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第28話 リーダーとは

結衣と加奈子はディストラの圧倒的パワーに押され立ち上がる事さえギリギリの状態になる。


魔物たちも暴れ回り檻の中の人々は徐々に無気力が悪化していった。


このままではやられる…そう思った矢先のことだった。


「大島さん!秋山さん!さっき鍛えた筋肉に問いかけてみて!あなたたちのパワーはこんなものじゃないって言ってると思う!」


「あ?何だ…?まだやる気に満ちている人間がいたってのかよ!だったらお前のそのドリームパワーを…うおっ!?」


「そうはさせない…!彼女には鍛え続ければ絶対に筋肉は応えてくれるって言ってくれた…。それと同じように諦めず戦い続けば…あなたのような暴力で夢を奪う奴に負けないって証明してみせるわ!」


「私は筋トレをやってないからまだまだだって実感した…。だからこそ諦めずもっと自分を高めようって思えるようになった…。後輩がやる気に満ちているのに…センターで先輩の私が諦めるわけにはいかないよ!ディストラ!王国の因縁をここで晴らしてあげる!」


「ははっ!面白い…だったら俺の一撃をもう一度くらうがいい!それともあの人間に標的変えてやろうか!?」


「そんなこと…させるものかぁっ!」


「ぐわっ!?」


「結衣…あなたってひかりに負けないパワーの持ち主だね…」


「筋力だけでなく柔軟性や連動性、そしてその動きに適応した適応力がなければ筋力は活かされないんです。単純なパワーが基礎体力なら、それらは応用といったところです」


「なるほど…」


「ぐぬぬ…もう許さねぇ!お前ら!さっさとこいつらを殺せ!」


「やれるもんならやってみて!先輩としていい格好見せなきゃ!ロケットドリル!」


「ぐぅっ…!」


「一気に貫きやがった…!」


「こっちだって筋肉は裏切らないんだから!ヒートショット!」


「ぐはぁっ!」


「ここで一気に決めるよ!」


「はい先輩!スカーレットラッシュ!」


「ワルキューレタックル!」


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」


「クソッ!相変わらずムカつく奴らだ…!」


魔物は浄化されディストラは逃げたものの檻の中の人々を救出する事に成功する。


国家資格を取りたての研修医男性、世の中の治安の悪化を憂いた作家男性、初恋の片想いを抱いている女子高校生、まだ無名で駆け出しの男性絵師、そして不良校を抱える熱血男性教師と知り二人はそれぞれにエールを送った。


「最初は誰だってうまくいかないものです。医療は日々研究と実践だと聞きましたよ?世の中はまた西暦のように荒れ果ててきましたよね…その優しい気持ちを忘れずに訴え続けてください。初恋はみんな苦しくてわからないものです、まず大事なのは好きだと勇気を出して伝える事ですよ?自分を見てくれないのなら…どうやったら見られるかを考えて振り向いてもらいましょう。そして…あなたの熱意はきっと無駄じゃないって信じています。どうか生徒たちを見捨てないでください」


「あんたたち…知らない俺たちのために…」


「本当にありがとうございます…」


「私…勇気を出すよ!」


「けど何でだろう…?檻の中にいる間に君たちに助けられたような…?」


「きっと僕たちは悪い夢を見ていて、そんな中で助けられたんだろう…。あの時だけ本当にいい夢だった…」


「皆さんはただ不安が悪い夢として現れてしまい、それに耐えきれずに気を失ったんだと思います。でもこれからはもう大丈夫だと私は思います。あなた方はもう前に進むって決めた目をしていますから」


「本当に感謝するよ…じゃあ僕たちはもう行くよ。アイドル…だったね。秋山加奈子ちゃんでわかったよ。本当にありがとう…」


「筋肉だけでなく友情もまた裏切らないといいね…。さぁ二人とも!続きの撮影だよ!もっと私とナイスバルク!」


「はい!」


「ひぃ…!」


こうして檻の中にいた男女を助け出し事件は一件落着した。


杉田さんの筋肉のノリになかなか慣れない加奈子は終始息が荒くなり疲れ果ててしまった。


そんな疲労困憊の加奈子に結衣は自前のプロテインを手渡しトレーニング後のケアを伝授した。


その事で加奈子は結衣がリーダーの器を持っていると改めて感じた。


「結衣、あなたって結構世話焼きなところがあるんだね」


「うーん…何て言えばいいんでしょうか…。私は悩んだら突破口を見つけ出して自ら解決していきますけど…他人の場合は違うので放っておけないだけですよ?だって突破口も解決方法もみんなそれぞれ違うのですから」


「なるほどね。その人に合ったやり方は何なのかを考えられるほど優しい子なんだね」


「まぁ…私にも挫折はたくさんありました。子役として限界を迎えた時にいつまでも子どもの演技だと年齢に合わなくて浮いてしまいますし、それが原因で俳優をやめた子たちも結構いるんです。とくに男の子は変声期で大きく挫折してやめちゃう子もいました。でも…私は逆に自分を変えるチャンスなんだと思ってアイドルとしてやってみようって気持ちでオーディションに参加しました。それがこんなにも刺激的だなんて思わなかったです。私にリーダーの素質があるかはわかりませんが任された以上は全力でやるつもりです」


「結衣らしいね…。私はどちらかといえばみんなの前で引っ張っていくけど器用にまとめる事が下手なんだ。だからこそ私に出来る事はよりみんなの事を知って個性を磨かせ、そして周りを見る目を鍛えて自分だけがトップだと驕らない。そうなったら一緒にやってきたメンバーにも他の子を応援するファンにも失礼だからね。だからこそ私は自分がセンターでも他の子も凄いんだと層の厚さを見せつけたいんだ」


「加奈子先輩はどちらかといえばサブリーダーって感じですね。ということは私のことも把握しているんですか?」


「うん、もちろんだよ。あなたが完璧主義すぎて他人には強制しなくても自分には厳しい。けど心が強くないとその方法は成り立たない。だから心身ともに鍛えてるんでしょう?」


「先輩にはなんでもお見通しですね…参りました。じゃあもっと筋トレを長続きさせるためにもっとパンプアップさせましょう!」


「あはは…私もジムに通おっと…」


つづく!

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