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最終決戦
「明日は早い。今日はみんな寝る事にしよう」
黒羽の言葉にダリアがカンナに話しかけた。
「カンナ、今日は一緒に寝ようよ!」
「私は、ガラウと、、、」
「もー、いいから!私と寝るのがそんなに嫌なの!?」
文句ばかり言うカンナを半ば強引に引きずり、ダリアは部屋を後にした。
「気を利かせてくれたのかな?」
黒羽は苦笑いしながら、ガラウの方を見た。ガラウは黒羽を見ると微笑んだ。ガラウの笑った顔に見とれてしまった。ガラウが不思議そうに黒羽の顔を覗き込んだ。
「私の顔に何か付いてる?」
やっぱりガラウは何も変わっていない。自分がどれ程人の目を引き付けるのか全く知らない。黒羽は思わずガラウを抱きしめた。いきなりの事にガラウは動揺していた。
「ごめん、少しこのままでいいか?」
黒羽の腕の中のガラウは静かに頷いた。黒羽は抱きしめる手に力を込めた。
「黒羽、、、」
「明日、とうとう最後の戦いか、、、」
「そうね、、、」
二人の間に沈黙が流れた。