妹から受ける愛は沼のように底なしで、ドロドロするも愛おしく感じた兄がいました
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今日は、1話だけですいません。
サーシャとスミハが先に部屋に入っていたことで、奇襲対処に隙は無いと思い込んでいた俺は正面から衝撃をまともに受け、下腹部に感じた痛みで傷を負ったと焦り全身が強張る。
「兄様!!」
飛び込んで来た気配の衝撃を受け止めた後に聞こえた声に、衝撃で身体がのけ反り上を向いてしまった視線を下に向けると、幼さを残しつつも大人びた表情をして俺を妹のシエンナが涙目で見上げていた。
「シエ・・」
「兄様! 兄様は、やはり生きていらしたのですね!? 父様や取り巻きの下衆共に何を言われようも私は今・・兄様の温もりを感じる直前まで、ずっと孤独に信じていました・・いったい今まで兄様は、可愛い妹を放置して何をしていたのですか? 兄様からの愛を受け止めれない妹の・・この満たされない渇ききった心を、兄様はどう責任取ってくれるのですか??」
「・・シエンナ、落ち着けって」
「シーちゃん、相変わらず愛が重過ぎるよ・・」
「ルミナ様? 私の兄様への愛は当然であり、決して重過ぎることはありえません。すでに兄様の子供を10人産み育て上げ、男女混成編成の班攻撃が可能ですよ?」
「えっと、ちょっと待って? 子供10人? シーちゃん何を急に・・血の繋がった兄妹だよね?」
「はい? 貴族家の歴史に子孫繁栄のため血縁の濃い兄妹であっても深い愛があれば血縁でさえ障害すらならないと・・・・お忘れですか? ルミナ魔法士団長」
「でも、シーちゃん。さすがに10人は無いと思うよ?」
幼子のように抱き着くシエンナの頭を撫でながら、ルミナと言い争いをしているのを聞いているだけしかできない俺は、この部屋の空気をどうすればと苦笑いしていると上座に座る国王陛下が大きく笑う。
「はっはっはっはっ!! これは愉快だ。まさか、実の妹であるシエンナ近衛兵長をも孕ませカイの想い人であったとはな!?」
「陛下? 妹を孕ませていませんよ? こうなるのをわかっててシエンナを同席させたのですね?」
「うむ。カイよ、長きに渡り無事を伝えず、しかも帰りもしないお前が悪い。妹の愛を正面から受け止めよ・・兄ではなく男としてだな?」
「・・・・・・」
陛下の言葉を無言のまま受け止め、同じように先に椅子に座るも気配を途中から空気のように消していた父親に声をかける。
「お久しぶりです父様・・いえ、フィフスアンガー公爵様」
「う、うむ・・元気であっ・・」
「兄様、あの下衆に挨拶は不要です。それよりも、私の席の隣りに座りましょう」
親子であるも冒険者の立場として公爵貴族を敬う口調で声を掛け、それなりの態度で応えようとした父親の言葉をバッサリ切り捨てた。
「くっくっくっ・・近衛兵長は、公爵家にも厳しいな・・さすが雷撃姫と呼ばれるだけはあるのぉ」
「陛下、その無駄に広まり価値の無い二つ名を私の兄様の前ではお控えください」
「うぐぅ・・急に背中がビリビリと・・・・それはすまなかった。さて、そろそろ本題に入ろう。そちらのカイのお連れ様も座っていただけるかな?」
ルミナとネルルはゆっくりとテーブルを囲む椅子に座るも、シマチ達は俺の背後に並び立ち皆の視線を集めサーシャが口を開いた。
「私達は、このままで良いわ。気にせず臆さずそのまま話しを続けなさい」
「・・では、はじめよう」
「お、お待ちください国王陛下」
「なんだ? フィフスアンガー公爵よ」
「なぜ、一国の王がエルフ族の意見を受け入れているので?」
「それは、道理だからだ」
「なぜでしょうか?」
父様はサーシャがハイエルフ族だと気が付いておらず、エルフ族の女に陛下が気を使うことに不快感を露わにしていた。
「サーシャ殿は、高貴なるハイエルフ族だからだ」
「ハイエルフ族? 本物なのですか?」
「ワシが確認した・・疑っておるのか?」
「いえ・・しかし他の方々は?」
「ふむ、そういえば深く聞いてはおらぬが、普通ではない気配を感じるがどうなのだ? カイよ」
隣りに座るシエンナがずっと甘えデレデレになり戯れてくるのを上手く対処している途中に、急に陛下にシマチ達のことについて振られたためどう答えようかと迷い、ふと振り向き4人娘を見るとさーしゃがコクリと頷く。
「仕方ないわね、あまり言いたくないけど、仕方なく教えてあげるわ」
「さっき言った通り、私は高貴なるハイエルフ族よ」
「・・シマチは、猫霊族にゃ」
「妾はスミハなのじゃ。竜人族じゃ」
「我はユキナだ。銀狼族なのだ」
「最後に俺はカイ・・元王国騎士で、今は冒険者」
つい俺も自己紹介するも不要だったようで、シマチ達の種族を聞いた陛下達そしてシエンナですら驚愕し固まってしまう。
「に、兄様? 伝説の種族を4人も侍らせているなんて・・さすが兄様です。でも、どうしてアリア姉様がいないのですか?」
「それは・・いろいろあったんだよ? 俺が冒険者に転職したとか・・な?」
「兄様、今すぐ理由を聞きたい私がいますが、今は陛下の前なので控える私は良い子ですよね?」
「あぁ、とても良い子だよシエンナ」
「うふふふ・・兄様に褒められましたぁ〜」
久しぶりに会った妹のシエンナから甘い声と共に見え隠れする猟奇的な気配を感じながら笑顔で頭を撫で、さらに甘やかしながら本題である陛下の話しを聞くことにしたのだった・・・・。
いいね!&感想ありがとうございます。
物語の前半にカイに実の妹がいることを記述していまして、やっと登場させることができました。
お陰で登場から全開で突っ走っています。
妹シエンナは、一体どこで歪んだのでしょうか?
誰か教えて・・・・ください。




