目が覚めたら再会しました
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「痛ってぇ!!」
巨大な何かに全身を踏み潰されたような激痛と共に暗く深い闇から一気に現実に戻され、緑色の景色が視界に広がったように見えたことより全身の激痛に耐えきれず再び目を瞑り倒れこんだ・・・・。
「んにゃっ」
苦しみの中で心地よい鳴き声が聞こえ閉じていた目をゆっくり開けると、緑色の瞳でジッと俺を見つめる黒と茶色の毛が縦縞模様の見覚えのある猫が1匹いた。
「・・・・シマチ?」
「にゃにゃっ」
肯定するかのようにピンッと口のヒゲを横いっぱいに広げ鳴いた猫は、ゴロゴロ喉を鳴らしながら俺の顔に何度も顔を擦りつけ甘えた後に横腹を擦るように離れるとゴロンと寝転びジッと見ている。
「やっぱりシマチか・・お前、生きていたんだな?」
返事はしなかったけど、当然だと言わんばかりに細長いシッポの先をペチペチと顔に何度も叩いている。
「やめっ・・やめろって・・」
全身が痛くて動けない俺はされるがままでいると、スクッと立ち上がったシマチは俺の身体を確かめるかのようにクンクン匂いを嗅ぎ周ると、無慈悲に小さな四つ足で俺の身体を踏みつけながら歩く・・。
「いったぁ・・・・くない」
シマチに踏みつけられた場所から痛みが引いていき、手足が動かせるようになりゆっくりと身体を起こし立ち上がり見渡すと、ここは近くに川があり四周を山に囲まれた場所だと知る。
「・・どこだここ?」
「んにゃ〜お?」
周囲を見渡し見知らぬ場所に戸惑っている俺から少し離れた場所で、シマチはオシリを向けたまま振り向き鳴きながら俺について来いと言わんばかりにシッポをフリフリする。
「シマチ・・ついて来いってことか?」
フリフリしていたシッポをピンッと真っ直ぐ立てたことで、俺はとりあえずシマチについて行くことに決めた。
河原ような場所から山へと入り獣道を歩き続けると前を歩く小さな相棒の体は茂みに隠れてしまうも、シマチの長いシッポだけは目印のように茂みからヒョコッと見えるため見失うことなく進んでいると、山の中腹にポツンと建つ山小屋を見つけた。
「ここは、人が入れる場所なのか・・」
山小屋があると言うことは誰かが拠点として活動しているから、シマチと再会し油断していた俺は周囲を警戒しながら歩くも、相棒のシマチはその山小屋へと一直線に向かう。
シマチは山小屋の入り口だろうドアの前で止まると振り返り、俺が山小屋までついて来たのを確認し小さく鳴いた後にドアの下側にある小さな開きドアを顔で押して開けて中へと入ってしまった。
「おい、シマチ?」
1人取り残された俺はどうしようかと待っていると、シマチがドア下の開きドアから顔を出しジッと俺を見る。
「シマチ? 俺も入っていいのか?」
「んにゃ」
シマチは鳴いた後にスポッと顔を引っ込めたため、意を決して山小屋のドアを叩くも中から人の反応が無い代わりにシマチが鳴いている声だけが聞こえる。
「・・・・入りますよ〜」
山小屋のドアをゆっくり引いて開けると、隙間からシマチが顔を覗かせ出迎えてくれる。そのまま中に入ると予想外にも家具が充実し、ダイニングテーブルや食器棚そしてキッチン周りも小物があり山小屋とは思えないほどの物が揃っていた。
「誰かいませんか〜?」
持ち主がいると思い声を掛けるも誰からも返事は無く、人の気配も感じることができないままネコのシマチは奥の部屋へとトコトコ歩いて行く。
バタンッ・・
シマチが向かった奥の部屋から何かが倒れた音が聞こえるも、それ以降まったく物音がしないため足音を立てないよう歩き半開きとなった部屋のドアを開けると、ベッドの上でシマチが毛繕いをしている姿があった。
「シマチ?」
名前を呼ぶとチラッと俺を見ただけで、気にせず毛繕いを続けるシマチにに近付きベッドに腰掛ける。
「・・ここは、お前の家か?」
「にゃっ」
いつもの肯定するように鳴いたからそうなのだろうと思い、シマチの飼い主が帰って来るまでこの山小屋せ過ごさせてもらおうと勝手に俺は決めた。
さすがに寝室のベッドで寝るわけにはいかないため、リビングにあるテーブルの下の床に寝転び眠りにつくことにするも少し肌寒く身体を丸めると少しはマシになる。
冷たく硬い床で眠ろうと目を閉じるもすぐに寝付けない俺は、この先どうするか考えていると寝室にいたシマチが床を歩く小さな気配を感じていると腹の上に乗りそのまま丸くなって動かなくなると、暖かい温もりが心地良くなり眠ってしまった・・。
「ん・・」
スッと目が覚めると夜になったようで部屋が暗く、起きなければと身体を起こそうとするも誰かが乗っている重みを感じ動くのを止めた。
「だれだ?」
思わず口にしてしまった言葉に後悔するも、乗っていた何かはモゾモゾと動きパチッと緑色の瞳と視線が重なる。
「シマチ?」
ネコのシマチにしては、子供ぐらいの体格を感じるため違うと思うも俺の身体は自由に動かせない。
「・・・・んにゃ〜よく寝た」
「・・・・」
突然胸元から聞こえる少女の声に理解できずにいると、グイッと見知らぬ少女の顔が目の前に迫る。
「寒くなかった?」
「あ、あぁ・・キミがいてくれたおかげで」
「ん〜わたしも」
人懐っこい少女は、シマチの飼い主なのだろうと考えていると彼女はムクッと立ち上がり窓から差し込む月明かりに照らされると、ふわふわと揺れるシッポのようなモノが見えた・・。
「シッポ?」
「んにゃ? シッポだよ〜」
そう言いながら俺から離れると、暗かった部屋がパッと明るくなり少女の姿がはっきりと見えた。
「だれ?」
「シマチだよ〜」
「シマチ?」
シマチと名乗る少女は、茶髪で緑色の瞳を持ち背丈が150ぐらいの小柄の少女だ。彼女のオシリあたりで揺れている髪と同じ毛色のシッポの先だけが黒いのが印象的だ。
「そうだよ〜肉串ちょうだい」
「・・いいよ」
遠征に必需品であるマジックポーチに収納している肉串を取り出しシマチに手渡すと、嬉しそうに食べる仕草がネコのシマチに似ているように見えた俺は、彼女はシマチなのだろうと納得したような気がした・・・・。
やっと猫姿ではない、ヒロイン登場です。




