッと笑いながら俺にギルドカードを見せてきた。
「ほれ、妾のカードも存分に見て良いぞ? ん? どうじゃ?」
「マジかよ・・・・」
ドラゴン娘もシマチと同じAランク冒険者で、俺より2つもランクが上だった。そして、予想通りフェンリル娘とエルフ娘もAランクだと判明し、Cランク冒険者の俺はテーブルに伏した。
「なんだよそれ・・肩代わりした金貨5枚をクエスト報酬で返してくれよ」
「カイ? 報酬は貰っても、すぐにご飯に変わったにゃ〜」
自慢げに告げるシマチの長いシッポを掴み、フギャッツと言わせた俺はパッと手を離して立ち上がり宣言した。
「よし! 明日からみんなで街のギルドへ行ってクエスト報酬を稼ぐぞ!」
「カイ、急にどうしたにゃ・」
「シマチ、このままじゃ貯蓄が数日で底をつく」
「なんとかなるにゃ??」
「なんともならないよ・・だから、言っているんだ。このままだと肉が食えなくなって、毎日葉っぱご飯だぞ?」
「嫌だ! 毎日食べたいにゃ!」
「決まりだなシマチ。ドラゴン娘はどうする?」
「なっ・・もう肉無し生活は、ありえんのじゃ。妾も手伝うかの」
「よし、他の2人は?」
「「 ・・・・ 」」
フェンリル娘とエルフ娘は黙ったまま俺を見ているだけで、なかなか決断しないことに俺は勝手に参加と決めつけた。
「フェンリル娘とエルフ娘も参加決定だ! 明日は朝早く出て街に行くから早く寝ろよ? それじゃ、解散!」
バンッとテーブルを軽く叩きながら立ち上がり、そのまま自分の部屋へと戻りベットに寝転び天井を見つめていると、しばらくしてからシマチが部屋に入り無言でベットに潜り込んで来る。
「シマチさん?」
「んにゃ?」
「もしもし?」
「にゃっ!」
「・・もういい、寝るよ」
「ぅん〜」
結局シマチはネコのように鳴いて甘えるのを繰り返すだけだったため、ネコ耳をワシャワシャしながら俺は結局のところシマチを抱き枕のようにして眠りについたのだった・・・・。
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