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決められた運命
「彼は、、、なんて言ったんですか?」
「彼は、、、何も言わなかったわ。ただ黙って頷いただけ、、、」
「そんな、、」
「、、私も少し期待していたのよ?一緒に逃げようとか、これからもこっそり会いに来るからって、、、そんな言葉を期待してたのに、、、彼は何も言ってくれなかった、、、」
「彼は、、、もう?」
「彼はその日から姿を見せなくなった。私の部屋の窓は塞がれた。その日から私は部屋の中で一人きり、、、楽しみのない毎日だったわ。そんな私に追い打ちをかけたのはお父様の一言だった、、、」
「それは、、、?」
「私に、、、結婚しろと言ったの。」
「、、、結婚?その相手って、、、」
「、、とある名家の御曹司。会った事もない人との結婚なんて、、、って勿論拒否したわ。でも、お父様は私の言葉を聞き入れてはくれなかった。いつだって私の意見なんて聞いてはくれなかった。」