黒羽の不安
ガラウは便利屋の仕事を休んで、幼少期のトラウマと戦う決意をした。俺より熱心に情報収集も上手だ。まあ、便利屋をするくらいだから何でもないだろう。ガラウは、俺と目が合うとガラウは俺に笑顔を向けてくれる。少しくらいは俺を信頼してくれているのか?そう信じたい。恥ずかしい事に、緊急事態とはいえ、起きているガラウにキスをした事を気にしていた。
俺の気持ちに気づいてか、ガラウは俺を抱きしめて
「馬鹿なんだから、、黒羽は、、」
そう言うと、優しくキスをした。
「こうしたくなったら、いつでもしていいのよ?」
ガラウは意地悪な笑みを浮かべた。この時黒羽はガラウにはかなわないと悟った。
過呼吸が出る程のトラウマを乗り越え、もう自分の運命と向き合っている。
資料の山に埋もれ、寝息を立てているガラウに自分の上着をかけた。
ガラウは、強くて弱い。一人で頑張りすぎだぞ。
「守らせてあげる、、、か」
黒羽はガラウの寝顔を眺めた。
黒羽は、嬉しい反面、不安でもあった。
今はガラウをこの手で抱きしめて守ることができる、、、
でも、俺の正体を知ったら、ガラウは俺の事を軽蔑するだろう。
ガラウが苦しめられている薬に、俺は生かされている、、、
ガラウごめん、、、まだガラウに嫌われるのが怖い、、、
あと少しだけ、ガラウの傍にいさせてくれ、、、
小さく謝ると、引き出しから細長い容器を出した。
残された薬は、、、あと5本か。
ガラウと二人だけで過ごすのもあとわずか、、、
時計を見た。あと5分で、日付が変わる。
日付が変わる前にガラウは薬を腕に注射した。
今日が終わる前に、黒羽は薬を腕に注射した。