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扉の先
、、何かが変だ。
いとも簡単に潜入出来た上に、まだ敵に会わないなんて、、、
ここには人の気配がないどころか、居た形跡すらない。
、、、これは罠?
疑いながらも、ガラウは目的の扉を見つけた。
「、、ここだわ。」
扉に触れようと手をかざした瞬間、扉は音もなく開いた。
中から引っ張られるような不思議な力を感じて、ガラウは扉の中に足を踏み入れた。
中に入ってみると薄暗かった。奥へ進むと、室内とは思えない程一面に花が咲き乱れていた。その花は発光していて、何処か不気味さを感じた。
「、、、誰?ねえ、、、誰?」
何処からともなく女性の声が聞こえてきた。声の主の姿を探すが見当たらない。一面青白い光を放つ花畑がどこまでも広がっていた。意を決してガラウは声を出した。
「私はガラウ、、貴女は一体何処にいるの?姿を見せて?」