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第96話 エマの未来

エマは新橋国際高校を卒業し、大学に行かずに音楽の専門学校へと進んだ。


専門学校でギターの技術だけでなく作曲も勉強し、もう一度バンドを自ら結成してギタリストとして活動したいと思っていた。


しかしその日が訪れるのは専門学校を卒業した次の日だった。


シンデレラロードのメンバーだったベースの鷺ノ宮エリスがもう一度バンドをやろうと招集し、あの時に助けたボーカルギターのアンナ・ダージリン、有名大学を首席で卒業したリサ・ロングボトムと合流した。


そしてメインボーカルで親の病気が原因で音楽をやめた子は…


「やっぱりメインボーカルはエマかエリスの方がいいんじゃない?」


「うーん、私はベースだから弾きながら歌うのはかなり難しいよ?」


「エマもアイドル時代は歌いマシタが、せっかくギタリストになったんだから弾きたいデス」


「うーん…相変わらずみんな頑固だなぁ…」


「アンナはやらないの?」


「ドラムやりながら歌うのは疲れるんだよ!?」


「となればやっぱり…」


「私になるのかな?」


「その声は…!?」


「嘘…!?どうしてここに来たの…?」


「エリザベス!」


「久しぶりだね、みんな」


「え?お母さんはどうしたの?」


「うん、去年に亡くなったよ。だから私は独り身になってね、バンドのみんなの事を思い出して匿名で連絡を入れてたの。でもまさかみんな本当に従うなんて思ってなかったな」


「どういうことなの…?」


「実はね…日本人の夫と結婚してね、その夫はレコード会社の社員なんだ。その人脈を利用してスコットランドで活躍した子のガールズバンドだけど、このメンバーをここに集めてほしいって依頼したの」


「なるほど…。お母さんはもう亡くなったんだ…」


「てことは日本に引っ越したって事…?」


「うん。だからね…もう一度このみんなでバンドをやろうよ!またスコットランドで活動したように、日本で再結成しようよ!楽しかったあの頃の…SKY GARDENを!」


「もう本当に…心配したんだからね!」


「でもこれで私たちの夢が叶うね!」


「エマ、日本でアイドル活動して待った甲斐があったね」


「これで…もう一度ガールズバンドを組める…!あれ…?涙が…」


「もう泣かないで?」


「再結成を誰よりも待ってたのはエマだからね」


「泣くのも無理はないよね」


「じゃあそろそろ行こうか。私の夫が務める…サンティスに」


「え?あのアニメソングの名門レコード会社の!?」


「ということは…」


「うん。デビュー曲は…アニソンだよ!」


こうしてエマたちはかつてのガールズバンドを再結成し、メインボーカルだったエリザベス・シャンクスによってサンティスで契約をする。


その契約後には数々のアニメソングを作曲し、ハニーはそれをすべて楽しそうに歌い上げる。


エマたちもこの時を待っていたかのように楽器を演奏しながらサブボーカルを務めた。


再結成から七年が経ち、ついにSKY GARDENの武道館ライブが行われる。


エマたちは武道館でライブするのが夢だったが、まさか正夢になるなんて全く思ってなかった。


しかもイギリスみたいにUKロックではなく、日本でアニメソングバンドとして路線を変えてから昔よりも人気も知名度も上がっていた。


その事を胸にエマたちはステージに上がる前の円陣を組む。


「まさかあの時よりも人気になるなんてね」


「想像もしなかったよ」


「でもおかげで日本だけでなくイギリスから来た人も結構いるみたいだよ」


「今日ここで日本とイギリスの架け橋になっちゃおうか」


「いくよ!SKY GARDEN!」


「Here we go!」


解散前の掛け声を出したエマたちはそれぞれの楽器を持ってスタンバイする。


ライブが始まると多くのファンが完成で迎え入れてくれた。


サイリウムの色である空色が客席を埋め尽くし、美しい空模様を描いていた。


昔はアンナがリードギターだったが、今はエマがアイドル時代に目立ってきたのでリードギターに変わっているなど変化もあった。


エマのギターソロでファンは大いに盛り上がり、空色のサイリウムを激しく振り回していた。


もちろんアンナもかつてリードギターをやっていたので、負けじと対抗するなどメンバー全員が負けず嫌いなところを見た古いファンは相変わらずだなぁと頷いた。


MCに入ると再結成の話をしたところで、エマがずっと待ってくれたことを暴露される。


エマは恥ずかしがりながらも誇らしくメンバーの事を話し、昔のようなトゲのある毒舌も鳴りを潜めた。


ただしそれはひかり以外が対象で、遠慮なく語り合えるひかりには相変わらず毒舌である。


ライブもアンコールに入ると、いつもの空色のライブTシャツに早着替えしてステージに上がる。


「えーっと…皆さん!再結成してからもう七年も経ちますが、私たちはこれからもSKY GARDENとして活動を続け、もう解散なんてことがないように私たちも頑張ります!」


「ここにいる鷺ノ宮エリスと柏木エマは、アイドル時代に切磋琢磨し合っていてアイドル卒業まで競ってたことは皆さんも知ってると思います。それでも二人は再結成を信じて日本で活動し、私やリサが日本に来れるように頑張ってきました。二人はこのバンドの再結成の功績者です!大きな拍手を!」


「エリスから何か言ってクダサイ」


「私?えっと…私はどうしてもバンドのベーシストとして成功したくて諦めきれずに何度も他のバンドで活動しました。でも結局メンバーの誰かがいつもいざこざがあって方向性の違いで解散ばかりして、神さまは私にバンドをするなと言うのかな…と悩んでいた時だった。あの高飛車財閥事件の一人娘で、今は日本新聞の記者をやっている灰崎真奈香記者の義妹になった灰崎きららと出会い、バンドじゃなくなったけどもう一度表舞台に立つチャンスを与えられたんだ。条件として将来はベーシストとして活動させてほしいって言ったら、すぐに承諾してくれて嬉しかった。そしたらきららは資金を援助してくれてベースの勉強を続けられたんだ。その結果…このメンバーが日本で活動できるようにしてくれた。そして…再結成された。それが嬉しかったんだ。ファンのみんなも待ってくれてありがとう」


「エリス…これじゃあエマのスピーチがかすむデス。エマもSKY GARDENが解散して行き場を失ったところで、エマは歌が上手いから日本のこのアイドルのオーディション受けたら?ってエリザベスに言われマシタ。でもギタリストとして活動したいエマはなかなか納得しなかったデス。それでも諦めずに勧めてくれて、才能があるんだから挑戦してって背中を押されマシタ。その結果…飛び級合格して、ここと同じくらいかけがえのない仲間と出会えマシタ。SBY48で培った経験は全部無駄じゃないし、このアイドル活動をきっかけに、みんながもう一度バンドをやりたいって思えるのならって頑張りマシタ。そしたら偶然エリザベスが結婚して日本に住むようになり、再結成のチャンスが訪れマシタ。それが今回のライブをやれた理由デス。嬉しかった…ずっと待ってた…。だからSKY GARDENは…最高の仲間ス!エマたちのSKY GARDENは…永久に不滅デース!」


エマとエリスのスピーチでファンは感動し、最後の曲で最高の形で締めくくった。


ライブ終演後はバンドのメンバーで居酒屋で飲み会を開く。


ただし全員お酒は飲めないのでソフトドリンクで乾杯し、好きなメニューを頼んで昔の話で盛り上がる。


そんな時だった…


「ん?いきなり匿名から誰デスカ…?久しぶりだね。突然だけど今年の大晦日に渋谷駅のハチ公前に集まってほしいので、仕事をオフにして時間を空けておいてください。秋山加奈子より。Oh my gosh!」


「え、どうしたの?」


「加奈子先輩から急に連絡来マシタ!」


「嘘!?あの人って確かまだ行方が…」


「一応恩師の人に相談してみて?本人かどうかわからないから」


「OK!」


エマは加奈子宛てのメッセージを見て軽くパニックになり英語で喋ってしまう。


メンバーもあまりの出来事に日本語を忘れて英語になるも、エリスは冷静さを保って日本語で諭す。


確認をしたところ、このアドレスは加奈子本人で間違いないとの連絡が入った。


バンドメンバーはエマに同窓会の可能性を考えて、大晦日の日はスケジュールを空白にした。


つづく!

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