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荷造り
「起きて、黒羽。」
ガラウの言葉に黒羽はゆっくり身体を起こした。もう朝か、、、
結局、昨日はろくな話もしないまま寝てしまった。貴重なガラウとの二人きりの時間だったのに、、、黒羽は頭を抱えて昨日の自分を責めた。
その様子を見てガラウが声を掛けた。
「どうしたの?頭が痛いの?」
「あっ、いやこれは違うんだ 」
ガラウと話をしていると準備を終えたカンナとダリアが部屋に入って来た。入ってくるなりダリアは部屋中を見回した。
「二人ともまだ準備出来てないの?ちゃんと夜のうちに済まないとダメだってあれほど言っておいたのにー!」
ダリアが母親の様に小言を言いながら二人の荷物をまとめ始めた。ダリアに聞こえないようにカンナがガラウに耳打ちした。
「大丈夫。ただの焼きもちだ。」
そう言うとカンナはダリアに近付いて一緒に荷造りを手伝った。
「ほら、二人ともボーっとしないの!特に、黒羽!何にも準備出来てないじゃない!」
「ああっ、悪い、、、」
黒羽はダリアに怒られ、カンナとダリアと一緒に荷造りを始めた。