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決意
黒羽はどうして、あんなに私を守ろうとしてくれるんだろう?
生まれてから、誰かと深く関わるのが怖かった。父に人殺しと言われ続け、自分で自分が怖かった。自分には自分で制御出来ない、他人を不幸にしてしまう力があると信じ込んでしまっていた。
私はこのまま、黒羽と一緒にいていいのかな、、、
「ガラウちゃ~ん」
つい、考え込んでしまった。
「あっ、ごめん」
私の顔を見て、黒羽は笑った。
「あっ、笑った、、、」
思わず思っていた言葉が口をついて出た。
黒羽が驚いて聞き返した。
「えっ?俺笑うよ?」
不思議そうに目を丸くする黒羽。
そんな黒羽にちょっと意地悪をしたくなった。
黒羽の頬に手を添えて、黒羽のおでこにキスをした。
「黒羽、可愛いよ?」
黒羽の驚いた顔にガラウは満足して言った。
「黒羽、貴方に私を守らせてあげる。ついてきなさい。」
仁王立ちして、腕を組んで誇らしげに笑った。
きっと、奴らに捕まったら私は人間のまま死ぬ事すら叶わないだろう。
死ぬ事も許されず、ひたすら痛みに耐える日々かもしれない。
でも、私は逆らいたい。だって、今の私はもう一人じゃないから、、、