ジーニスに捨て台詞を吐かれるも、国王陛下の含み笑いが怖いです
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目の前で国王陛下に問い詰められるジーニスの姿に自覚するほどニヤついていると、脇をギュッとつねられる。
「カイ兄ちゃん、かお・・顔が笑ってる・・戻して」
「そ、そうか? ありがと」
「うん。でも、シーちゃんはカイ兄ちゃんのこと気付いてなかった」
「陛下の前だから、最低限の動きで済ませたんじゃないかな」
「でも、一度もこっち見なかった」
「ルミナの方も? 俺は、こんな格好だしな〜」
素顔を露わにしているから妹のシエンナの姿を久し振りに見た時は、本当に近衛兵長になったんだなと嬉しい気持ちと俺に気付いてもらえなかった兄として悲しかったことは笑顔で隠した。
「もう良い! 騎士団長ジーニス、もう下がるがよい」
「お、お待ちください。まだお話しは・・」
「下がれ!」
「・・・・はい」
妹のシエンナのはなしをルミナとしていたことで意識から外していたジーニスは、どうやら陛下から帰れと言われたようで、何もできず落胆した表情で俯き重たい足取りで出て行く途中にフラッと俺の方へ寄って来た。
「カイ・・お前とアリアの関係は、もう戻らない。この俺が上書きしてやった」
「・・・・・・」
この場でジーニスに掴み掛かり1発殴ってやろうと思う俺がいて拳を強く握り締めるも、サッとシマチが手を包み込むように握ってくれたことで、膨らんだ感情は落ち着きを取り戻し無言のまま謁見の間を出るジーニスを見送った。
「さて・・邪魔者は去ったか。カイよ、騎士団長が訴えていたが副団長アリアが帝国の捕虜となったのは事実か?」
「はい、陛下。小隊規模の帝国兵を率いた帝国勇者パーティーに」
「そうか・・・・言い伝えの通り強大な力を持っているのか?」
「1発の魔法で街が一瞬で瓦礫の山にできるほどです」
「なんと!」
「陛下は信じられないかもしれませんが、この目で直接見ました・・選択を誤れば、王都も同じ運命に」
深く溜め息を吐き出しながら王座に背中を預ける国王陛下は、しばらく目を閉じ黙り込んだ後に口を開く。
「カイよ、その姿は冒険者であろう? 王命により騎士団へ復帰し国を王都を守ってくれぬか?」
「・・・・陛下、俺1人が騎士となり勇者パーティーとの戦闘に身を投げても守り抜く術はありません」
「王国最強と言われるお主より強いのか・・」
無言で頷くと国王陛下はガックリとした表情となり下を向いてしまい、謁見の間は静まり重苦しい空気が支配したところで、再び誰かが謁見の間に入って来た。
「陛下! 大事な公爵家との会議の時間がとうに過ぎておりますぞ! 速やかにお戻りください」
「ガリア宰相よ、シエンナ近衛兵長から聞いておらぬのか?」
「聞いております。しかし、今日は王族にとって無碍にできない公爵家なのです」
「ふむ・・そうだったな。これまた偶然にも、今日はあの公爵家の男か・・・・ガリアよ、先程の話しは取り消しだ。公爵家に特務室に場所を変更するとお前が直接伝え使用人達に準備させよ」
「陛下、上級貴族専用の館ではなく?」
「そうだ・・それと近衛兵長にも特別に同席させよう。無論、お前はダメだがな? 今から1時間遅れで特務室だ」
「陛下・・本気なのですね・・承知しました。では、今から1時間遅れで特務室にて」
「うむ、頼んだぞガリア宰相・・・・」
「はっ」
ガリア宰相という白髪混じりの年配の男が謁見の間から出た後に、陛下は含み笑いをしながら俺達を見渡しながら告げる。
「カイよ、この続きは特務室で話そう。サーシャ殿、そしてお連れの皆様方も同席を願う」
「わかりました・・しかし、なぜ特務室なのでしょう?」
「・・来ればわかる。準備が整うまで、使用人が案内する部屋で待っていてもらおう。それと、魔法士団長ルミナと副官ネルルの両名は、ジーニス騎士団長がいる城内の騎士団詰所へと向かうが良い」
国王陛下の意図がわからないまま、背後にあるドアが開放され3人のメイドに連れられ謁見の間から出た俺達は、途中の廊下でルミナとネルルと別れ案内された部屋に入り呼ばれるまでシマチ達と待つことになったのだった・・・・。
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