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束の間の休息
「私は大丈夫だ。続きを聞かせてくれ 」
ガラウは頷くと話し始めた。
「黒羽は、、、きっと黒猫のまま、今頃猫のお嫁さんをもらっていたかも 」
「黒羽が、、、嫁をなあ、、、」
カンナとガラウは少し考えて、言った。
「「ないな!」」
二人は顔を見合わせるとまた笑った。カンナは立ち上がると、ガラウに言った。
「何も考えずガラウを連れ去って来たから、今頃あの二人焦ってるな。早く帰ってやらないと、、、いっ、、」
カンナが歩き出そうとした時、足に痛みが走った。よろけたカンナを支えてガラウはその場に座らせた。足を見てみると、少し傷が出来ていた。
「きっと、走ってる途中に、、、」
「このぐらい平気だって。唾つけときゃ、、、」
「ダメよ!ちゃんと消毒しなくちゃ、、、。ちょっとここで待ってて。すぐ戻るから、、、」
そう言い残すと、ガラウは茂みの奥に消えて行った。