サーシャが久しぶりに狩人の瞳を輝かせ、駄竜の命に危機が迫っています
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「・・暑い」
暑さに目が覚め身動きが取れない俺は頭を動かすと、左右にシマチとユキナがピッタリとくっつき可愛い寝顔があり、ふとお腹から両足にかけて重みを感じ視線を向けた先に見覚えのある黒髪頭からブワッと小さな火炎を吐き出しては消してを繰り返すスミハがいた。
「スミハ? 燃やす気か?」
「起きたようじゃのカイよ。妾は待ちくたびれたのじゃ」
お腹の上でコロンと頭を回し見上げ金色の瞳で俺を見つめるスミハは微笑し、モゾモゾと身体の上を滑るかのように動き首元まで顔を寄せると、パチパチッと瞬きをしながら俺を見ている。
「待ちくたびれたって?」
「コレなのじゃ」
スミハが次に動いたと認識した時には、すでに首元もカプッと甘噛みされチクリと痛みと共に身体の中に何か温かいモノが入り込み全身に行き渡る感覚があったけど、抵抗する気は起きずそのまま受け入れた。
「スミハ、なんか入ってきてる」
「・・・・」
「スミハさん?」
「・・妾の加護をたっぷり注いだのじゃ」
「スミハの加護って・・」
「乙女の秘密なのじゃ」
「意味わかんねーよ」
「あぅ・・」
朝から意味がわからないことを言うスミハの鼻先をチョンッと指先で突いてから、立たせた後にまだ寝ているシマチとユキナを起こしてから一緒に先に起きているサーシャがいる部屋へと移動すると、ルミナとネルルが壁際に背中を預け座り居眠りをしていた
「サーシャ」
「カイ、今日はいい天気よ」
まるで俺が起きてくるのを待っていたかのようにサーシャは手招きをして、壊れ軋む音を鳴らすドアを開けて外へと誘われ3人を残し2人で外に出る。
昨日の土砂降りの雨空と違い雲一つない青空が共までも広がり、気持ち良い朝は優しい風が吹き抜け穏やかな時間がゆっくりと流れる中で、サーシャの背中を追い歩いた先にはまるで集会が行われていたような場所があり、そこの中心でサーシャは足を止め振り返る。
「カイ、ここから先・・あの2人は足手纏いになるわ」
サーシャの言葉の意味にルミナとネルルのことだと理解する俺を彼女は責めるような感じではなく、まるで同情し問い掛けるような瞳で俺を見つめ返事を待っている。
「・・俺は、2人を連れて行く」
「・・・・」
「サーシャ。これは、決定事項だ」
「そう・・わかったわ。準備ができたら出発よ」
サーシャが何の意図があって聞いてきたのかわからなかったけど、俺の意思を聞いてすれ違い様に俺の左手を握り廃屋へと戻る仕草に考えることをやめることにした。
廃屋に戻ると残っていたみんなの支度は終わっていたようで、満足そうな笑みで雑に折り畳んだ天幕をシマチから受け取り彼女が外へ出た後にルミナと天幕を畳み直してからマジックポーチに収納し王都へと出発する。
昨日1日だけ降った大雨なのに今日の青空が物凄く久しぶりに感じたのは俺だけじゃないようで、シマチとユキナの2人が周囲を走り回り戯れ合う光景を眺めいつもの事だなと呆れていると、珍しくスミハが列から離れフワッと体を浮かせ飛んでいく。
それとなく青い空を自由に動き回る黒い点のスミハを目で追いかけていると、不意にパシっと左腕を掴まれ引き寄せられる。
「カイ、気をつけなさい」
「ぉお!」
前を見ず上空にいるスミハを見ていた俺は彼女の動き回る姿に夢中になっていたため、道にあった穴に右足を踏み落とす前にサーシャが気付き助けてくれた。
「深っ・・ありがとうサーシャ」
「別に・・あの駄竜、目障りだからそろそろ地に落としても良い頃合いね」
俺に同意を求めるではなく掴んでいた左腕を離したサーシャは、風を纏った矢を手元に出現させいつの間にか左手に持つ弓に添わせ動き回る的に狙いを定めた。
「サーチ・・ロック、しね・・」
「んん?」
「落ちなさい」
スミハを狙うサーシャの口から死ねと聞こえたような気がした俺は思わず顔を向けると、サーシャはプイッと顔を背け空高く舞がる矢を見送る。
「・・スミハの方向から外れてるけど、結構高く上がるんだな?」
「トップアタックモードよ」
「なにそれ?」
「いつもの最短距離で貫く攻撃と違って、敵の死角外の弾道で油断させて上から頭を狙い貫くの」
「それってつまり、スミハは・・」
「そうよ、気持ちよく頭を貫かれるわ」
「本気か?」
「・・半分はね」
クスッと笑うサーシャにドン引きしているとそろそろ命中する時間ねとサーシャが呟き、すでに見失っている矢を探す俺にあそこよと指を差し教えてくれ凝視するも見つけることができない俺は諦めスミハが無事でいることを願うことしかできなかった・・・・。
評価ありがとうございます。
王都までの道のりには、イベントが起きながら進みます。




