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THE NAME  作者: リザ・ベルフェゴール
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黒羽の願い


「そんなに見つめられると照れちゃうよ。」


「馬鹿ね。」

黒羽を軽くあしらうと、また一口ワインを飲んだ。人間は暗示だけで病気を治せるもんなのね、、、一歩間違えるとかなり危ない。


「黒羽、貴方の何を企んでいるの?」

ワインを軽く回しながら、横目で黒羽を見つめた。




「驚かないで聞いて欲しい、、、

ガラウちゃん、いや、ガラウ。

君は狙われている。俺に君を守らせてもらえないか?俺と一緒に来て欲しい、、、」

真剣な顔で、黒羽は突飛な事を言った。


「ふふっ、あっはっは。

ちょっと変わったプロポーズのつもり?愛する君を誰にも渡したくないんだってやつ?」


私が命を狙われてる?そんな馬鹿な。父に捨てられてから、ずっと1人で生きてきた。

恨みを買う程誰かと長く深く付き合ったことはない。感謝されても恨まれる覚えなんてないはずだ。


笑って話を本気で受け取ろうとしない姿を、黒羽は苛立った様子で私の肩を強く掴んだ。


「ガラウ!俺の目を見ろ!」

突然の黒羽の剣幕に少し押されてしまった。

黒羽のかおは笑っていても、怒っていても、瞳の奥はいつも泣いている。

どうして、こんなに寂しい目をするの?

ねぇ、貴方も、、、


ガラウの瞳がうつらうつらし始め、黒羽の胸の中に倒れこむように身体を預けた。


「ガラウ、君を守らせてくれ、、、」

眠りに落ちたガラウの寝顔に囁くと、愛おしそうにガラウの華奢な身体を抱きしめた。

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