ざまぁと吐き捨てた彼女に再会しましたが覚えてなく、それ以上のビックリに遭遇しました
アクセスありがとうございます。
「まるで帝国と戦争なんてしているとは思えないほどの平和な日常が流れているのね」
後から入ってきたサーシャは呟きながら通りを行き交う人々を眺め足を止めている。
「そうだな・・戦場から一番遠い場所だし。でも、アイツらがきたらこの穏やかな雰囲気も無くなるだろうね」
「それもそうね。カイ、今から何処に向かうのかしら?」
「先にギルド・・違うな。王城か騎士団本部かな?」
「カイ兄ちゃん、団本部より王城に行こ?」
「ルミナ、王城にか?」
「うん。団本部に行っても意味が無いと思うの」
ルミナの意見にどうするか考えている間になぜか俺の意見は聞かれず王城に行くことが既に決まっていた。
「・・えっ? 行くの王城に? 俺の意志は?」
「はい? 悩んだ時点で無いわ・・早く来なさい・・・・」
サーシャとルミナがもう先に歩き始め置いていかれる俺を、シマチは手を握り優しく引っ張ってくれる。
「行くにゃ」
先頭を颯爽と歩くルミナの姿に行き違う人々は、ルミナ魔法士団長と気付き声をかけるとルミナは笑顔で手を振り応え輝いて見えるも、ユキナに背負われているネルルは、正体がバレないよう被っていたフードを深く被り直し俯いていた。
王城までの賑やかな通りを歩き進み王城へと入る門の前に辿り着くと、突然姿を見せた魔法士団長ルミナの帰還に警備兵達は慌てた様子で対応し、流れで俺達も城内に入る許可が降りた。
「カイ兄ちゃん、もう先に団長が戻って来てるみたい」
「そうか・・アイツとの再会は近いみたいだな」
「・・そうだね」
最後にここに来たのはいつだったかなと思い出しながら城内へと入り、国王と謁見ができる部屋へと向かう廊下の向こうから複数の騎士が進路を塞ぐよう横並びの隊列で、急ぎ足で近付き目の前で止まる。
「ルミナ魔法士団長!」
「シェリー。ただいまもどりました」
「あの・・お連れの方々は?」
「戦地で協力してくれた冒険者パーティーの皆さんです。そして、ネルルを帝国から救い出してくれました」
ルミナが女騎士達にネルルを救ったと言う言葉に視線を動かすも、そのネルルが見当たらないことに複雑な表情でルミナに視線を戻す。
「あの、ネルル様の姿が見えませんが・・・・」
「・・・・ここですよ。シェリー殿」
「ネルル様?」
背後から柔らかく鈴の音が鳴るような声を発するネルルの声を聞いた、シェリーは再び視線を動かすと背負っているユキナが見えるように身体を動かし見つけた時のシェリーは戸惑いの顔をしていた。
「ネルル・・様?」
戸惑うシェリーの反応にネルルはユキナを俺の横まで歩かせた後に、感動の再会をするのかと思いきやなぜか俺を見ながら両手を広げ伸ばしていた。
「ネルル?」
「あの、お願いします」
「あぁ、もちろん」
ネルルの意図がわかった俺はネルルを抱き抱え前にいるルミナの横に並び立つと、彼女が両足を失っている現実を目にして、シェリー達騎士は騒ぎ出す。
「落ち着きなさい! この傷は、帝国勇者に敗北し剣で斬り落とされた結果なのです」
弱みを見せないよう必死のネルルは、小刻みに震えているのが抱き締められている俺だけが知っている。そんな彼女は彼女達に言い終わるまでその姿を隠し続けた。
「ネルル様を・・帝国勇者め・・許せん」
「だから落ち着きなさいシェリー。私達は国王陛下に大事な話があって急ぎ戻ったのです」
ルミナの凛とした言葉にシェリー達はハッとなり静かになる。
「ルミナ様、今は騎士団長ジーニス様が謁見中です」
「そう・・なら話しは早いわ。私達も行くわ」
「し、しかし・・謁見中に部屋に入るには、不敬でありルミナ様でも不可能です」
「どうしてなの? 私は魔法士団長よ?」
立場を利用して格下のシェリーに圧力を与えるルミナは、彼女が僅かに視線を逸らした隙にチラッと俺を見て少し楽しそうな顔を見せた。
「じ、実はですね・・近衛兵長命令で、国王陛下の謁見は1日1人と決められているのです」
「ザニアス近衛兵長が?」
「いえ、今はシエンナ近衛兵長です」
「シエンナ近衛兵長?」
女騎士シェリーが口にした近衛兵長の名前を聞いた俺は、ふと少女の懐かしい笑顔が思い浮かび消える。
「・・まさかな?」
そんなことは無いだろうと思い浮かんだ少女と別人だと決めつけている俺を他所に、シェリーは決定的な言葉を告げた。
「はい、シエンナ=フィフスアンガー近衛兵長です」
「うそっ!? あの公爵家出身のシエンナが、ザニアスの後継者なの?」
実の妹の名前を久し振りに聞いた俺よりも、ルミナが思った以上に驚き興奮している姿に俺の頭は冷静さを取り戻していて、何度かシェリーに聞き直すルミナはやっと納得した様子だった・・・・。
評価&いいね!
ありがとうございます。
しばらくは、王城での話しになります。
引き続きお付き合いお願いします。




