シマチがネコじゃなかったですが、それよりも名前を知らない知り合いが増えました
アクセスありがとうございます。
半端なところで終わってすいません。
手渡した肉串をシマチらしき少女が美味しそうに食べ終わったところで、気になる事を聞いた。
「シマチはネコじゃなかったの?」
「んにゃ? ネコだよ」
「ネコはネコじゃないのか?」
「だから、ネコだよ・・ん〜猫霊族だから猫なの」
シマチの言うネコの概念が理解できない俺は、いったん頭の隅において質問を続けた。
「そっか・・えっと、この山小屋はシマチの?」
「違うよ・カイとシマチ達のおうち」
「俺とシマチ達?」
「んにゃ・・愛の住処にゃ」
「愛の住処ってのは、ひとまず置いといて・・ここはどこ?」
「シマチの愛が置いていかれたにゃ・・・・ここは、王国でも帝国でもない空白地帯にゃ。でも、近くの街は王国の街にゃよ」
急に語尾に、にゃをつけ喋り始めたシマチが上目遣いになり擦り寄って来る。
「な、なんだよ急に・・」
「カイ、街に連れてってにゃ」
「街に? 別にそれくらい構わないけど」
「やったにゃー! 今日は早く寝て明日は一緒に街へお出かけにゃ」
シマチのテンションについていけず、彼女の長いシッポが激しく揺れているのを眺めていると不意に腕を掴まれ抗うことができないまま奥の寝室へと連れ込まれ、軽くベッドへと放り投げられてしまった。
「シ、シマチ?」
「もう寝るにゃ。明日は街に買い物にゃ」
「お、おう・・」
同じ布団にシマチが入り彼女の高めの体温が気持ちよく、優しい温もりに包まれながら眠りへと落ちたはずなのにシマチの頬ずりで目が覚めると外は明るくなっていた。
「カイ、朝だよ・・早く街に行こうよ」
「もう朝? ってシマチ??」
眠い目を擦りながら起き上がると身体の上に乗っていたシマチの重みが消え、そこには着ていたはずの服を脱いで全裸のシマチが恥じらうことなく立っている姿に一気に眠気が吹き飛んだ。
「どうしたの?」
「なんで裸? モフモフは?」
「モフモフ? もうカイには全部見られているから別に裸だよ?」
「見た? 俺が?」
「街でも外でも・・にゃ」
「いやいやいや・・あれはネコだったからだろ?」
「あの時も今も同じにゃ」
恥じらうどころか、逆に自ら全部見せようと近寄り密着するシマチをなんとか離し、服を着せた後に山小屋を出発する。
「こっちだよ」
シマチの先導で山を降りて行くと、街の外壁が見えた。そこから街道を歩き街の門にたどり着くと警備をする門兵から簡単な質問に答えるだけで入ることができ、シマチが行きたい店へと向かう。
「カイ、こっちこっち」
表通りに並ぶ商店に入るかと思いきや裏路地に迷わず入るシマチを慌てて追いかけると、そのままとある家の裏口から入り2階へと駆け上がり部屋に入るシマチの後に続き部屋に入った俺の視界には、陽の光が入る窓がない薄暗い部屋で敷き詰められた布団に雑魚寝する少女達がいた。
「起きるにゃ〜」
シマチは寝ている少女達のお腹を容赦なく踏みつけ歩き、踏まれた少女の口から出してはいけない声を漏らしながら飛び起きる。
「ぐじょっ・・猫娘! 高貴なる私をゴミ扱いするな!」
「化け猫! やゔぇっ! って・・」
「んがぁー もう消し炭じゃクソ猫!」
キャッキャ笑いながらシマチは少女3人のお腹を踏み周った後に満足した顔で俺のところへと戻ると、なぜか背中に隠れたため何もしていない無実の俺に少女3人の冷たい視線を浴びせられる。
「あの、話し合いで解決しましょう・・・・ね?」
「人間ごときに、話し合いは不要・・」
「そうです。万死に値します」
「許せぬ・・倍返しじゃ・・・・妾のブレスでカリカリにしてやる」
どうやら3人は俺を殺すことが確定のようで殺意を込めて睨んできているけど、寝間着がはだけて胸のあたりがバッチリ見えてしまい視線が吸い寄せられてしまう。
「カイは、えっちだにゃ」
背中に隠れていたシマチが危機感無く言いながら俺の前に出てくると、怒り狂う3人の前に立ち指を差しながら告げてしまった。
「みんな、お胸の先っちょまでばっちり見えてるよ? 生娘なんだから、ちゃんと隠さないと軽い女に見られちゃうにゃ」
「「「 ひっ!!! 」」」
シマチに指を差され他ことにそれぞれが胸元に視線を落とすと、無防備なまま双丘が露わになっていることに気が付いた3人は顔を真っ赤に染めながら腕で覆い隠しその場にしゃがむと、この場にいる唯一の男である俺が犯人かのように涙目で睨んでいた。
それからしばらくして彼女達が落ち着くよう俺は外に出て待っていると、シマチ呼ばれ再び部屋に戻ると彼女達は着替え終わっていた。
「カイ、ここに座って」
「あぁ」
シマチに言われ人の前に座ると、何故かシマチはあぐらをかいて座る俺の足の上に座り長いシッポをユラユラと揺らしながら話し始める。
「この人が話してたカイだよ。私にシマチって名前をくれたの・・・・私はこれから街へ買い物をして家に帰るけど、みんなはどうする?」
3人は互いに顔を見合わせた後に、中央に座る長い銀髪に銀目の少女が最初に口を開いた。
「猫娘よ、その人族は信用できるのか?」
「できるよ。それに強いし」
「・・なら聞くが、男よ他種族をどう思う?」
「別に何も・・小さい時から身近に居たしな」
「まさか、奴隷にされた子か?」
「違うよ・・人族と同じように働いていて、俺も世話になった」
「そうか・・」
他の2人も何か聞きたそうな表情だったものの口を開くことなく、シマチの誘いを受け入れたようで一緒に部屋から出る。
昼まであっても裏路地を歩く者など皆無で、たまにアヤシイ男が通り過ぎるも絡んでくることなく逆に家の壁際に背中をくっつけて視線を逸らしている状態だ。
きっと後ろを歩く3人娘の表情が強張っているのが避けられる原因だろうという考えに辿り着き表通りへと出た。
「シマチ、街で何を買うんだ?」
「みんなに必要な物だよ〜」
「そうか・・」
行き先を言わず先頭を歩くシマチの背中を黙って歩き続けていると、1つの商店へと入って行く。
「カイは外で待っててね」
「わかった」
店の外で待つことにして数十分後に、店のドアが開きシマチが顔を出し手招きをしている。
「どした?」
「店に来て欲しいにゃ」
「・・店に?」
語尾ににゃがついたため何か頼み事があるのだろうと思いつつ歩み寄ると、ガシッとシマチに腕を掴まれそのまま店に入るとあの3人娘が男店員とカウンター越しで対峙し、何か雲行きが怪しそうに見えた。
「何があった?」
「ん? お客さん、この子達の知り合いか?」
「まぁ、知り合いじゃ無いって言えば嘘になるぐらいの関係かな」
「そうか、そこまで親密な関係ではないか・・できたら、代わりに商品代金を払ってくれないか?」
「代わりに? い、いくらだ?」
「金貨5枚だ・・どうだ? 一括で払えるか?」
「き、金貨5枚を一括払い・・」
庶民的な商店なのに金貨5枚という高額に驚いていると、俺を見つめていた3人娘が同時に俯いてしまいその姿が願い事が叶わなかった妹の姿と重なり胸がギュッとなる。
「お客さん、さすがに金貨5枚の肩代わりはできないよな」
「待て・・その前に、こんな店で・・じゃなくて、そんな高額になった内訳を聞いても?」
「はっ? まぁいい、今までの生活費のツケが金貨3枚。残りは新たに購入する商品の値段が金貨2枚だ」
「生活費のつけ? わかった」
どうやらこの店は悪徳商店ではなく、逆に彼女達の生活を支援した善良な商店なんだと知り、そしてあの部屋で堕落した姿を見ればなんとなく想像がついて笑ってしまうも、今後の大きな貸しにしてやろうと思い付き支払いを肩代わりすることに決めた。
マジックポーチから金貨5枚を取り出し男店員に手渡すと、カウンター横で厳重に管理されて陳列されているポーチを偶然見つけた。
「なぁ、このポーチって・・」
「マジックポーチだよ」
「1個いくら?」
「金貨15枚だ」
「なかなかのいい値段だね」
男店員は数個あるマジックポーチの1つを手に取り自慢げに俺に見せてきて、勝手に収納できる容量や駄ったな・・どうするの仕入れのやり方を長々と教えてくれる。
(兄さん、それと同じやつ俺も今持っているんだけど気づいてないの?)
そう思いながら説明を聞き流し終えたところで、結局はみんな冷やかしなんだよなと言いながらマジックポーチを棚に戻す。
「そういえば、シマチ達は持ってる?」
「「「「 持ってない 」」」」
「そっか、ならそれを4個売ってくれ」
「へ?」
どうやら俺の言葉が聞き取れなかったようで、仕方なくもう一度伝える。
「それ、4個買うよ」
「ほ、本気か? さっき金貨5枚も払ったんだぞ?」
「だから?」
騎士ニードルから別れ際にもらった殿手当の白金貨1枚をカウンターに置くと、男店員は目を見開き発狂し固まるのが面白かった。
「お〜い、次の店に行くからポーチと釣りを早く」
「・・・・お、おぅ」
マジックポーチを4個受け取りシマチ達に手渡し、釣りの金貨40枚を受け取るとそのまま店を出て次の店に向かう。
「シマチ、次の店は?」
「食料と寝具・・それから畑に植える種とかだよ」
「そ、そんなに買うのか?」
「そうにゃ」
休むことなく商店を巡り買い物をした結果、かなりの金を使ったところで買いたい物は貝揃ったようで満足しているシマチ達を見ながら、俺はまだ手持ち財産に余裕があることは4人に内緒にしておこうと決め、街を出る前に夕食は出店で買った肉串やよくわからない食べ物をシマチ達が嬉しそうに買うため止めることができないまま山小屋へと5人で帰り辿り着くとちょうど夜になったのだった・・・・。
次回は、3人娘についてになります・・
そして、ありがとうございます。
日間ランキング101位になってました。
もう満足です(笑)




