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ガラウの全てが
「カスミは、薬の副作用でよくうなされていた。その時からカスミは意味深な事を呟いていたわ。」
「どんな事を?」
「お前だけ幸せになんてさせない、とか、お前がどこへ逃げようと逃がさない、とか、、、」
「じゃあ、その時からカスミはガラウを探していたって言うのか?」
「、、まあ、はっきりとガラウの事だとは分からないけど 」
「、、、カスミもガラウも、好きなのに、、、」
カンナは頭を抱えた。
「カスミかガラウか、、、選ばなきゃならないのか、、、?」
黒羽はそう呟くと続けた。
「そんな事、、、出来る訳ないじゃないか、、、」
「ダリア、何とか二人を救うことは出来ないのか?」
「カンナの気持ちも分かるけど、カスミが欲しがっているのはガラウの力だけじゃない。カスミはガラウの人生も存在も身体全てを手に入れたいの。ガラウの全てを手に入れる為だったら、誰にでも手をかける、、、だから黒羽の中のガラウの治癒能力を取り込もうとした。」
「だから、、、カスミはあの時俺を、、、」
黒羽はあの時のカスミを思い出した。