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第二話
或る月曜日の昼前の事。一人の青年が自宅の玄関で絶望していた。そう、山田くんだ。
必死のホフクゼンシンでなんとか玄関にたどり着いた彼は、ある悲しい事実に気が付いてしまった。扉の前まで来たところで、今の状態では錠を外すこともできなければ、ノブを捻って扉を外に向かって押すことさえままならないのだ。錠が一つだけならまだどうにかなったかもしれないが、残念ながら彼の部屋の扉には錠が二つもついていた。足が動かず止むを得ずホフクゼンシンをしている人間には開けられるはずもなかった。諦めてしまった。
「仕方ない。今日は此処で死ぬとしよう。」