壁の向こうに広がる光景は、二度と見れない絶景だった
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帝国勇者を王都の門で出迎えるという任を授かった第1王女のアンジェリカことアンは、自分の従者がいつものメイドではなく、俺の母様と知ると何だか嬉しそうな表情と緊張の面影が感じ取れる。
「・・カイのお母様が私と共に来てくださるのね・・将来の妻として恥の無いようにしなければなりませんね」
「アンジェリカ様? 続きを話してもよろしいでしょうか?」
「ふぁっ? 早く続けなさい」
「・・・・それではブレンダ殿はすでに別室にて待機してもらっている状況です。この後、近衛兵にブランダ殿の部屋へと案内させますので、アンジェリカ様はお迎えに行ってください。じ後の詳しい話しについては、彼女に既に伝えております」
「ガリア宰相、わかったわ・・お父様、カイのお母様を長く待たせるのは私にとって非常にマイナスなので、今からお迎えに行きます異論は認めません」
「た、頼んだぞアンジェリカ。ブレンダの強さは上位冒険者クラス並だから心配無用だが、相手は帝国勇者なのだ。お前の身に危険を感じた場合は、無事に帰ってくることを最優先にするのだ」
「・・善処しますわ」
アンはもうここには居られないような素振りで部屋を出ようと椅子から立ち上がり最短でドアを目指すかと見ていると、なぜか遠回りになる俺の方へ円卓をぐるっと回りやって来た。
「カイ、また後で会いましょう。あなたから聞けなかった話は、ブレンダ様から聞くことにするわ」
「ちょっ・・アン!? 何を聞く気なんだ?」
アンは呼び止める俺に笑顔で手を振りながら部屋から出て行ってしまい、静かなこの部屋が息苦しく感じ適当な言い訳でここから逃げ出そうと決めた。
「・・・よし、俺達も行こう」
そう呟きながら椅子から立ち上がると、国王陛下から鋭い視線を向けられてしまった。
「カイよ、まだワシはお前に・・冒険者としての役目を与えてないぞ? どこへ行く気なのだ?」
「いや、それはその・・・・」
短時間で適当な言い訳を決めきれておらず、陛下に問い詰められた俺は思った以上に返事ができないでいると、隣りにいるサーシャには、陛下の脅しは関係無いらしい。
「あら、私のカイの自由を邪魔するのかしら?」
「いえ、サーシャ殿、そういう意味では・・」
サーシャの前では、あの国王陛下の威厳は皆無に等しい。
「そうよね? カイ、行くわよ。こんな暗く狭い部屋にずっと居ては息苦しいもの・・・・シマチ、眺めがいい場所に案内してくれるかしら?」
「わかったにゃ」
サーシャ達にはこの部屋にいる国王陛下など微塵も気にしていないようで、俺を連れて部屋から出てしまう。そんな俺を国王陛下は、何か言いたそうな視線を向けるも黙ったまま見送るだけでドアが閉められるとその姿は見えなくなる。
「シマチ、どこに行くんだ?」
「上に行くにゃ」
部屋を出た後にシマチに右手を握られそのまま廊下を歩き上層階へと繋がる階段をずっと上へと上がって行き見えてきた行き止まりの壁の横に人が通れそうな小さな穴があいていた。
「カイ、あっちは頑丈そうなドアがあって通れないにゃ・・だから仕方なく近くの壁に獣道を作ったにゃ」
壁の穴の周囲は四方に無数の亀裂が広がっていて、打撃技で強引に貫いたことがよくわかる跡だなと思いながら、とりあえず自慢げなシマチを褒めた・・もちろん共に行動していたユキナも忘れずに。
「シマチ、穴を開けたのはここだけかな?」
「そうにゃ。パンチしたらあいたにゃ」
「そっか・・」
これ以上シマチに聞いても進展は望めなさそうだと感じ話しを終わらせた後に、穴の向こう側へと先にシマチとユキナを行かせてから俺は壁の穴を潜り抜け立ち上がった先に広がる光景は王都が見渡せる景色だった・・・・。
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