さよなら流される門兵達そして出迎える近衛兵は敵か味方なのか
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シマチとユキナが氷の滑り台のようなものの上を2人仲良く門の向こう側から物凄い速さで滑り去り、勢いそのままで王城の門の近くにある外壁へ派手に激突し爆音を轟かせたせいで、王城から集団の足音が近付いて来た。
「・・もう逃げようかな」
「カイ殿、絶対に逃げないでくださいね? もっと面倒なことになりますから」
「はは・・」
門兵の男に釘を刺され苦笑いしかできない俺は、改めてやっぱり逃げようかなと考えるも手遅れのようで俺の姿が認識される距離にまで足音は近付きその集団が姿を見せると、その先頭には見覚えのある女騎士2人に傍にいた門兵は駆け寄る。
「門兵! 状況を報告しなさい!」
「は、はい! 敵の攻撃ではありません!」
「「 ???? 」」
女騎士2人は門兵の報告に理解できず、一瞬固まっているところにもう一度門兵は報告する。
「敵の攻撃ではありません! ネコとイヌの喧嘩です!」
門兵の二度目の報告にもっと混乱している女騎士は、視線を彼から穴が空いている外壁へと顔を向けもう一度門兵を見る。
「門兵、夜勤お疲れ様だ・・早く帰って休むが良い」
女騎士ノーシスは、片膝をつく門兵の肩に優しく触れて告げるも、シェリーは正反対の対応にでる。
「寝惚けているのか!? あの壁の穴はいったいどういうことなんだ?」
「それが・・その、そうです! あの人です!!」
門兵は説明を放棄して俺に指差す。その結果、女騎士シェリーとノーシスの視線はギロっと俺に向けると、俺の存在を今知ったような反応をする。
「「 !! 」」
昨日、王城で俺も居ただろ? 絶対に視界に入っているからなと突っ込みたくなるぐらいの反応を見せる2人は、ずっと俺を見て固まる。
「カイ、あの女2人と知り合いなのかしら? 答えなさい」
ツンデレのツンモードになりやすいサーシャが、不満そうな顔で耳元で呟き冷たい風が頬を吹き抜ける。
「サーシャ、落ち着けって。彼女らは知り合いだ。まぁ、騎士団追放を告げられた直後にざまぁって2人に言われたよ・・・・」
「そう・・私のカイにそんなことを・・・・今ここで殺すわ」
「待て待て、さすがに今ここでは不味い」
「・・しかたないわね。他で我慢するわ」
「よろしく。その他が何かは聞かないことにするよサーシャ」
「ふふっ・・」
サーシャと話しているうちに壁に穴をあけた張本人たちがヒョコッと穴から顔を出し、こちらを伺い仲間になりたそうだったため手招きすると笑顔で戻って来た。
「カイ、死ぬかと思ったにゃ」
「直前まで楽しそうだったけどな?」
「んにゃ」
「ユキナ、あの氷の台を消せるか?」
「すまぬ主よ。すぐに消そう」
素直に謝るユキナはこの巨大な氷の滑り台を一瞬で砕き消すかと思っていた俺の考えは裏切られ、一瞬にして氷から水へと変わり地面に叩きつけられた大量の水は、大きな音と共に周囲を濁流の渦へと巻き込み消えた。
傍にいたスミハの機転により俺たちはギリギリのところで濁流から逃れることに成功するも、足元で逃げ遅れた門兵と女騎士シェリーそしてノーシス達は抗うこともできず濁流に飲み込まれ、シマチとユキナがあけた外壁の穴に濁流と共に何処かへ流されて行った。
「・・・・とりあえず、俺達は王城に行こう」
俺は濁流に流されていった彼女達のことは見なかったことにして、ところどころにある水溜まりを残した地面に足をつけ無人の門を通り抜け目的の王城へと向かう。
しばらく城内の敷地を歩いていると、流石に最後まで冒険者パーティーが自由に歩き回ることができるほど、ザルの警備ではなく、前の方から普通に近衛兵が2人走って来た。
「そこで止まってください! 冒険者のカイ殿ですね!?」
「はい、そうですけど」
勝手に入ったからこのまま捕まるのかなと思っていたけど、やってきた近衛兵は俺達を捕まえに来たのではなかった。
「・・人数も報告通りの5名ですね。シエンナ近衛兵長から、カイ殿が来たとのことでお出迎えに来ました」
「近衛兵長がですか?」
「はい。ここからは、我々が部屋に案内しますので離れずついて来てください」
「わかりました」
門での事件で捕らえられるかと不安だったけど、そんなことはなく初めから威圧的な態度ではない近衛兵2人の指示に従い歩く。
妹であるシエンナは彼らの上司であるため、きっと見下している冒険者の俺を雑に扱うなとでも言われているのだろうなと思いながら無防備な近衛兵の後に続いていると、中庭を抜けてこのまま昨日と同じ道順で行くのかと思っていると全然違うルートを進む彼らに俺は警戒することにしたのだった・・・・。
感想&評価ありがとうございます。
定期投稿は月曜朝ですが、しばらく投稿でいなかったぶんを
投稿しました。




