サーシャは、かなり根を持つ性格のようです
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妹のシエンナが近衛兵長という立場を見失っているほどご機嫌な様子に、陛下でさえ触れず話しが進もうとしている。
「さて、甘くも刺激的な雰囲気から真面目な空気に戻すとしよう。我が王国は隣国の帝国から古く長きに渡り国力が拮抗状態で保たれていた。しかし、帝国が禁呪とも言われる危険な魔法を使い脆くも崩れ去ったのだ」
「・・陛下、それは召喚魔法なのですね?」
小さく落ち着いた声で国王陛下に問うエルシアは、いつの間にか姿勢を正し真剣な表情だ。
「その通りだシエンナ近衛兵長よ。騎士団長ジーニスの情報では、黒髪黒目の容姿である少年少女だがその戦力は王国最高戦力を誇る騎士団でさえ軽く凌駕していると」
「申し訳ございません。私の力が及ばず、一つの街を壊滅させられました」
魔法士団長ルミナの言葉に、陛下の背後に立つガリア宰相の顔が歪む。
「ルミナ魔法士団長だけの責任では無い、まさか帝国が御伽話であった勇者召喚に挑み成功させるとはな・・・・ワシの考えが甘かった結果だ」
「陛下、それは陛下の責任を背負う範疇を超えています」
「ガリアよ、民の命を脅かす存在が王国内を自由にさせている時点でワシの責任なのだよ」
「しかし・・」
「よい・・だが神はまだ王国を見捨ててはいなかった・・この場に神聖なる種族が4人も揃っているのだから」
国王陛下は、シマチ達を見渡し希望の眼差しを向けている状況に俺が気付くと、先にサーシャが反応する。
「ちょっと落ち着きなさい。人族の争いに私達を勝手に巻き込まないでくれるかしら?」
「・・・・」
サーシャの反応に国王陛下は、驚き目を見開く固まっていると、ガリア宰相は慌てながら提案する。
「こ、国王陛下ここは報酬を・・報酬を提示すればよろしいかと」
ガリア宰相が陛下の耳元で告げるも緊張しているのか、声が大きく全てがダダ漏れでサーシャは俺の肩に手を置いてそれに乗っかるようだ。
「あら、何か私達に見合った報酬を提示してくれるのかしら? 金銭面的に私達は困っていないことだけは教えてあげるわ」
「「 ・・・・ 」」
帝国との戦争で莫大な費用が掛かっているため、報酬を払う余裕があるのだろうかと心配する俺を知っているような口ぶりでサーシャは金銭以外での報酬をちらつかせると、意外な人物が提案する。
「国王陛下、私が統括している領地の一部を譲渡するのはいかがでしょうか?」
「あら? 公爵家の貴方が私欲を削ってまで、私達が領地をもらうメリットなんてあるの?」
「サーシャ殿にメリットがあるとこの場で肯定できないが・・・・先程から見ている限り息子のカイに接する様子からして、カイが幼少の頃から気に入っている領地を譲渡すればと・・安易ではあるが」
「そうね・・カイが気に入っている場所には興味があるわ・・・・カイ、どういう所なの?」
「そうだな・・たしか、近くにある街から山を一つ越えた先にあって、周囲は森に囲まれ家の前には大きな湖と草原が広がる静かでいい場所なんだ」
「そう・・一度見に行く価値はありそうね。公爵さん、今からカイに領地を譲渡しなさい」
「はぁ? サーシャお前・・急に何を言っているんだ?」
「何って? 私達とカイが暮らす新たな場所をもらうだけよ? あの山の家は、勝手に使っていただけなの」
「マジか!?」
「本当よ・・私達は街にある家の薄汚い部屋にいたじゃない」
「そういえば、裏路地の家だったな・・・・でもさ、報酬をもらうってことは、またアイツらと対峙するんだぞ?」
「知っているわ。それに、あの小娘の頭を吹き飛ばして赤い花を咲かせないと気が済まない程イラついているのよ?」
「そう・・か。わかったよサーシャ」
サーシャの目は本気で隣りにいるシマチ達も気持ちは同じらしく、王都に来る勇者クン達と戦うことが決まってしまったのだった・・・・。
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